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小さなお店でも使える広報戦略としてのnoteの考え方

お店がnote活用を検討する際、「そのnoteからどれだけ売上が作れるか」を考えることが多いのではないかと思う。
数多ある投稿の中から見つけてもらい、信頼して買ってもらえるようになるにはそれなりの時間がかかる。

この部分を懸念して一歩踏み出せないお店も多いはずだ。

しかしお店のnote活用は、直接ファンを増やすだけではなく「広報」の役割も担っている。
端的に言えば、noteに書いたことがきっかけでマスメディアへに露出する機会が増えると私は考えている。

たとえnoteのフォロワーが数人しかいなくても、インフルエンサーや記者の目に止まってメディア露出すれば、売上も認知度も高めることができる。
そしてメディアに出るためには、ニュースとなるようなネタを自ら発信する必要があるのだ。

つい先日、noteで話題になった「鮨ほり川」さんがテレビで紹介されたのもnoteの記事がきっかけだったという。

テレビの影響もあってか、Webメディアの取材も増えているようだ。

堀川さんがnoteをはじめたのは、ちょうど一ヶ月前のこと。
飲食業界では暗いニュースばかりが飛び交う中、73歳にしてnoteにチャレンジする姿勢や野菜鮨、果物鮨などのユニークなメニューが話題になり、800以上のスキを集めることとなった。

私もこのnoteをTwitterでシェアしたのだけど、印象的だったのは「地元の大好きなお寿司屋さんなので、こんなに話題になって嬉しい!」という引用コメントがたくさんついたことだった。
もともと愛されるお店だったからこそ、SNSへの挑戦を応援する人が多く、火がつきやすかったのではないかと思う。

テレビでは店舗再開日のお客さんはゼロとの報道だったけれど、翌日はテレビを見た常連さんの来店など嬉しい反響もあったとのことだった。
やはりテレビの影響力はいまだ強く、新規顧客の獲得だけではなく顧客に思い出してもらう力もある。

noteのフォロワーがそのまま顧客になるわけではないかもしれないけれど、情報発信を続けていれば誰かが見つけてくれて、それが徐々に波及し、影響力のある人やメディアの紹介によって売上につながっていく。

このように、たとえ小さなお店でも広報戦略としてnoteを活用していくことで、自分たちだけではアプローチできなかった顧客に知ってもらう機会が増えるはずだ。

ちなみに堀川さんにnoteを勧めたのは、お店でアルバイトとしてお手伝いもしている秋谷さんだったそう。
自身もスタイリストの仕事でnoteを活用し、仕事の多くがnote経由となった経験から、堀川さんに最後の望みとしてnoteを勧めてみたとのことだった。

秋谷さん自身も8000人以上のフォロワーを抱えており、仕事につながった成功体験があったからこそ、すしほり川のnoteの成功にもつながったのではないかと思う。

また、ドライブスルー形式での営業を毎日発信しているぱんやnicoさんもテレビ出演の機会があったと以前noteで報告されていた。

こちらは取材のきっかけがnoteだったかどうかはわからないけれど、発信によって利用者が増え、それがまわりまわってメディアに届き、取材に至る可能性を考えると、日々の地道な発信の重要性を感じる。

また、広報戦略のうまさといえばミニマルの山下さんである。

詳しい広報戦略は上記のnoteにまとめられているが、取材する側の視点から言うと、すでにこれだけネタがnoteに上がっている相手は取材のネタや聞きたいことのズレが少なくなるのでとてもありがたい存在だ。

私は取材をする側/される側をどちらもやるけれど、普段からどのような考えを持っているかが共有されていればいるほど、取材後の齟齬が少なくなるのでお互いにメリットが大きい。
よく取材後に「こんな切り取られ方をして残念」という声があがることもあるが、日々の発信によって大事にしていることが理解しあえていればその可能性は低くなるし、なにより顧客が誤った情報を正してくれるようになる。
「◯◯さんならこんな表現はしないはず」と言ってもらえるようになるには、日頃から自分たちのスタンスを表明し続けるしかない。

このように、日々の発信は単にメディア露出の機会を増やすだけはなく、自分たちへの誤った理解を広げないためのものでもある。

この2つの目的に対してnoteが効果的なのは、長文で表現できることと検索にひっかかりやすいこと、ハッシュタグやおすすめなどで「見つけてもらえる」可能性が高い点にあると私は考えている。

InstagramやTwitterの発信も重要だが、メディア視点でみたときにその素材だけでニュースバリューがあるかどうかを測るのが難しいことも多い。
しかしテキストでポイントがまとめられ、そのままのストーリーで紹介しやすいとなれば、取り上げられる可能性はグンとアップする。

逆に言えば、noteを広報戦略に組み込むならばある程度取材する側の視点を持ち、自分たちならではのメニューや取り組みなどニュースバリューのある情報を積極的に出していくことが重要だ。

その上で、たとえばお店ならば #私のお店 のハッシュタグがついていれば私も見つけやすいし、それ以外にもnote編集部では積極的にいい記事を発見しておすすめに掲載したり、公式アカウントで紹介もしている。

いいコンテンツであればこうした小さなきっかけから広がり、より大きな影響力のあるメディアに取り上げられる可能性が高まるのだ。

もちろん上記であげたような成功例はまだほんの一握りであり、全員が同じように成功できるわけではない。

ただ、真摯にものづくりをしたり販売をしている人たちにこそ、その努力を無駄にしないためにも「伝える」ことに少しだけ力を使ってみてほしいと思う。

たとえ文章がうまくなくても、いい商品、いい取り組みは必ず誰かが評価してくれる。
いいものを届けて誰かを幸せにしたいという真摯な取り組みが正当に評価され、いいものを作ることこそが最高の戦略となる環境こそが、私が目指したい世界である。

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