【コーポレート ソーシャル レスポンしビリティ】 #946

僕はいわゆる身体障害者である
身体が不自由で出来る事と出来ない事がある

出来ない事は誰かのサポートが無いと生きていけない
普通の人が当たり前に出来ている事がね

そんな僕はありがたい縁があって就職ができた
しかも大手企業に
僕は一所懸命に働いた
会社も僕のような人間を雇う事によってその活動を広くメディアなどで紹介された

頑張って働いたお陰で僕は昇進でき係長という役職を得た
ありがたい
就職できただけでも感謝なのに出世まで出来たなんて嬉し過ぎる

でも人からしたら些細な事かもしれないが
ある事がキッカケで退職に追い込まれた

係長になった事によって僕にも数人の部下が出来た
今まで人を使った事が無かった為
部長に色々と相談しながら仕事を進めた
物とは違い人を扱う訳だからとても慎重になる
ストレスからか始めて胃が痛くなった

実績は最初こそ良かったものの
僕の指揮能力の低さかジワジワと落ちていき
その事で更に比例して胃の痛みも増し
部長に相談するもなかなか良い打開策が見つからず
イライラしてしまった僕は特に成績の悪い部下に注意をした

きっとその時の言い方が非常に悪かったんだと今となっては思う
でもあの時は自分もいっぱいいっぱいでって言ってもこれ言い訳ですよね

そうしたら部下からの一言が僕の胸にズシンと突き刺さった

「山田さん
やれやれって言うけど
アンタやった事ないでしょ
出来ないでしょ

出来ない奴にそんな事言われたくないっすよ」


そう僕は身体が不自由でそれはやりたくても出来ないんだ

僕は何も言い返せなかった

それから彼の僕に対するネガティブな気持ちが他の部下にも伝染してしまい
僕が何かを言ったりしたら睨まれるし酷い時は僕に聞こえるように「チッ」と舌打ちまでされるようになった

しかし不思議な物で僕の言う事を聞かずに自分勝手にそれぞれが仕事をしだしてから何故か業績は回復し
それどころか業績はアップした

僕は部長からお褒めの言葉を貰った

僕は耐えられず涙を流して
今までの経緯を全て話した
その上でもう精神的に耐えられない事を伝え退職した


もう当分働く気持ちにはなれなかった

甘いとお思いでしょう
そうなんです
僕はあまりにも甘過ぎなんです
人に助けられてばかりで人の役に立つ事が何もできないどうしようも無い奴です


腐り切った僕は家に閉じこもった
もう出たく無い

会社を辞めて数週間したある時
僕にキレたあの元部下から手紙が届いた

"山田さんお久しぶりです。
まさか辞められるとは思っていませんでした
今更なんですが、僕言い過ぎたなって反省しています。

ただ山田さん今度は新しい職場では実力で上がって下さい。
またダメ出しすんません。

来月でうちの係は解散になりました。

結局山田さんのメディア用の係でしか無かったんで…
それで僕も皆んなもイライラしてたんすよ。

ホントにすみませんでした。

返信は結構です。

ありがとうございました。
では"



そうだったんだ
結局僕は飾り物に過ぎなかったんだな
僕みたいな障害者の新しい道筋が作れるかもと思っていたのに


まだSDGsなんて言葉が無かった昭和の出来事である





ほな！