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短歌・俳句 literature

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記事一覧

日付のある句日記(13)

日付のある句日記(13)

12月2日
二兎社公演『鷗外の怪談』観劇。永井愛さんのお芝居を観るのは初めて。とても楽しみにしていたが、十二分に楽しんだ。木野花・池田成志のベテラン勢がめちゃくちゃいい味出している。妻しげ役の瀬戸さおりさんがとても愛らしい。キッチュの鷗外がかもしだす“厚み”もよかった。
決められず果たせず成せず雪が降る

12月8日
おすそわけのおかえしに柚子をいただく。あれこれ調べてジャムにすることにした。ゆで

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日付のある句日記(12)

日付のある句日記(12)

11月1日
前の味噌がなくなって、おニューの味噌が食卓に登場した。だいたい年イチぐらいで家の者が味噌をつくる。今回は麦味噌になった。私は米味噌も麦味噌も豆味噌もなんでも好きです。味噌汁は仙台味噌とのブレンド。
玄冬の味噌汁椀に箸を持つ

11月2日
猫Aが朝方毛玉まじりの液体を吐いた後夕方までまったく餌を食べず水も飲まない。おそるおそるおやつを与えたら半分残した。猫Bのお給仕をすませて戻ると残りの

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日付のある句日記(11)

日付のある句日記(11)

10月1日
はしもとみおさんの木彫展を見た。撮影可ということで会場中にスマホのシャッター音がひびく。会場のあちこちにある、SNSでずっと見ていた月(ユエ)くんの像に感極まってしまう。宇宙犬ライカの展示コーナーでは、小さな宇宙犬の群れがライカを見上げるように並べられていた。
宇宙犬めぐる銀河を秋惜しむ

10月3日
猫Bに膀胱炎の兆しあり、尿をとって本体を連れていったところ、ビンゴ。抗生剤の注射を受

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日付のある句日記(10)

日付のある句日記(10)

9月3日
かぼすをたくさんいただいたので絞ってポン酢にしてみた。白菜と豚肉のミルフィーユ鍋にあわせる。香り高い。
新涼やポン酢のぽんはよい響き

9月5日
この週にワクチン2回目接種を終えた。びびりまくって解熱剤・冷えピタ的なもの・スポーツドリンク・冷湿布(低刺激性のもの)など準備していたが発熱はせず。腕の痛みだけあったので湿布を貼ってスポドリをごくごく飲んだ。冷えピタ的なものは薬局で売り切れてい

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日付のある句日記(9)

日付のある句日記(9)

8月2日
35℃。
起き抜けにエアコンを切り換える(寝室を切って自室のを入れる)。
これだけ暑くても食欲は特に衰えない。いわゆる夏バテにはたぶんなったことがない。
垣間見る簾向かふの熱世界

8月5日
美味しい洋菓子詰め合わせをいただいたので、いちにちひとつずつ楽しみに食べている。うっかりと三つ四つ食べてしまわないよう冷蔵庫からひとつずつ取り出す。
現世とはアイスクリームある世界

8月7日
けし

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日付のある句日記(8)

日付のある句日記(8)

7月1日
自治体からワクチン接種券が届く。ほんとに来た。夜、さっそくwebで申し込むが一ヶ月以上先からしか予約が取れない。
一ヶ月先の南風(みなみ)に呼ばれけり

7月3日
新しい除湿機を投入した。よく働いてくれてすこぶる快適である。SNSで蔵書家の方々が語らっていたアイリスオーヤマの機種を導入した。安い上にかなりよく吸ってくれている。これまで使っていたものは玄関まわりに異動してもらった。
機械か

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日付のある句日記(7)

日付のある句日記(7)

6月2日
MOTOYA Book Cafe Galleryでの「Book+」初日。今年も感染症対策もあり会場には行かないこととした。オンラインで他の作家さんの作品を眺める。ここでのイベントは製本家、豆本作家ではない方も参加する。作品のバリエーションがあって毎年とても楽しい。
木下闇小さな本がまたたきぬ

