「本は名刺代わり」と言うけれど

ここ数年、とんと新刊を読まなくなった。理由は複数あるけれど、「ビジネス書の広告化」が一番大きな理由であるように思う。

いつの頃からか、「名刺がわりに出版する」という考え方がビジネスパーソンの間で一般的になった。出版するにはある程度の実績が必要なので、書籍を出すことで権威性や信頼性が増すこと自体は疑いようもない事実である。

しかし出版がマーケティング的にハックされてしまったことで、消費者側もそのからくりに気づき始めたのではないかと思う。
さらに国内外とわず「本物(Authentic)思考」の高まりや社会人を数年経験してからアカデミックの分野に戻るといったキャリア戦略を志向する人が増え始めているのを見ると、書籍を「出す」だけではなくその中身自体が評価される流れになるのだろうと思う。

そもそも数千字程度でもnoteに公開すればネットで話題になりマスメディアに取り上げられる可能性もある時代に、10万字もかけて本にする必要があるかどうかから考えなおす必要がある。

とはいえ、書籍でなければ届かない層がいることも事実だ。特に日本は活字信仰が強いので、その最上位パッケージである書籍は信頼度も高い。

私自身は本を書こうと思ったことはないけれど、書籍に関してはひとつだけやってみたいことがある。

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