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キャッシュレス決済「最後の砦」であるQRコード決済終了にヒヤリとした話

丸亀製麺がQRコード決済の取り扱いを停止する話題が目に付きました。ペイペイやメルペイなどのQRコード決済が5月から終了しているという話が一部で盛り上がっていたようで、JーCASTニュースに取り上げられていました。

もしやQRコード決済終了の始まり?

先日、『6月末でキャッシュレス・消費者還元事業が終了、キャッシュレス決済定着へ重要局面』という記事を書きました。キャッシュレス・消費者還元事業の終了に伴ってキャッシュレス決済に関する動きが出てくるかもしれないという予想を書きました。

この記事を書いた後だったこともあり、この丸亀製麺に関する記事の触りを読んだ時は嫌な予感がしてしまいました。

丸亀製麺といえば認知度の高いチェーン店です。効率化がある程度求められてキャッシュレス決済との親和性が高そうなイメージもあります。その丸亀製麺がQRコード決済を取り止めるというのは、QRコード決済に対する「何かしらの決定的な欠点」があると想像してしまいます。そしてそれは氷山の一角だと感じてしまうものです。「QRコード決済はだめかもしれない」という世論形成はキャッシュレス決済を普及させるにあたって避けてほしいと願っていました。

キャッシュレス決済の中でも決済時にQRコード決済を利用する割合は10%程度だそうです。その他は現金とクレジットカードがそれぞれ40%台で利用されているのと比べたら下火です。10%という割合をどう見るかは事業者によって異なると思いますが、QRコード決済の欠点が強く出てしまっている事業者においては切り捨てる判断がなされても不思議ではありません。

丸亀製麺の判断に対して嫌な予感を感じたのはこの利用率の数字が頭にあったというのもあります。

J‐CASTニュースによると、実際はシステム改修に伴う「一時的」な終了だそうです。キャッシュレス決済を普及させたい勢としては安心しました。

QRコード決済は最後の砦

10%という数字を見てしまうと、QRコード決済の立ち位置が騒がれてた割には微妙に感じてしまいます。今後の流れとして無くなってしまう可能性があるのかもしれないと頭をよぎるかもしれません。しかし、それは私は間違いだと思います。QRコード決済は他のキャッシュレス決済と比べて利点のある決済方法です。キャッシュレス決済の『最後の砦』と言っても過言ではないと思っています。

QRコード決済か現金かの二択となっている店が見られます。

QRコード決済は店舗によって導入しやすい決済方法のようです。なぜなら初期費用がほぼかかりまぜん。QRコードを印刷してレジに置いておくだけです。電力も要らなければ通信インフラも不要です。クレジットカードのような決済端末の導入も不要です。これで顧客満足度を上げられて、衛生面に配慮した店舗イメージを作れます。

現金とQRコード決済の二択になっているような店に於いては、QRコード決済がクレジットカードや非接触型決済よりも導入コストが低いという事情が現れているのではと私は読んでいます。

総務省主導の『JPQR』

QRコード決済といえば、JPQRの取り組みが始まります。総務省による、QRコード決済を展開する各事業者のQRコードを統一する取り組みです。今までは各決済事業者ごとに契約してQRコードを払い出す必要がありました。そのQRコードが統一されます。

店舗によっては例えば「楽天ペイで」と伝えると、レジの中に保管してある数あるQRコードから、楽天ペイのQRコードを取り出して読み取らせるという作業が発生していました。JPQRで発行するQRコードに切り替えることで、この作業が削減されます。

また、JPQRでは一度の申し込みで複数の決済事業者に対応可能となるようです。申込みの煩雑さが解消されるため、店舗側は一度に幅広い決済サービスを提供できます。

QRコード決済の動向はキャッシュレス決済の要

先の決済法の利用率を見る限り、多くの人にとってQRコード決済は主要な決済方法とはなっていないのではと思います。私もポイント還元競争が落ち着いてからはクレジットカードを最優先で使うようになりました。QRコード決済は無くても生活に大きな不便はありません。

利用場面の少ないQRコード決済ですが、キャッシュレス決済という括りに於いては最後の砦のようなものです。JPQRがどの程度の影響を及ぼすかは不明ですが、キャッシュレス決済を普及させるにあたっては重要な取り組みであるとは認識しておこうと思います。

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