6月4日
梅仕事2021開幕。青梅が店先に並ぶのが去年より遅かった気がする。iPhoneの写真

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日付のある句日記(6)

日付のある句日記(6)

5月1日
結局アライグマはかからず、捕獲器を返却する。途中いちど野良猫がかかってしまった。
夏めきや返却さるるものばかり

5月5日
最近某スーパーのちりめん山椒ひじきおにぎりにハマっている。
おむすびと冷素麺の至福かな

5月10日
7、8年前から梅雨頃になると発症する左腕の湿疹が今年も登場。徐々に患部が狭まってきてはいるものの、これから秋が深まる頃までのお付き合いかと思うともう気が重い。
どち

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日付のある句日記(5)

日付のある句日記(5)

4月2日
最近の状況を鑑みて免疫力が弱まっているのかと思い、1日1本ヤクルトを飲み始める。
はらわたに菌類およぎ四月来ぬ

4月4日
去年から今年にかけて、いろんな品種のいちごを食べた。今日は埼玉産の「あまりん」を。でかい!あまい!
でも(?)苺は夏の季語です。
花いちご散歩の犬に嗅がれいる

4月7日
用事で出掛け、目的地に到着したところ日にちをいちにち間違えていることに気がついた。

4月9日

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焼菓子の国

焼菓子の国

堅きこと骨のやうなる焼菓子ぞ

今生の妙なるわかめクッキーは

菓子焼いて人恋ほしけれ狸の子

ハバネロがどれかひとつに入つてる

焼菓子の国餅菓子の国隣

フォーチュンクッキー割れて万国旗がたらり

焼菓子の雨降つてくる万愚節

※初出:2019年の文学フリマで配布したフリーペーパー「クッキーについてはすべて理解した 突発「クッキー」アンソロジー」

日付のある句日記(4)

日付のある句日記(4)

3月5日
東京都美術館の吉田博展を見る。たいへんなにぎわい。構図や色彩にメビウスとの共通点が感じられるが因果関係のあるやなしや。アメリカで行商行脚した話、GHQにかけあって自宅を守った話など面白すぎる。
旅行けばワーラーナシーに水の春

3月8日
数週間ほど前から出ていたじんましんが胴体全体にひろがり皮膚科へ。すわ帯状疱疹か?とびくびくしながら診察を受けたが違うとのこと。塗り薬と抗ヒスタミン剤を処

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日付のある句日記(3)

日付のある句日記(3)

1月31日
「複製芸術家 小村雪岱 ~装幀と挿絵に見る二つの精華~」を見るために日比谷図書文化館へ。監修者の真田幸治さんにお会いできて監修者解説を聞けてしまう。贅沢。全体的にそうなのですがどうやって集めたんだ!という展示物に二度三度驚く。
行きがけの日比谷公園では池にカワセミがいて、カメラを持ったひとがたくさん群がっていた。
涸れ池に冬も名残の羽ひらく

2月6日
近所を歩いていたらグーグルストリ

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日付のある句日記(2)

日付のある句日記(2)

1月10日
正月飾りをお焚き上げに出すため神社へ。
先日の初詣よりは人出があるけれどやはり空いている。
運動不足解消のためかなり歩いて饂飩屋へ。鍋焼きうどんを食す。
神域へファインダー越し歯朶仰ぐ

1月15日
夜半起きようとして目眩が始まる。北極星を頂点に、北天の星がぐるぐると…といった感じ。
吐き気も出て、ベッドとトイレを往復。立てないので這うけれどそれも気持ち悪い。
夜が明けても収まらず、家

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日付のある句日記(1)

日付のある句日記(1)

1月1日
元旦。例年行っている年参りは中止、紅白をところどころ見て、ジャニーズカウントダウンを日付が変わるまで見て(SiXTONESのA・RA・SHIがよかった)、なんやかんやして寝て、八時前後に起床。
餅の数大声で言ふ大旦

1月2日
実はまだ年賀状を書いてなかった。仕事の合間に書いて投函。今年は米屋さんで丸餅を買ってみた。直径6センチとかわいらしいが食べ応えがすごい。
餅すこし食べ慣れてきて二

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