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女神の名は・・・ part.Ⅱ

みなさん、こんにちは。綺羅です。

今日もnoteをご覧いただき、ありがとうございます。


明日から、ほぼ1週間連続で、雨模様が続くようです。

今日のこの貴重な天気を使って、少しでも衣替えを進めようと思います。

さすがに、もう長袖で過ごすのは暑いですしね。


約1週間前、家族の柴犬について「女神の名は・・・ part.Ⅰ」を記事にして、書いた後でも様々な思い出があるのを、振り返ることができました。

その後、他のフォロワーさんや、Youtubeで「柴犬」を検索しては、見て愛でるということを、試験勉強や講座の課題合間にやっています。

今日は、あの子がまだ幼犬の時で、1人と1匹で過ごした時のことを、書こうと思います。



🐕

私の一日の楽しみは、学校ではなく、犬とふれあうことだ。

『今頃はお昼ご飯、食べているのかなぁ・・・』

私は一応『受験生』であり、授業に身を入れなければならなかったが、そんなことは正直どうでもよかった。

ここで、死んだような魚の目をしながら、やりたくもない課題に取り組むよりも、あの子を連れて帰ってきた時についていた『犬の飼い方』冊子のほうを、じっくり読んで学びたい。

何せ私は、元々は犬が怖い上に、さわれないと来ている。

でも今は「手のひら全体で身体を撫でる」ことくらいは、たやすくなった。

今日はだっこまでできるようになるだろうか?

・・・あぁ、早く帰りたい。


「ただいまー。」

当時、家族は仕事や趣味で、みんな出かけていた。

この頃から、帰宅後に真っ先に行くのはあの子の元だ。

家がまずまず広いこともあって、ケージではなく、いくつかの犬用の柵を繋げて、あの子使用に、小さな部屋を母と作っていた。

自分の家の犬とはいえ、怖がりな私は正攻法で柵越しにあの子と顔を合わせていた。

『あ!綺羅ちゃんだ!ねぇねぇ、早く遊ぼうよ!』

「フーちゃん、ただいまだよ。うんうん、ちょっと待っててね~。」

私の顔を見るなり、柵に足を器用に引っかけて、自分を早く外に出すように催促してくる。


というか、犬って人の顔を覚えているのかな。

この人が来たら出してくれるとか、おやつくれるとか、分かるんだなぁ。

テレビに出るような犬だけがそういう特技を持っているのかなと思っていたけれど、そうでもないことが、この時に理解できた。

犬のことのみならず、私自身にも少しずつ変化があった。

「外に出ること」が、楽しみの一つになっていたことだ。

この子が来るまでは、天気のことなど、一切興味関心がなかった。

天気なんてものは気まぐれで、晴れたら晴れるし、雨が降ったら降ったで仕方がない、そんなものをいちいち祈って「晴れ」にしてもらうとか、そんな都合のいいようにならないと、どこか冷めた目で見ていた。

でも、この子と外に出る時や、外に出ずとも景色を見せてあげたいと思い、窓のそばに連れて行くにしても、晴れている方が気分的にも嬉しかった。

それに、夕暮れ時には、毛並みが黄金に輝く所が見られる。

そうした目的があると、人の行動は変わるもので「数時間毎の天気の移り変わり」や「降水確率」、「週間天気予報」辺りを、かなり気を付けて見るようになったのだ。

ちなみに「降水確率」も注意していたのは、この子が「大の水嫌い」だからだ。

全国のペットショップがどのような実態だったかは分からないが、あの子はここに来る前に、シャワーで綺麗にしてもらっていたらしい。

その時に水が怖かったのか、ずっと鳴いていて、母が「かなり鳴いていたようですけど、大丈夫なんですか?」と聞いてくれたのだが、お店の人は「大丈夫ですよ。」の一点張り。

