見出し画像

【北海道】コロナ禍におすすめしたいタイトル未定の歌詞を考察してみる【青春群像】

皆さんこんにちは、ならんはです。
最近はワクチン接種率の向上と新規感染者の数が減少したことで、「コロナ禍」という言葉が死語になりつつありますが、ぜひオススメしておきたいアイドルグループを紹介していきたいと思います。何度かnoteに執筆してみようとしてたのですが断念、という工程を何度か繰り返して今回ようやく取り掛かってみようかなと思いました。
見どころとかグループの良さみたいなものを語ろうと思ってたんですが、なんとなくまとめサイトの記事みたいなりそうなので、今回は友人から歌詞の考察という提案をもとに書いてみます。

タイトル未定とは?

「何者かになろうとしなくていい。何者でもない今を大切に。」をコンセプトとした札幌を拠点に活動するアイドルグループ。コロナ禍真っ只中であった2020年4月に活動開始。冨樫優花、阿部葉菜、七瀬のぞみ、見上佳奈、谷乃愛の5人で現在活動しています。詳細はこちらをご覧ください。
■タイトル未定公式HP
■タイトル未定のTwitter
■タイトル未定のInstagram
■タイトル未定Wikipedia

【メンバー紹介】
阿部葉菜(あべはな)

1月27日生まれ。埼玉県出身でデビューをきっかけに北海道に移住してきた。お絵描きが大好きで、ポニーテールがトレードマーク。ライブではMCをすることが多い。

見上佳奈(みかみかな)
6月23日生まれ。好きなサンリオキャラクターはシナモロール。最近長かった髪を切りボブにしている。BYBBiTのうみちゃんと仲が良い。実はロシア語検定を持っている。

七瀬のぞみ(ななせのぞみ)
4月20日生まれ。好きなサンリオキャラクターはシナモロール。三つ編みツインテールとうさぎのような愛くるしいお顔がチャームポイント。略称はなせのぞ。ギターの弾き語りが得意。

冨樫優花(とがしゆうか)
3月5日生まれ。ハロプロ好きで憧れてアイドルを目指す。昭和レトロガールを彷彿とさせるショートボブがチャームポイント。推しは元Juice=Juiceの宮本佳林さん。

谷乃愛(たにのあ)
12月30日生まれ。やぎ座だけど羊になりたがっている模様。推しは乃木坂46さんと峰島こまきさん。アイドル歴(というか芸能活動)が結構長い。

今回チョイスさせていただく曲は、2021年5月15日にスタートした1st全国ツアーのタイトルにもなった『青春群像』。
ということでメンバー紹介もこの曲のソロパート順に書いてみました笑
<楽曲情報>
作詞・作曲:リリィ、さよなら。
編曲:大山聖福
※敬称略
原作リスペクトしながら歌詞分析させていただきたいと思います。よかったら最後までご覧ください!

青春群像の歌詞分析

青春群像と聞いて想起されるのはフェデリコ・フェリーニ監督による1953年公開のイタリア映画『青春群像』ではないかと思います。北イタリアの港町リミニに住む20代の若き5人の青年たちの群像劇なのですが、劇作家を目指す主人公レオポルドとその友人らによる恋模様を描いた名作ですね。ある程度監督の自伝的な要素を含んでいるとも言われています。
フランスの『ラ・ボエーム』でも似たような形で、画家や詩人などの不安定な業種に就く若者(まさにボヘミアンと呼ばれる人々)を主人公とした作品にも見られるように、何気ない日常の中で繰り広げられる非日常性が描かれます。
そんな、何気ない日常の中に描かれる非日常的なストーリー、これこそまさにタイトル未定のコンセプトである「何者でもない今を大切に」、そんなストーリーの中にある思い出や記憶など尊くて儚いものを大切にしまっておきたいという感情がこの歌詞に込めているかのようです。

そもそも青春群像劇というジャンルがあり、若者たちの苦悩や葛藤から成長を見出すという「青春」、そして主人公が複数いてさまざまな出来事が展開するという「群像」を掛け合わせたものが青春群像です。
タイトル未定にそれを重ね合わせると、5人の少女たち(メンバー)が青春とはなにかについて探し求めていく中で一つの道標を見つけ、よりパワーアップした自分という存在の中で強く生きていこうという想いが感じられるという構成になっています。
まずはイントロから。阿部葉菜さんのソロパートから始まります。

星が瞬いてる 煌めいてる
嘘など何一つなくて 心のままに自分を生きてる

時は星が光り輝く晴れた夜。自分自身が素直で自分の思った本心のまま受け止め、行動し生きていく5人の少女が主人公でしょうか。ひとまずここでは僕ら、としておきましょう。

