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情報管理は企業から個人へ・・パスワード管理ソフトのススメ

オンラインストレージサービスであるDropboxからパスワード管理アプリが提供されるようです。まだベータ版であり一部のユーザしか利用できないようですが、近い将来に正式にリリースされるのでしょう。

「ストレージサービス」と「パスワード管理サービス」は技術的な親和性が高いと考えています。両者ともに高度なセキュリティの技術と知識を必要としているからです。Dropboxがパスワード管理サービスに手を出したのはその様な親和性を思うと必然的です。

一方で少し意外にも感じました。Dropboxがストレージサービス意外のプロダクトに手を出してくるとは思っていなかったからです。

パスワード管理サービスの需要が高まっているのか

中国武漢市を発祥とする新型コロナウイルス感染症の影響によって、テレワークが推奨されるようになっています。緊急事態宣言の解除に伴ってテレワークから出社に切り替わった企業もあれば、引き続きテレワークが推奨されている企業もあります。

私達は半強制的なテレワークによって幾つかの知見を得ることが出来ました。働き方に関する考え方にも変化が出てきていると思います。

幾つかの変化のうち、インターネットにおけるセキュリティの考え方が変わってきていると思います。今まではオフィスに閉じた環境で業務をしていればある程度は安全だと考えられる節がありました。ところがテレワークで業務を進めるにあたって、インターネットにおける安全は自身の手で担保する必要が生じています。

セキュリティの責任が企業から個人へと緩やかに移譲されると同時に、個人のセキュリティに対する意識が高まっているのではと予想します。

アカウントないしパスワードの管理も個人に委ねられたセキュリティの一つです。もしかしたらパスワード管理に関する需要が生じているのかもしれません。

パスワード管理サービスでパスワード使い回しを回避

パスワード管理アプリと聞いても、もしかしたらあまりピンとこないかもしれません。私も約半年前まではあまり考えてませんでした。しかし、パスワード管理サービスを利用するようになってから世界が変わりました。

それまでの私はパスワードは覚えられる文字列を使い回す場合が多くありました。しかし、これは非常に危険です。例えばセキュリティの甘いサイトでメールアドレスとパスワードが漏洩してしまった場合に、他のサービスにもログインできてしまう可能性があるからです。

人によっては、個人で利用しているパスワードと会社の業務で利用しているパスワードを共通にしてしまっている場合もあるかもしれません。こうなると漏洩された情報は個人的な不利益に留まらなくなってしまいます。個人のパスワード管理は実は社会的責任が課されているのです。

パスワード管理サービスを利用してから、私はパスワードの使い回しが無くなりました。私が保有するあらゆるアカウントのパスワードはランダムな文字列です。私自身が全く記憶できないものになっています。その代わり、パスワード管理サービスが全てのパスワードを安全に記録してくれています。

複雑な認証キーも安全に共有

サービスによっては他のアカウントとパスワードを共有することも出来ます。例えば私の場合、妻と共有しているアカウントが幾つかあります。それもパスワード管理サービスに保管しています。

ちなみに保管できるのはアカウント情報だけではありません。秘密のメモ等も保存出来るようになっています。

先日、セキュリティソフトのライセンスを購入しました。その際に発行される認証情報を妻に共有する必要がありました。この際にパスワード管理サービスを利用しました。手順としては認証情報を秘密のメモとして保存し、妻にその旨を伝えるのみです。妻は自身のアカウントからパスワード管理サービスにログインして、その認証情報を安全に取得できます。

パスワード管理サービスがオンラインストレージサービスと親和性が高いのは、何となく想像いただけると思います。

Dropboxがパスワード管理に関するどの様な体験を提供してくれるのかは蓋を開けてみなければ分かりません。こういった背景には、各自の電子的なセキュリティに対する意識が高まってきている背景があるのだと思います。コロナ禍はそれを更に加速させているのかもしれません。


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