あの時は分からないことだらけだったけれど、今ならこの子は水が苦手なのがちゃんと分かる。

怖いのに、急に頭から水を被るのは怖いよね。

雨のように、自然に空から降ってくる水とはわけが違うのだし。

おそらく、この子に必要な気象情報を自分なりに分析して、対処ができはじめていたのだと思う。

HSP気質が上手く働いている「いい例」だと、今なら思える。


私はせっせと服を着替えたあと、あの子の元へ向かい、柵を動かして外にだした。

ちなみにこの柵が、扉付きのものもあったのに、間違えて扉なしの柵を買ってきてしまったがために、私は柵を変形させてでないと、あの子を出すことができなかった。

そう、いまだに「だっこ恐怖症」だった。

他の犬や飼い主さん、身近な犬好きの母を見ていても、ひょいっと抱けてしまうのに、私にはそれができなかったのだ。

きっと私が「犬が怖い」気持ちが伝わっていたのかもしれない上に、あの子自身が「だっこ」はそんなに好きではないようだった。

「だっこ」よりも、周りの環境の中を、自らの足で歩いてみたり、ボール遊びやおやつをもらうことの方が好きなようで、態度や興味具合がまったく違う。

「え、それ、そんなに好きなの?」と、こちらが引き気味になって突っ込みたくなるくらいに。

とりあえず「だっこ課題」には徐々に向き合うとして、数日前からの引き続きで、倉庫探索を一緒にした。

当時、あの子がいた部屋は家の倉庫だが、母屋と連結していて食料置き場や大工道具、消耗品の備蓄も一緒だったので、日中の出入りも適度にあって寂しい雰囲気にはならない場所だ。

私自身でさえ、何がしまってあるのかがわからない場所だったため、一緒に散策できるのは面白かった。


『綺羅ちゃん、これなあに?』

「え、何これ?こんなの家にあったの?!」

あの子は持ち前の鼻を駆使して、どんな部屋なのか、どういった物が置かれたいるのかを把握していく。

一方、私は自分の家なのに、なぜか見知らぬ島の洞窟にでも迷い込んだ気分だった。

一言でいえば、家の中にある、知らないものが多過ぎた。

『ねぇねぇ、綺羅ちゃん、ここ入っていけそうだよ。』

「うーん、フーちゃんなら入れそうだけど、私は入れそうにないかな。それに危ないから戻っておいで。」

私は引き返そうとしたけれど、あの子はまだ奥を見ていた。

『でも気になるよー。』

「フーちゃんがもう少し大きくなったら、見てみようね。そろそろおやつ食べない?」

持ってきていたおやつをチラっと見せると、すぐに引き返してきた。

やっぱりこの子も「おやつ」には叶わないのか、私もだよと、親近感を持った。

おやつをあげることも、慣らし最中だったので、心持ち少し大きめに切って、引きちぎって食べてもらっていた。

多分、食べにくかったと思うのに、あの子の方が私よりも小さいのに、嫌がらずに私の手からおやつを受け取って、美味しそうに食べていてくれていた。

そうしたあの子からの小さな優しさを、無意識のうちに、重ねて受け取らせてくれていたのだと思う。

並んで食べるおやつは、とてもおいしかった。

犬のおやつの味は分からないけれど、あの子もとてもおいしそうに頬張っていた。

そして、私がおやつを持っているのを知っているから、すぐに顔を寄せてくる。

いやいや待って?私はまだ一口しか食べていませんからね?

『綺羅ちゃん、フーちゃんもう食べた。早くちょうだい♬』

「わかったから、わかったから、そんなキラキラした目で見ないで!」

・・・犬に甘くなってしまう人の気持ちを、今ならすごく分かる気がする。

これは有無を言わせない抜群のかわいさという「破壊力」を持っているのが分かるからだ。

「もうちょっとどういう状態なのか、具体的に教えてよ!」という方へ。

これに関しては、あなた自身に体験してもらうことが一番理解できると思うので、実際体験してきてくださいとしか、言いようがない。

その破壊力に負けておやつをあげていると、祖母が帰ってきた。

「ただいま。綺羅ちゃん、フーちゃん、お留守番ご苦労様。」

時間にして2時間弱くらいの出来事だったが、私には、ひと冒険終えたような気持ちだった。


この子が家族として増えただけなのに、家がこんなに違って見えるだなんて・・・。

私、これからこの子とどう過ごして行くのだろう。

それは、初めて「犬と生活すること」に「希望」が見えた瞬間だった。


いつもの場所がいつもの場所でなくなるのは、そこで、あなたと一緒に過ごしているから。

いつもの場所は、いつだって”冒険の始まりの場所”に変わる。

あなたは私に何をしたの?何かの魔法をかけたの?

答えが分かるのは、まだ先の話。

女神の名は・・・。


🐕

みなさんからの、スキやコメントやフォローは、私がまだ知らない世界を教えてくださっているみたいで嬉しいです!

この記事にお時間をくださって、本当にありがとうございました!


それでは、今日はここまでです。

みなさん、いい家族日和を!



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