六畳1Kの狭い部屋で 隙間なく僕ら集まって
答えがあるはずもない未来を話して 鳥が鳴くまで
そんなことボンヤリと思い出して
分かりきった今を生きる

場所は六畳1Kのとある一室。『ラ・ボエーム』でも屋根裏部屋が彼らの居住スペースになっていることからも連想されるように若者たちの居住スペースを日本風に六畳1Kと表現しています。一人暮らしの定番間取りですね。
そんな僕ら(5人のことなのか、女の子たちなのかわかりません)が未来とは何か、そして僕ら自身の未来がどうなっていくのかについてとりとめもなく話し合っています。つい夢中になって話し合うあまり、「鳥が鳴くまで」すなわち朝になってしまったという情景を思い出し、懐かしさを感じながらも今日という日の自分を生きていく。回想シーンからスタートしていきます。

心のままに生きるとは、どういう生き方なのでしょうか。なんとなく嫌なことから目を背けて、やりたいことを自分勝手にやってみる、というのは心のままに生きるとは言えませんね。いったん自分の感情を受け止め、見つめるという工程が必要です。そうしないと人に迷惑をかけてしまうこともあるからです。そこまで深く考える必要はないかもしれませんが、幼い頃の自分にはそういう一面があったのではないでしょうか。

そして「分かりきった今を生きる」自分は果たしてほんとうに心から素直に思ったことを感じ取り行動できる素敵な生き方ができているのでしょうか。歌詞をたどりながら探ってみるとしましょう。

どこかで君は笑っててほしい
変わらない あの頃のまま
Come back again
振り絞って 全力で走っていた
情熱が 悲しまぬように

あの頃の君はどこに行ってしまったのか。あの頃笑っていた君は変わらず今も笑っているのでしょうか。まだ会えずにいます。でもあの頃の僕らに戻りたい、そして君に会いたい、そう思った主人公はその気持ちに嘘をつかず全力でどこかへ向かって走っていきます。
「情熱が悲しまぬように」っていう歌詞のチョイス、独特な感じがあって個人的には好きです。擬人法かなと思いましたが、ここでは自分に嘘をつかない、くらいの解釈にとどめておきましょう。良い意味で感情のままに行動している様子が伺えますね。

星が瞬いてる 煌めいてる
嘘など何一つなくて 心のままに自分を生きてる
涙したり 迷ったりもさ
僕ららしかったねと
君の遠い声がする 気がした

そしてサビですね。冒頭の歌詞が繰り返されます。その後ろに省略されていた言葉がここで説明されます。
「涙したり迷ったり」というところはあの頃の苦悩や葛藤、そこから成長していく自分たちを表しているのでしょうか。そして君の声を思い出します。懐かしさを感じるようなセリフですね。当時の僕らを振り返り、「僕ららしかったね」と表現するところは、自分らしく生きていた僕らがとてもまぶしくて、羨望の的となっているのでしょうか。戻ることのできない不可逆的な時間に対するもどかしさ、昔を懐かしむ気持ちが伺えます。
昔を懐かしみ、過去に戻りたいと思う気持ちと、少なからず成長した今を大切に生きようとする気持ち、どちらが強いのか、気になったまま2番の歌詞を迎えます。

青春群像の2番〜落ちサビ

あれから何度も挫けるたび
君に連絡したくなって
ふと握りしめてたスマホをしまった
今じゃないよね

そして主人公は挫折を経験します。悲しい気持ちになるたびに、また会いたいと思うわけです。人間は挫折したとき、悲しみを癒してくれる人が欲しくなるというものです。どこかで慰めてほしい、同情してほしい、そう思うのはある意味自然なのですが、「今じゃないよね」と振り切るわけです。
ここはまだ再会を許されるタイミングではないのです。

Light up my life
胸を張ってもう一度会える日に
取っておこう 笑って話すね

Light up my life---直訳すれば、「私の人生に光を灯して」。
頭韻が使われている辺り、英語って感じがしますよね。言わずもがな人生を照らしてくれるのは君ということになります。

「胸を張ってもう一度会える日に取っておこう」
だからこそ、今は会うべきタイミングではないのです。挫折や苦悩、葛藤など多くの経験を重ね、成長してから会おう。そう決めたじゃないか。今が過去になって、思い出として笑って話せるようになるまでは我慢しよう。それが自分を強くするから。

