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浮腫(むくみ)を東医観点から診てみる

はじめに

浮腫(むくみ)についての東洋医学観点からの考えと簡単で効果的なセルフケアもご紹介しますので最後まで見ていただければ嬉しいです。

誰しもが一度はむくみの経験はあるのではないでしょうか、歩き過ぎた日や、飲み過ぎたり塩分を多く摂った次の日など様々な原因で浮腫(むくみ)は体に出ます。

今回は下肢の浮腫(むくみ)をテーマに発信したいと思います。

1年半前から来院され今も担当させていただいてる患者さんの話です。

70代女性。
既往に大腿骨頸部骨折
現往にパーキンソン病

来院時は足底腱膜炎でした。
歩行困難になるレベルの足底腱膜炎でしたが症状は約2ヶ月でほぼ緩和するも片側の浮腫が不定期に出現(本人さん曰く前からあるとの事でした)。

特に朝から浮腫がきつく(踵部付近が赤紫色に色調変化)、労作時に胸が少し苦しい症状が出るとの事で専門医に対診依頼した所、心房細動が分かりました。

カテーテル留置してからは今日に至るまでピタリと浮腫はでていません。

何気ない浮腫(むくみ)だと軽視せず、しっかりと病態把握と鑑別評価が大事だと再認識しました。

話は飛躍しましたが
そんな浮腫(むくみ)とはどういう風に見れば良いか?危険な浮腫は?を簡単にお伝えできればと思います。

浮腫(むくみ)とは?

鑑別評価として圧痕徴候(脛を押さえて指を離すとボコッと凹み痕が残る)/stemmer徴候(象の足みたいに腫脹して皮膚のシワがなくなりパンパンに腫れる)はマストで評価します。

上記の画像は実際担当した患者さんの浮腫画像です。

朝からパンパンに浮腫があるのと色調変化も著明で下肢の重怠さが主訴でした。

圧痕徴候とstemmer徴候が陽性で対診依頼しましたが特に異常はありませんでした。

左右差が明確に分かると思いますが見た目がはっきりとしている浮腫は専門医に迅速に依頼するのが賢明だと思います。

この方は週1の徒手治療と鍼灸治療で浮腫は改善しました。

軽視してはいけない浮腫を纏めると
・圧痕がしっかりと残る
・象の足みたいにパンパンに張りシワが無くなる位にむくむ
・朝からパンパンにむくむ
・むくみが下肢から広がる
・片側から明らかにむくみ腫れている
・色調変化でピカピカ光るように腫れる
・色調変化で赤紫色(チアノーゼっぽく)腫れる

簡単に纏めているのでこれが当てはまるから危険!ではないです。

あくまで診断は専門医のDr.に依頼し
リンパ管造影/下肢超音波/血液検査等で診断されますが

私自身が鍼灸整骨院で臨床に携わる範囲においては、上記の内容を念頭に置いて病態評価をしています。


浮腫への鍼灸治療

浮腫治療に有効な経絡経穴は沢山ありますが特に臨床で用いる経穴を抜粋したいと思います。失眠穴と水分穴です。

「失眠穴」

不眠症の経穴で有名ですが(中国では不眠を失眠と呼ぶとの事)
実は不眠よりも浮腫に効果があります。
利尿作用も期待できますので痛風治療でも用いたりします。
踵の中央に位置するのもありお灸や鍼も行いやすく施術後の患者さんご自身の改善自覚度が高く信頼関係構築が早く作れるので重宝する経穴になります。

「水分穴」

その名の通り水を分けるツボです。
経穴的には小腸の入口にあると言われます。
浮腫やお腹の張り感やストレス性の腹部の痛み等に効果が高いです。
個人的にはここのお灸が好きです。
疲労改善に良くしています。

双方鍼灸併用治療でこの経穴周りを温めたり軽くマッサージしても良いと思います。


浮腫予防/改善へのセルフケア

🔴委中を優しく渦巻き状にマッサージ

腰背は委中に求むの「委中穴」です。
所謂、ディープスポットになりますので強く押してはいけません。(神経/血管がある為)
椅子に腰掛けて優しく押さえて渦巻き状に1~2分程マッサージしましょう。

・長時間デスクワーカーの方の休憩中
・沢山歩いた日の就寝前の疲労改善

膝関節症の方にも良く伝えるセルフケアにもなります。

本日の内容は以上になります。

「皮膚は内臓の鏡」です。
引き続き好評でしたら東医観点からの診方やアプローチ・セルフケアとやっていきたいと思います。

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また次回も宜しくお願い致します。

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