人生だいたい折り返し。

GW連休前くらいから、少し、バタバタしている。勤務先に関わることなので、あまり詳しくは言えないけれど。

とりあえず、目先1カ月~2か月は少し忙しくなるのかな、という気がしています。もともと「めちゃめちゃ激務」という気はしていないので、まぁ、忙しくなるといってもたかが知れているのですが。

平日朝の通勤電車を降りてから、帰り道、6人掛けシートに腰を沈めるまでの間は、ひとまず自分なりに目の前のタスクたちとしっかり向き合って。
帰宅して、メシを食い、水槽の消灯時間までに給餌をすませ、心と時間に余裕があればビールでも飲みながら水族館写真のRAWデータと格闘し、たまにブログに駄文を綴ったり、ささやかな配信のアイデアをメモに留めたり。
それでどうにかして金曜日に辿り着いて、週末は夫婦ともども、趣味に時間を費やす。

そういう時間の過ごし方に、だいぶ慣れました。
というか、数年前と比べたらその「昼(会社)と夜(自宅)のギャップ」みたいなことにストレスを感じなくなったというか、その両立をそれなりに楽しめるようになったというか。
大学生時代の自分が見たらびっくりするかもな。成績優秀とは断じて言えないけど、とりあえず10数年間、スーツ着てちゃんと会社員してんだぜ。

学生生活のラスト、就職活動やらなんやらで右往左往していた時期に密かに思い描いていた未来予想図があって。
当時の自分はまぁぐーたらと生きていて(それは今でもですが)、なにかとへこたれては大学の目の前にある熱帯魚屋に逃げ込んで、店長のおっちゃん相手に弱音を吐いていた。大学時代のいくつかの挫折の結果、研究者や専門家への道に本気で踏み出す勇気も失い、かといってなりたい仕事もなく。
おっちゃんから貰い煙草をしては「もう時給300円でいいから、来春卒業したらここでバイトをさせてくれえ。。」なんてぼやく迷惑客だった。正確には月に1回冷凍アカムシ千円分とかの買い物しかしてなかったので、もはや「客」かどうかも怪しいのだが。

そんな自分に店長のおっちゃんは「まぁ、とりあえず一回は社会に出て働いてみろや。それからこういう風に店を構えたっていいんだから」なんて話をしてくれた。ここに詳しくは書かないけれど、おっちゃん自身の人生もどうやらそんな感じだったらしかった。
そんなわけで当時の自分は「とりあえず社会人になってみる。そんでとりあえず500万円貯めてみる。」と、密かに心に誓った。元手500万円で熱帯魚屋のオーナーになれるのか、そんなことは全く分からなかったけど。当時の自分にとっての「なんとなくの大金」が、たぶんその金額だったんだと思う。

翻って社会人10数年目。
まぁ、とりあえず、当時思い描いていた貯金額は越えた。(とはいえその何倍かの住宅ローンを背負っていますが)
あの頃の自分への約束通りに動くのならば、ぼちぼち熱帯魚屋の開業計画を練りながら仕事カバンに退職届を忍ばせるタイミングなのかもしれない。けど、まぁそんなことはしないんだろうな。30代も終わりになると、人間って意外と臆病だ。

とはいえ、やっぱり、夢想する。
いつか1年間くらいかけて、まだ行けていない日本中の水族館を巡りたい。中古のハイエースかなにかに生活道具とカメラ機材を積んで、車中泊生活をしながら平日の(空いている)水族館を思う存分に堪能して、土日はその旅行記を綴ったり、くだらないお喋りをライブ配信したりしながら過ごすんだ。
ついでにその土地土地の海の幸を食べて、ひとり酒を飲んで、もし可能ならばまだSNS上でしかお会いしたことのない全国の水族館仲間の方々と、行く先々で語りあうんだ。
1年もあれば、全国2周くらいはできるだろうか。

それが人生の落伍なのか成功なのかは分からない。
本当にそんな日々が来るのかも、何年何十年先の話かも分からない。
ただ願わくばそのときまで、自分のちっぽけな心の感受性が、渇いて枯れてしまいませぬよう。

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