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お店はやっぱり、「待ち合わせ場所」なのだと思う

昨日のリテールトピックで、アメリカ発のD2Cブランド・Everlaneがとうとう実店舗を出店するというニュースを取り上げました。

細かい資本戦略や彼らのこれまでの思想と店舗出店に至る思いの考察はリテールトピックを読んでいただくとして、このニュースについて調べてみて思ったのは、やはりどれだけテクノロジーが進んでも実店舗は必要なのだということ。

Everlaneはしょっちゅうポップアップストアもやっていますし、ただ認知を広げるだけであれば短期で出店を重ねた方がリスクもコストも抑えることができます。

それでも実店舗を出すのは、きっと常設店舗というものが「待ち合わせ場所」だからなのだと思いました。

「いつでもそこに行けばある」という安心感は、私たちが思う以上にブランド選びに大きな影響を与えています。

ポップアップストアは、短期出店だからこそ足を運ぶきっかけになりやすく、認知を広げたり、興味をもってくれた人のエンゲージメントを深めることには役立ちます。

しかし、そこから継続的な関係を作っていくには、どれだけSNSでカバーしても足りないものがあります。

それは「セレンディピティ」と「同時性」。

たまたまふらっとお店に立ち寄って、買うつもりがなかったものを手に取って見たり、その場にいるスタッフさんや他のお客さんという、その瞬間にしか発生しえない空間を共有すること。

それは、どれだけSNSで情報を受け取っても、コメントしたり問い合わせに丁寧に答えてもらったりしても、完璧には代替できない価値なのではないかと思います。

今後はオンラインコミュニティやライブ配信が代替手段になっていく可能性を秘めていますが、まだ技術的に「身体性」というハードルを超えられない以上、しばらくは完全にリプレイスするのは難しいのかなというのが私の今の考えです。

つまり、これから「店舗」について考えるときは目的に応じて
①常設店舗
②ポップアップストア

の2つを、はっきり使い分けることがますます重要になっていきます。

「なんとなく知ってる」「聞いたことある」という層に自らアプローチしに行って、「ファン」にしていくのはポップアップストアの役目であり、そのファンの愛情をより深め、長く付き合っていくための土台が常設店舗の役目なのです。

さらに、今はあらゆる情報が「押し付けられる」時代でもあり、人が情報を受け取ることに疲弊し始めているからこそ、顧客が自分の意思で足を向けること、それを自然に迎え入れることが、ますます実店舗に求められていることなのかもしれません。

これから、ブランドにとっての店舗は「売る」場所ではなく、「顧客に安心感を与える土台」として機能していく。

店舗の未来について、そんなことを考えたEverlaneのニュースでした。

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Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!
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