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共に過ごす、残りの日々を。

プロ野球の開幕が延期になると聞いたとき、真っ先に浮かんだのはヤクルトの開幕投手を務めるはずだった石川選手のことだった。

「カツオさん」の愛称でヤクルトファンに長年親しまれてきた石川選手は、今年40歳。
40代での開幕投手は22年ぶり、プロ野球史上5人目の快挙となるはずだった。

カツオさんは、昨年引退した館山と並んで根強い人気を誇るピッチャーだ。

167cmというプロ野球としては小柄な体格ながら、力強く打者を抑えていく姿は私たちをいつも安心させてくれる。
投手陣が不調な中でも、カツオさんは淡々とローテを守り、ベテランの風格で勝ちを重ねてきた。

決して派手ではないけれど、そこにいてくれるだけでホッと安心させてくれる存在。

それが私たちファンにとっての石川雅規というピッチャーだ。

開幕投手は、エースとして各球団を代表する存在である。
通常は20代半ばから30歳前後のもっとも脂がのった選手を指名することが多い。

そもそも30代後半になると先発選手として6回、7回と投げる体力が落ちてくるため、中継ぎに回ることも多い。
そんな中でいまだにローテを守り、開幕投手に指名されるカツオさんは異例中の異例といっても過言ではない。

若く将来を期待される選手が次々にでてくる中で、長くエースの座を守り続けていること。
小柄なカツオさんが40歳にして開幕投手に指名されたことは、私たちにとってひとつの希望でもあった。

しかし開幕日が延期になった今、開幕投手がどうなるかもわからなくなった。
選手たち自身に大きな問題がなければ、いつか開幕したときにもともとの開幕投手メンバーで戦うこともできるかもしれないが、選手の調子や環境は刻一刻と変化していく。

そして何より、30代後半以上の選手たちにとっては毎日が体力や筋力の低下との戦いであり、若手選手とは1日の重みが異なる。

あと何日、あと何試合、この姿を見られるだろうか。

年齢があがるにつれて、どうしてもその不安はつきまとう。
本音を言えば、ファンにとっては一試合も無駄にはしたくない。
彼らが野球をできる時間を、無駄にしたくない。

そう思うのはカツオさんだけではない。
大好きなノウミサンももうすぐ41歳になるし、和田ももう39歳。
ホークスは内川、松田と野手陣も30代後半が増えてきた。

野球選手であるかぎり、いつか引退する日はくる。
それがわかっているからこそ、体力が続くかぎりは少しでも長く、一試合でも多く出場してほしいと思うのがファン心だ。

世界的に感染が拡大している今、日本での感染がある程度収束してもすぐにスポーツやエンターテイメントを再開させるのは難しいかもしれない。
最悪の場合、今シーズンは諦めなければならないかもしれない。

でも、だからこそ、一試合でも多く彼らの姿を見るために、私はいち野球ファンとして感染拡大を早く収束させるための行動をとりたいと思う。

共に過ごす残りの日々を、悔いのないものにするために。

***

カツオさんへ。

いつもヤクルトのローテを必死に守ってくれてありがとうございます。
「先発 石川」の文字を見ると安心するのは、これまでカツオさんがマウンド上で残してきてくれた信頼の証だと思っています。

オープン戦でも、ピンチを背負いながらもそれを華麗に切り抜ける姿を見てやっぱり今年の開幕投手はこの人しかいないと改めて感じていました。

40歳を超えて開幕投手に指名されたカツオさんの存在は、私たちヤクルトファンの大きな誇りです。
年齢が上がって、体力や筋力の面で若手選手より不利になっていっても、淡々と努力することでエースの座を守り続ける。
その姿勢がファンに与えてきた希望と勇気は計り知れません。

このまま山本昌さんのように50歳まで現役投手を目指して、ヤクルト投手陣を引っ張っていって欲しいです!

また神宮の風に吹かれながら、カツオさんの投球が見られる日がすぐに訪れることを願って。

ヤクルトをいっぱい飲んで免疫力を高めながら練習に励んでください!!

***

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