GoToイートの対象人数制限へ、第3波到来で「ダンス」から「ハンマー」へ

菅総理大臣がGoToイートキャンペーンの対象人数を絞るように指示を出しました。子供を除いた人数が4人以下の団体までは適用内とし、具体的には各自治体に委ねるのだそうです。おそらく年末年始の恒例となる忘年会や新年会を意識してのことだと思います。

対象人数の定義はなかなか難しそうです。4人と言えば夫婦とその片方の両親の構成を想像します。しかし同居している兄弟や祖父母は含められないのかなど、あるいは成人した3人兄弟が両親と外食する場合はどうなるのかなど、真っ直ぐに線をひくことはできません。あくまでキャンペーンの適用内とするか否かのみの話なので限定的ではありますが、またしても議論は生じそうです。

中国武漢市を発祥とする新型コロナウイルス感染症の検査陽性者数は、11月に入ってから右肩上がりです。人工呼吸器を必要とする患者数で見ても11月16日には全国で191件となり、第2波と呼ばれる8月の最大値である202件に差し迫っています。一見すると第2波の再来の様に感じます。しかしながら、さらに重症な患者に対して利用する人工肺(ECMO)の利用者は17件と横ばいであり、1日の死者数も数人から十数人を行き来している状況です。極度な重傷者が増えてないのは不幸中の幸いかもしれません。

ハンマー・アンド・ダンスという言葉があります。ハンマーは厳しく制限をすること、ダンスは制限を緩めて解き放つことを指します。制限の度合いをきつくしたり緩めたりすることで経済と感染症対策の両立を図っていきます。8月以降はGoToに象徴されるよう、ダンスを続けてきました。ところがこの感染者数の増加傾向をみると再びハンマーを振らざるをえなさそうです。冒頭の菅総理の要請はハンマーを振り上げた状態だと思います。

賛成と反対の二極にこだわる人がいます。ゼロイチ思考にしがみついていると振れ幅の大きなハンマー・アンド・ダンスになり、それによる波も大きくなります。感染拡大が騒がれる欧州ではこのハンマー・アンド・ダンスを極端に行い過ぎた故に振れ幅が大きくなり、感染者数も大幅に伸びたのではないかと説かれています。感染症対策と経済影響の波が小さい状態を保つのが重要です。それを保とうとすると、先週の方針と来週の方針が180度変わることもありえます。

当面は流れに如何に身を委ねられるかが生存戦略の上で重要になると思っています。お上がハンマーを振り下ろしたら大人しく静止し、その拳を引っ込めたら気をつけつつも踊らされる。これもゼロイチで動けば振れ幅が大きくなるだけなので疲れるだけです。0・3と0.7くらいでしょうか。自ら正確な情報を取り入れて、柔軟に過ごすリテラシーが問われる局面に有ると思います。

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