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カネコアヤノ単独演奏会2022春 5/13中野サンプラザ公演レポ

5月13日金曜日、雨の中、中野サンプラザホールにてカネコアヤノの弾き語りライブが行われた。4月から行われた弾き語り編のツアー最終日で、チケットはSOLDOUT。

舞台には、壁一面にYUKI FUJISAWAによるオーロラのようなテキスタイルの装飾が施されていた。

繊細な装飾は、照明の当て方や風向きで見え方が変化していく。


スローテンポでどこか懐かしさを感じる「どこかちょっと」からライブが始まった。テキスタイルに、ライトが照らされ、窓枠が影で浮かび上がり、テキスタイルがカーテンのように変化する。

カーテン開けて おじゃましますと 光が今日も影をつくる

歌詞と演出がリンクし、楽曲の世界観を作り出す。弾き語りという歌とギターのシンプルな構成だからこそ、バンドセットの時よりもカネコアヤノの表現力が際立つ。

「愛のままを」では、2番から走るようなギターストロークが鳴り響く。
カネコアヤノは苛立つみたいに力強く歌い、時には優しく問いかけるように歌い出す。怒りも愛しさも悲しみも不安も全て剥き出しにして、観客を引き込んでいく。

伸びのある声で歌う「抱擁」は、普段窮屈な殻の中で生きている人々の殻を壊していくようだった。

「閃きは彼方」では、一つの小さいライトの光が灯るのみになり、カネコアヤノの姿もほとんど見えない暗さに。

僕は閃いた 雷光のように 気づけば怖いくらい強くなったね         
今は意味がない 会って話したい 君と

暗闇が人々の孤独感と不安な気持ちにリンクしていく。それでも雷光のように光っていく力強さをカネコアヤノの歌声と小さいライトの光から感じられた。

最後の曲の「燦々」で、明るい光によってライトアップされた舞台から、

美しいよ 僕らは

と真っ直ぐ前を見て、高らかに歌いあげる姿が印象的だった。

暗い部屋の中から始まったライブは、キラキラと明るい開放的な空間で幕を閉じた。

「ありがとう」と良いツアーだったことに触れ、カネコアヤノは颯爽と去っていった。MCもアンコールもなく、ギターと歌と演出にじっくりと身を寄せる約80分間だった。


セットリスト
1 どこかちょっと
2 わたしたちへ
3 週明け
4 明け方
5 エメラルド
6 窓辺
7 愛のままを
8 抱擁
9 閃きは彼方
10 ゆくえ
11 追憶
12 新曲
13 爛漫
14 朝になって夢から覚めて
15 ごあいさつ
16 ジェットコースター
17 栄えた街の
18 グレープフルーツ
19 燦々

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