青本 原則要約

① 正しい顧客に販売しよう

  • 誤った顧客に販売するとコストの増大や解約率の増大、機会損失につながってしまう。

  • 「正しい顧客」とはPMFに適合する顧客のことを指す。

  • 成長企業では「正しい顧客」を拡大・アップデートしなくてはならない場合もあるが、その際はきちんとデータで追跡をする。

  • 「正しい顧客が誰か」については、組織横断で共通認識が必要。

間違った顧客に販売することによってかかるコストは甚大だ。間違った顧客へのオンボーディングは大変なものになり、部署内の時間も能力も消耗する。また、製品部門への要求も大きくなりがちだ。オンボーディングが終われば、負担はカスタマーサクセス部門に映る。カスタマーサクセス部門がこれまでにない使用事例を慌てて構築・実行してから顧客に使い方のトレーニングを行わなければならない分、苦労はさらに大きくなる。そうこうしているうちに、90日ごの更新を前に警報がなる。危険な顧客の「命を助ける」ために結成されるSWAT部隊には、幹部も数人参加せざるを得ない。

② 顧客とベンダーは何もしなければ離れる

  • たとえ最高の顧客が相手であっても、最初と同じ程度の価値を保つことは、または相手にそう感じさせることは非常に難しい。

  • とはいえ、大量の顧客を抱える中で接点を多く作ることはできない。(ロータッチやテックタッチを重視している場合特に)

  • 解約を防ぐには、以下の2つが重要である。

    • 危険信号を探せる施策を決めておくこと

    • 危険信号を発見したら、データに基づいて行動すること

【解約理由(≒危険信号)の例】
・金銭的リターンや事業価値が得られない
・実装が遅れたり完全に止まっている
・プロジェクトスポンサーやパワーユーザーがいなくなる
・製品定着率が低い
・別のソリューションを利用している会社に買収された
・製品の機能が足りない
・新たなトップが方向性や戦略を変えつつある
・品質の低さや性能の問題に影響されている
・製品が自社にとって適切な解決策でないことがわかった
・人的要因

③ 顧客が期待しているのは大成功だ

  • 顧客は大成功するために毎月料金を支払っている。

  • 大成功に導くためには以下3点が重要である。

    • 顧客はどうやって成功を測っているのか

    • その指標から判断すると、顧客は成功しているのか

    • 成功への過程で、顧客はどんな期待をしているのか

  • CS (Customer Success) は以下の2つによって成り立つ。

    • CO (Customer Outcomes)

    • CX (Customer eXperience)

  • 顧客が得られる成果に対して、見合わないほど酷いCX(例えば成果を得るのに膨大な工数を必要とするなど)がある場合、良いカスタマージャーニーであるとはいえない。

  • 契約の段階では顧客はプロダクトに期待を抱いている。それが満たされない場合、顧客は「幻滅」してしまう。

  • 幻滅期を防ぐためには顧客に道のりを示しつつ、小さな成功を積み重ねていくことが重要である。

  • 成功は目的地ではなく旅路であることを理解し、定期的に進捗を確認しながら、理論どおり行かずに発生する問題と戦って初めて、顧客は大成功が得られる。

④ 絶えずカスタマーヘルスを把握・管理する

  • カスタマーヘルスは、将来の行動(更新、アップセル、チャーンなどの危険な状態)を予測するのに必要である。

  • カスタマーヘルスは集めて眺めるだけではダメで、「管理」されなくてはならない。(=契約更新やアップセルといった目的のために、点数を上げる行動に繋げなくてはならない。)

  • そして、成功に導くためには、「絶えず」カスタマーヘルスの改善に取り組み続けなくてはなくてはならない。

【カスタマーヘルスの指標となりうるもの】
・製品定着率
・カスタマーサポート
・調査結果
・マーケティングへの関与ど
・コミュニティへの参加度
・契約金額の増減
・自立度
・支払い履歴
・幹部との関係性

⑤ ロイヤルティ構築に、もう個人間の関係はいらない

  • ロイヤリティは個人間の関係ではなく体系的プログラムによって築かれるもの

  • 人手がかかるものではなくテクノロジー寄りの手法を採る

  • ただしハイタッチ層の顧客にはこの原則は適用されない

【体系的なプログラムを築く方法】
・自社の事業に合った指標で顧客をセグメント化する
・セグメント毎に顧客カバレッジモデルを決める
・対象モデル毎に顧客とのやりとりの指針を作る
・顧客とやりとりする頻度を決める
・強固なロイヤルコミュニティを構築して顧客同士を結び付ける
・顧客のフィードバックループを作る

⑥本当に拡張可能な差別化要因は製品だけだ


⑦ タイムトゥバリューの向上にとことん取り組もう

⑧ 顧客の指標を深く理解する

⑨ ハードデータの指標でカスタマサクセスを進める

⑩ トップダウンかつ全社レベルで取り組む

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