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共通テスト記述式の採点をベネッセがやることに!公教育民営化への懸念


今までのセンター試験に取って代わる「新共通テスト」。その国語と数学の一部の問題は記述式です。その記述式の問題の採点をベネッセグループがやることになりましたね。

ベネッセは過去に情報漏洩の問題を起こしています。故に世間の反応も厳しいものが多かったのしれません。また、入試改革の方針が右往左往した末に、結局ベネッセという大企業が改革のトピックを総取りするという結果に、苛立ちがあるのかもしれません。

世間の反応

世間の声を少しピックアップしてみました。似たようなものの中から代表的なものを抜粋しています。


問題流出のリスク

特に、問題流出のリスクを懸念する人が多いようです。



大学入試の個別試験は、問題流出のリスクを最小限に抑える努力がなされています。


・問題作成者を数人に絞る

・作成者氏名を公開しない

・問題を作成したら当日まで金庫に保管する

などの様々な工夫が各大学でなされています。

ベネッセグループの採点は、セキュリティ面で様々な懸念がなされています。数千人以上の採点者を要します。そこに大学生も加わってくるでしょう。SNSでの拡散も出てくると思います。

ベネッセの独占状態に

さらに、この度の教育改革が全てベネッセの独占になってしまうのではないか、と懸念される方もいます。


改革の主要トピックが、全てベネッセのサービスで埋め尽くされています。


英語民間試験 → GTEC

eポートフォリオ → Classiと連携

高校生のための学びの基礎診断 → スタディサポート


このような教材や試験、システムが学校現場に多く導入されているのは、全国のベネッセの営業マンが各学校に張り付いているからです。長年に渡って学校を専任して関係を築いてきました。

学校の先生にとっても、ベネッセの営業マンは重要な情報源です。入試動向に関してもアドバイスを求めます。

このような関係から、記述式問題に関しても実権を握ってしまうと、ますますベネッセの教材を買いたくなるでしょう。「ベネッセは記述式の問題を知っているのだから、ベネッセの教材をやっておけば問題ないな」という安心からです。

公教育が1つの企業に依存しすぎてしまう、独占的な状態に学校教育は注意しなければなりません。


意外な現場の先生の声

しかし、実際の現場の先生方はこんなことを思ってたりもします。

教育改革が激動すぎてどの情報を信じて、何の教材を使って教えたらいいか自分だけでは正直分からない。その点、ベネッセの商品は「これをやっておけばとりあえず一安心」のものが揃っている、Classiにしろ、スタディサポートにしろ。

この先生はある私立学校に勤務する進路指導の先生です。

すごくベネッセに依存している特殊な先生なように思えますが、このような先生は少なくないと思います。入試がどう変わっていて、生徒にどんな授業をしたらいいかなどの情報を集めることは、多忙な先生にとってはハードルが高すぎます。だったら、信頼できるベネッセの営業マンを信じた方が効率はいいかもしれません。

公教育が民間企業であるベネッセ1社に依存するのはちょっとなぁ...

とも思いますが、現場の先生の多忙さを想像してしまうと、シンプルに1つの情報を信じたくなる気持ちも分かります。

とはいえ改革の被害を受けるのも恩恵を受けるのも全て生徒です。変更点ばかりで生徒を振り回さないように、改革の意思決定とさらなるリソースの投下を望みます。

(終わり)



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