見出し画像

東京ヴェルディは渋谷からどうやってブランドを育てていこうとしているのか

東京ヴェルディのTVEW2020に行ってきました。渋谷駅直結の渋谷スクランブルスクエアなんていうたいそうな場所で開催されています。

ブースを覗いて買い物した程度ですが、感想を書こうと思います。主観が多分に含まれているので、その前提で読んでいただければと思います。

アパレルは渋谷で十分に戦える

自分自身はファッションに無頓着なので参考にはならないと思いますが、意見します。

控えめに言って最高でした。

渋谷スクランブルスクエアの他の店舗も見て回りましたが、その中に混ざっていても違和感が無いと思いました。渋谷スクランブルスクエアはどの階を見て回っても洗練されたブランドで溢れています。それはファッションだけでなく、雑貨に関しても同様です。

東京ヴェルディのアパレルはスポーティではあるけれどサッカーを思わせるような雰囲気がありません。よく考えたらスウェットやシャツにエンブレムやチーム名が書いてあるだけです。それだけなのに、普段着として着ても良いと思えました。いかに新しいエンブレムやタイポグラフィが優れた図案かというのを実感しました。

トレーナーを購入したので、早速明日からそれを着て仕事に行こうと思います。(私服勤務なので。)

過去のデザインは捨てる覚悟を

新しい意匠が優れていると感じた一方で気になった点があります。それは過去のユニフォームの展示です。率直に言って過去のユニフォームの展示は邪魔だと思いました。

TVEW2020が掲げているテーマは「渋谷で緑が進化する11日」です。

テーマの通りであれば、進化前の歴史を示すのは思いつきそうです。私も主催者の立場であれば、今までのヴェルディを連想させる展示は賛成していたと思います。展示内容を見聞きしても、その点においては何も思いませんでした。

実際に現場で見てみると、過去のユニフォーム展示の部分だけ古めかしくて違和感がありました。新しいブランドとして打ち出そうとしているのに、新しいブランドイメージを壊してしまっています。

昔からのサポーターの心理であれば心苦しいところではあります。これまでの輝かしい歴史も暗くて堪え難い歴史も否定するようで悲しい気持ちにもなります。しかし、リブランディングを進めるにあたっては、当面は思い切って捨て去ったほうが良いと思いました。

サポーターも古い意匠はあまり積極的に使わない方が良いかもしれません。特に気にしているのが、サポーター席を映し出された時の景観です。その画像や映像は広告や報道に用いられます。ヴェルディのゴール裏が格好良いと思ってもらえるよう、クラブのブランディング戦略に乗っておくのが得策かと思います。

ただし、大事にしているものは一人一人異なります。今までの意匠を大切にしたい方もいると思います。その気持ちと、その気持から生じる行動については最大限に尊重します。左翼サポーターが馬鹿なことを言ってると思っていただければ結構です。

プラクティスシャツの方がクールという逆転現象

こちらは特に主観的な内容になるので、その前提で読んで下さい。

今回の展示で最も衝撃的だったのは、プラクティスシャツの格好良さです。プラクティスシャツといえば、レプリカユニフォームの簡易版みたいな、型落ちの印象がありました。その常識が覆りました。

先述の通り、アパレルにエンブレムとチーム名を書くだけで十分に完成された商品となってしまいます。それはプラクティスシャツも同様です。ユニフォームと同じモザイク柄を下地にして、胸にチーム名、袖にエンブレムが描かれているだけなのに、非常に洗練されたデザインのシャツとなってしまっているのです。

これもまた失礼なことを書きます。ユニフォームはスポンサーロゴや黒々としたJリーグのマークが描かれています。これらが逆に減点だと感じてしまいました。

スポンサーロゴが入ったユニフォームを単体で見れば、それだけでも十分に洗練されています。しかし、プラクティスシャツと比べてしまうと評価が分かれるのではないかと思います。値段も開きがあります。

今回は買いませんでしたが、プラクティスシャツも欲しくなりました。

ブランドは育てていくもの

これまでのリブランディングの波はただただ感心していました。それを渋谷という街で自分の目で実際に見たら感銘しました。

一方でやはりブランドは育てていくものだというのも感じました。新しいエンブレムを用いたグッズは昨年からありました。サッカー以外のチームは実際に試合で着用してもいました。それを見てなぜ深く感動しなかったかといえば、新しいエンブレムやタイポグラフィがただの図案としてしか存在していなかったからだと思います。

東京ヴェルディのサッカーチームがようやく新しいエンブレムを掲げられるようになって、クラブのイメージが統一されました。そしてこの統一されたブランドが「渋谷」という文化としては高級な街に降り立ちました。渋谷のしかも渋谷スクランブルスクエアだったからこそ、東京ヴェルディのブランドの価値に箔が付いたのだと思います。

今後も東京ヴェルディがいかに高級で洗練された総合クラブなのかというのを発信できるかにかかっています。ここまで書いて気がついたのですが、だから「進化」なのですね。この11日間でどんな進化を遂げるのか、この1年でピッチ内外でどの様に東京ヴェルディが変わっていくのか、楽しみです。

(2月25日まで開催されているので、よかったらお立ち寄り下さい。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?