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「ギフト」の難易度が上がる時代に求められるイノベーション

昔から人に何かをあげる行為が好きだ。年齢を重ねるにつれてその傾向は強まり、同年代で集まると決まって物々交換になる。おばさんは「人にモノをあげる」行為が好きなのである。

一時期はギフトコンシェルジュの資格をとろうかと本気で思ったくらいギフト選びが好きで、日頃から情報収集してはオケージョンごとに整理してリスト管理しているし、人のギフト選びの相談にもよくのっている。プレゼントする相手について考え、ぴったりのモノを見つけ出す工程が好きなので何時間やっても苦にならない。

しかしそんな私でも、最近はギフト選びに苦戦するようになった。糖質制限やグルテンフリーなど食事制限をしている人も増えたし、インテリア雑貨やベビーアイテムの好みも細分化されてきたので相手のこだわりを深く知らないと安易にモノがあげられない時代である。旅先でお土産としてちょっとしたものを買うときやお家にお邪魔する際のおもたせを選ぶとき、モノのよさだけではなく相手のこだわりを思い出して棚に戻したことが何度もある。

最近特に頭を悩ませているのは出産祝いである。今はおしゃれなママが多いのでその人の好みにあうものかどうかいつも悩むし、キャラものは身に付けさせたくないとかジェンダーバイアスを刷り込まない色選びをしたいといった教育面のこだわりもある。
最終的には「好みにあわなければメルカリで売ってもらえばいいや」と決断するしかないのだけど、なるべくなら手を煩わせることなく気に入って使ってもらいたいので延々と悩むことになる。

個人の好みが細分化された時代に、モノを贈るのは難しい。多様な嗜好にあわせたモノの供給はいち消費者としてはありがたいものの、他人にモノを送るとなると「定番」不在の難儀な時代になりつつある、と思う。

その解決策のひとつがAmazonの欲しいものリストなのだろうけれど、リストを公開している人ばかりではないし、Amazon上で販売されているもののみなので選べるモノにも制限がある。

ギフトを買う側ともらう側の情報の非対称性は今後もさらに拡大していくはずで、このギャップを埋めるためのサービスが今後求められるのではないか。
そしてそのサービスのポイントは以下の3つに集約されるように思う。

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