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私が"ポップアップショップ"にこだわる理由。

2016年もいよいよ下半期がはじまりました。

ポップアップショップの世界に足を踏み入れて右も左もわからないながらに駆け抜けたこの半年、いい意味で想像と違うことがたくさんあって、これからの広がりにわくわくしている自分がいます。

この半年を振り返りながら、原点回帰としてなぜ「ポップアップショップをやりたいと思うのか」について今の自分なりの答えを記しておきたいと思います。

私がポップアップショップ自体に興味をもったのは、小売の最前線で"売る"ということに疑問を持ち始めたのがきっかけでした。

配属されたラグジュアリーフロアで一流と呼ばれる商品にはじめて袖を通したときの衝撃。
そこから、私たちが提供すべきなのは商品なのか?その先の体験、ストーリー、その人の人生の彩りではないのか?と今思えば新卒らしい青臭いことばかり言っていたような気がします。

そんな時に「経験経済」を読んで、やっぱりこれからは体験だ!私の考えは間違っていない!という確信を得て、リアル店舗は「なくなる」のではなく「進化する」のだと考えるようになりました。

でもこれまでの年単位の出店形式では限界がある。
そこで興味をもったのがポップアップショップだったのです。

話を聞いて、記事を書いて、出店のアドバイスをして、気づいたこと。

そんなこんなでポップアップショップに関わってはや半年。

はじめは問い合わせも少なかったのでいろんな人に話を聞きに行き、それを記事にするために自分の中で咀嚼して言語化して、それをもとに相談をいただいた方にアドバイスして…というループの中で徐々に気づいてきたこと。

それは、ポップアップショップは小売業者のためだけではないもっと大きな価値を生み出せるということです。

ポップアップショップが小売業全般にとって必要だということはかなり浸透してきていて、ありがたいことに毎日お答えしきれないくらいの問い合わせをいただきます。

純粋な小売業以外でもWebサービスやメディアのPRとして、キュレーション型マーケットイベントを開く事例も増えてきています。

こういった需要はまだそれぞれの事業者単位という「点」ですが、個人的には今後これがもっと「線」としてつながり、「面」になっていくのではないか、と予測しています。

それは言い換えるなら
店舗経営の自由度が高まる
エリアの新陳代謝を促進させる
ということ。

1つめの「店舗経営の自由度の高まり」は堀江さんの記事「最近飲食店経営について考えていること」を読んでいただくのが一番わかりやすいと思います。

最近になって既存の店舗を曜日を決めて貸し出したいとか、これまでやっていたショップをレンタルスペースに業態変更したいという相談も多々受けるようになったこともあって、この記事に書いてある方向に小売業も進みつつあると実感しています。

記事にもあるように、お店に固執することなく自由な働き方を確立している飲食店オーナー・ショップオーナーも徐々に増えてきています。

でもこの記事を読んで「よし、じゃあ来週から週休3日にするぞ!」と言えるオーナーはほとんどいないと思います。
お店を開けなければ売り上げが立たない=生活していけないからです。

現時点で自由な働き方を実現しているオーナーはECの使い方がうまかったり、仕組みをうまく確立できているほんの一握りの人だけ。これが今の現実だと思います。

でも例えば、クローズしている3日間を誰か別の人に貸し出して家賃収入を得ることができたとしたら?
生活レベルを落としたり従業員を解雇することなくお店をお休みすることができますよね。

そうやってお店を閉めて自由になった時間で新しいものづくりに挑戦したり、外国に行って全く別の感覚に触れたり、今話題のスポットに行ってセンスを磨いたりすることでもっと素敵なことが生まれるチャンスが増えるのです。

ちょっと前まで私は、ポップアップショップは出店するブランドのメリットが大きいものだと思っていました。
でも実は貸す側にとっても大きなメリットがあって、私たちがサービスを通して提供すべき価値はそこにもあるのかもしれない、と考えています。

とはいえそれを実現するためにはたくさんの障壁もあるので、諦めず腐らず粛々とサービスを磨き続ける所存です。

ポップアップショップが "まち"に与えるもの

2つ目の「エリアの新陳代謝を促進させる」は、ここ最近まちづくりに興味をもって勉強する中で気づいたことでもあります。

出店アドバイスをする上ではどうしても「売れる場所」を求められます。
そこで雑誌を読んで話題のエリアを調べたり、そもそもの街の成り立ちから遡ってみたり、データを分析してみたり。

そうしていくうちに「まちづくり」というテーマにぶつかり、そこで気づいたのは"まち→小売"ではなく"まち⇄小売"だということ。

つまりまちがショップの売上やブランディングに影響を与えるだけではなく、ショップがまちの雰囲気づくりや魅力度、住人のタイプに影響を与えることもあって、それはどちらか一方だけではなく相互の関係だということです。

よく考えたら当たり前なのですが、どうしても小売中心で考えてしまう私にとっては青天の霹靂とも言える気づきでした。

じゃあそこでポップアップショップはどんな役割を担えるのだろう、と考えたとき、まちの新陳代謝を促進する上でポップアップショップは絶対に必要なものになっていくと思っています。

よくいろんな分野で8:2の法則がでてきますが、やはり常に2割の新しいものをいれていかなければゆるやかに死に向かってしまう。

とはいえ、新規出店のニーズが高いのは東京23区の中でもごく一部。
地方にいたってはドラッグストアとコンビニ以外の新規オープンなんてはるか昔、というところも多いのではないでしょうか。
地方に移住してお店をやってみたいというニーズは存在しているにも関わらず、です。

最近では自治体側で店舗スペースを用意して短期間の出店を誘致したり、移住して何ヶ月かはベーシックインカムのようなかたちで収入を保証するといった取り組みをはじめる地域も増えてきましたが、ポップアップショップの出店を重ねながら徐々に地域に馴染むというプロセスはお互いにミスマッチを生まないためにも重要だと思っています。

まちづくりについてはまだまだ勉強中の初心者ですが、私たちのポップアップショップ出店ノウハウをまちの活性化に役立てられないかという視点も持ちながら今後さらに勉強を重ねていく所存です。

ポップアップショップは、ブームでもトレンドでもない

"ポップアップショップ"は一時的なブームでも今だけのトレンドでもなくて、小売の新しい時代をつくる土台のようなものだと私は思っています。

人の働き方も自由になり、買い物も自由度が上がる中でなぜか自由が制限されてきた小売業界。
ポップアップショップが広がることで小売業界自体がもっと自由にクリエイティブになって、作る側も受け取る側ももっと楽しめる環境にしていきたい。

新卒のときに抱いていた青臭い想いがただハイパーになっただけのような気もしますが、私は今こんなことを考えながら日々の仕事に向き合っています。

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Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!

コメント3件

ある意味21世紀の日本の屋台なのかもしれない。なんて思ったりも。
コメントありがとうございます!21世紀型屋台、まさに!という感じです!ちなみに個人的には東南アジアによくある夜市が大好きなので、夜市的なポップアップショップをやりたいなと画策しております。笑
警察が来たら一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げる台湾の夜市も俺は好きww
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