星が溢れる夜 見えない夜
道標の代わりになって
僕の心臓を動かしてる
懐かしくって 古くなっても
消えないでお願い
当たり前にそばにいた 時間は

おそらく「星が溢れる夜 見えない夜」というのは並列ですかね。星が見えたり見えなかったりする夜をいくつも迎えるということでしょうか。一日千秋の思いで夜を重ねていきますが、それを自らの道標として、生きる糧として夜を捉えていきます。

「消えないでお願い」
まだ昔の記憶は残ったまま。当たり前のようにそこにあった思い出や時間、それらをまだ自分の記憶の中に残しておきたい。どんなに時間が経過し、さらに過去の記憶として古くなったとしても、消えてなくならないでほしい。それが僕が生きる理由なのだから。
まだ記憶から消す覚悟ができていない、未練が残っている状態ですね。

踏切沿いの帰り道で
いつかの主題歌が流れていた
「ガンバレるかな 綺麗事ばかりじゃなくて」
遠い空に五つ星 薄い光に照らされては
覚えている あの日の鼓動

落ちサビ前の部分の歌詞が個人的にはこの曲で一番好きなところなんです。実はタイトル未定の曲の歌詞がここに集約されているという奥深い歌詞構成。『踏切』『いつか』『主題歌』『ガンバレワタシ』『綺麗事』『薄明光線』『鼓動』。そして少し前に『道標』も出てきたりして…メンバーが交代交代で歌うという歌割りも含めて天才すぎます!

遠い空に五つ星、「僕ら」の正体が5人の群像(しかもタイトル未定のメンバーくらいの少女?)であることを暗喩しているのかもしれません。今自分が見ているこの星空は「僕ら」もまた同じ光を見ているのだろうか。そして少し不安そうな「ガンバレるかな」。綺麗事を言っていても未来はやってきてしまいます。少しでも恥ずかしくない自分を形成し、僕らが再会できるためには少しでも成長していないといけません。今を生きるという選択を決断し、未来に向かって歩き進めなければならないのです。そしてその決断の時が今なのです。次の一節を見ていきましょう。

僕ら瞬いてる 煌めいてる
優しい嘘も覚えちゃって
望んでいた未来じゃなくても
切なくって 切なくって
あぁ それでも生き抜いて
またここで会おう

ここで、「星が瞬いてる」から「僕ら瞬いてる」に少し歌詞が変わります。過去の僕らの記憶や楽しかった思い出はが星になったかのように消え、今を生きるという決断をした現れでしょうか。
優しい嘘を覚えちゃって、の部分は僕らが大人になったということを示唆しているのでしょうね。今が望んでいなかったものだったとしても過去を捨てて今を生きる。繰り返し切ないことを伝えているわけですからかなり大きな感情が沸き出ているシーンです。
結局僕らが選択したのは、少しずつ成長した僕らがそれぞれの道、そして未来のために、今を生きるということ。望んでいなかった未来だったとしても今を生きていかないといけない。そうすればいつかまた会えるかもしれないから。今はまだ会えない、それは、今はまだ「何者でもないから」なのかもしれません。いつか何者かになったときに初めて僕らは、ここで再会することができるのかもしれない。そんな日を夢見て、ちょっと我慢することもあるかもしれないし、また切ない気持ちになるかもしれないけど、それでも今を大切に生きていかないといけないのだ、という強くなった気持ちを感じ取ることができるでしょう。
そんな自信があるからこそ、前よりも強い気持ちで今を生きていけるのです。むしろそうしないと再会は果たせないのです。
何者でもない僕らが何者でもない今こそを大切にすべきなのだ。まさにタイトル未定のコンセプト「何者かになろうとしなくていい。何者でもない今を大切に。」を具現化した人生を歩む、正体不明の僕らの葛藤と成長が読み取れる歌詞であったことに気づかれました。
そしてラストの一節です。

星が瞬いてる 煌めいてる
嘘など何一つなくて 心のままに自分を生きてる
涙したり 迷ったりもさ
僕ららしかったねと
君の遠い声がする気がした

どうしても過去の記憶って美しく儚く見えてしまうがゆえに、「昔の方が良かった」とか「過去に戻りたい」と思うことはよくありますが、それでも今を生きていかないといけないし、現在に楽しさを見出して人生を歩まなければ未来はないのです。
あくまでも一つの解釈ではあるので、「まあそういう考えもあるわな」くらいに思って見ていただけたら嬉しいです。
コロナ禍にデビューしたからこそこれからもまだまだ目を離せません!今後も機会があれば歌詞分析をしていきますので、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
ぜひ本家の楽曲もサブスクになっていますし、YouTubeにも上がっていますのでよかったら聴いてみてください!

いかがでしたか?最後までご覧いただきありがとうございます。
また次回の投稿でお会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?