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いま、スポーツ選手に発信してほしいこと

あらゆるスポーツが開幕を延期し、ファンが選手に会えなくなってから早くも2ヶ月近くが経とうとしています。
さらに野球やサッカーでは選手に感染者が出たことで練習すらも難しくなり、選手たちに自宅待機を指示する球団も増えてきました。

少し前までは球団アカウントで練習の様子がアップされていたものの、徐々に遠隔で選手に質問を送って回答してもらうといったコンテンツが増え、球団内でも接触を減らす動きが強まっていることを感じます。

試合が見られないだけではなく選手たちの情報も徐々に手に入らなくなり、ファンにとっても不安な日々が続いています。

そんな中で、一部の選手はInstagramを使ったライブ配信やストーリーズでの質問回答を通してファンとコミュニケーションをとってくれています。
私も大好きなヤクルトの選手たちの様子を見て、とても元気をもらいました。

とはいえ、こうした動きは普段SNSを使わないファンにとっては「遊んでいる」ようにとられてしまうこともまた事実です。

SNSネイティブの私たちからすれば立派な仕事に見えるけれど、今は特に練習の様子がわからない分、練習をせずにSNSで遊んでいると誤解してしまう人がいるのは仕方のないことかもしれません。

ただ、報道陣はもちろん球団広報すらも選手に気軽に接触できない今、選手たちが自分のアカウントを通して発信してくれることは大きな価値があるはずです。

もちろん彼らの本業はプレーで人を元気にすること。
でもそれはプレーができなければ元気づけられないという意味ではないはずです。

こんなときだからこそ、どんなことを考えてどんな姿勢で来るべき開幕に備え、日々を過ごしているのか。
彼らの考えを知ることは、私たちが日々慣れない環境で仕事を続け、不安な状況でも日々を営み続けるための糧になるはず。

そのためにも、可能な限り発信はやめないでほしいと思うのです。

では「仕事」の一環としてあらゆるファンに納得してもらうためにどんな発信ができるかというと、ひとつは「一緒にトレーニング」があると思っています。

現時点で各選手がどのようにトレーニングをしているのかはわからないのですが、もし自宅でできそうなストレッチや軽めの筋トレをやる機会があれば、インスタライブでファンと一緒にトレーニングを呼びかけることで、自分自身も練習をしながらファンと交流できるコンテンツになるのではないと思います。

なかなか外に出られない状況で体を動かすコンテンツは需要が高いですし、プロがやっているトレーニングを垣間見られるのはファンにとっても嬉しいこと。

さらにインスタライブは1人ゲストを呼んで2人で配信することもできるので、他の選手やトレーナーさんとコラボして、「一緒にやる」という一体感を出すのもよいのではないかと思います。

先日、アンダーアーマーさんが運営している「i will」というプログラムのアカウントでまさにインスタライブを使ったトレーニング企画を実施されていたのですが、ここにUAユーザーの選手がゲストとしてジョインし、一緒にトレーニングができたらファン以外の人にとっても楽しめるコンテンツになるはずです。

また、上記のような汎用性の高いトレーニング以外にも、それぞれの競技にあわせて素振りやリフティングのコツなど、家でできるちょっとした練習や自分なりのコツを発信するのも需要があると思います。

このように「練習」を軸にしたコンテンツであれば誤解を生む可能性を最小限にしつつ、選手の価値を最大限に発揮していけるはずです。

そして何より、今の時期に発信を辞めないでほしい理由は、おそらく今年大幅ダウンするであろう年俸の影響を最小限に止めるには個としての影響力の維持が不可欠だからです。

NPBではまだ年俸についてのニュースは耳にしませんが、MLBではすでに1日あたりの補償も決まり、大幅減俸が決定的になっています。

さらに昨日はコンサドーレ札幌の全選手が報酬の一部返納を決定したというニュースもありました。

試合ができなければ球団の売上も大幅減になってしまうため、選手の減俸は免れません。

さらに広告契約も本来は試合を通した露出に期待している部分が大きく、さらにどのメーカーも厳しい状況になることが確実な今、大幅にカットされる可能性があります。

高い年俸をもらっていればいるほど税率が高くなるため、来年の税金が支払えなくなってしまう選手も出てくるかもしれません。

そんな状況下で経済的打撃を最小限にするには、ファンとの結びつきを維持しながら新しいことを試していくしかありません。

例えば、前述のようなトレーニング関連の発信をしていればライブ配信の出演料としてお金が発生したり、トレーニング関連の新しいスポンサーができるかもしれません。

また、noteの有料コンテンツやサークル機能によって直接的に応援してもらうこともできます。

それぞれのトレーニングについての考え方や競技に向う姿勢、今どんな想いで日々を過ごしているかといった情報はお金を払ってでも知りたいファンはたくさんいるはずです。
さらにサークルに入っている人だけにYoutubeの限定公開でライブ配信をしたり質問に答えていくといったこともできます。

私もいちファンとして、チケットというかたちでお金を落としづらい今、選手や球団を支えるために少しでもお金を使えたらと思っています。

でもこの状況は長く続くと考えられるからこそ寄付のような一時的に終わってしまう施策では先細りになってしまう可能性があるので、長期的に価値を届ける仕組みに挑戦して欲しいのです。

スポーツ選手の真髄は、競技を通したパフォーマンスにあります。

でもそれが叶わない今、スポーツを通して身につけた1人の人としての価値を、より多くの人に届けていってほしいといちファンとして強く思います。

あなたたちがこれまで身につけてきたのはその競技を離れたら価値のない技術ではなく、もっと普遍的な価値のあるもののはずだから。

私にできることはnoteの発信を支援したり、他のSNSを含めた発信戦略を考えることくらいですが、もしこれから発信をがんばりたいけれど何をしていいかわからないというアスリートの方がいらっしゃれば、気軽にTwitterからDMを送ってください。

一応、InstagramもDM開放しています。

またみんなでスポーツを楽しめる日まで。
私もまずは私にできることをひとつひとつやっていきます。

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▼選手たちに少しでもファンの思いを届けるために、「公開ファンレター」という企画をはじめました。ぜひ #公開ファンレター のタグでnoteを書いていただけたら。

▼野球エッセイを集めたマガジンや、野球サークルもやっています。



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