お店がnoteをはじめるときに知っておいてほしいこと

noteのshoppingカテゴリプロデューサーとして、お店やブランドがnoteを書く上でどんなことを気をつけたらいい?というご質問をいただくことが増えてきました。

お店といっても1人で小さくやっている方から全国にいくつも支店をもつ大企業まで、規模や業態も様々です。
しかしなにかしらの『モノ』に関わっていること、そしてそれを伝えた上で納得して購入してほしいという思いは共通しているはず。

そこで今回はお店やブランドがnoteを使いこなすために、知っておいてほしいことをまとめました。

1. 『顧客』ではなく『関係人口』を増やすことを目標にしましょう

よく『noteは他のブログサービスやSNSとどう違うの?』と質問されます。
お店をやっている方であればすでにブログやSNSのアカウントがあり、それらを更新するだけでも手一杯、という方も多いはず。

その上でnoteをやる意味について、私はいつも『コミュニティづくりのはじまりだから』と答えています。

まず、noteの基本的な考え方は『クリエイターのベースになる』ということです。
だからプロフィールや仕事依頼といったカテゴリがあり、マガジンによって専門分野や興味を表現し、各noteにSNSやECのリンクを綺麗に表示することができます。

つまりはじめての人に会ったとき、noteアカウントさえ見せれば自分という人間を理解してもらえて、そのあとの関係が続いていくようにすることがnoteとしての考え方なのです。

だからこそお店がnoteをはじめる際も、宣伝のために顧客プールを作ろうといった考え方ではなく、取引先やお店仲間も含めて関係人口を増やすことを目標にするのがよいのではないかと思います。

実際、noteを使ってくださっているお店やブランドの方と話していると、noteで直接的に売上が増えるというよりは横のつながりが増え、新しい取り組みのヒントになったり一緒にイベントを開催するといった流れができたという声を耳にします。

突然売り込みをはじめるのではなく、まず自分たちの考えや姿勢を知ってもらうこと。
そして関係を作り、ゆるやかなコミュニティを形成していくこと。

それがnoteを使う醍醐味だと私は考えています。

もちろんフォロワー数やいいね数も気になるものですが、SNSでの反応はこれまで自分が行ってきたことの通信簿のようなもの。
小手先のテクニックで見た目の数字だけ増やそうとするのではなく、真摯に関係を築いていくことが結果的にnoteアカウントを成長させていくのです。

▼詳しくはこちらのnoteにも書いています。

2.  『どう伝えるか』と同じくらい『どう伝えてもらうか』を考えましょう

noteの相談を受けるとき、いつも『なにを書いたらいいでしょう』という質問からはじまるのですが、私はむしろ『どんなnoteを書いてもらいたいか』から考えた方がよいのではないか、と考えています。

というのも、どんなにがんばって書いても、お店やブランドのnoteが爆発的に読まれるのは非常に稀だからです。
逆に、お客さまがお店について言及したnoteはものすごく読まれたりします。

たとえば『買ってよかったもの』はすでに7000件以上集まっている人気ハッシュタグですが、これはほとんどがお店やブランドではない一般のクリエイターが書いたものです。
毎年年末になるといつもシェアされている人気のクリエイターもたくさんいます。

人はできれば自分が仲良くしている人や憧れている人からの情報を受け取りたいのであり、あまり興味のないお店やブランドが書いたものを読もうと思ってくれる人はそうそういません。

だからこそいかに顧客に語ってもらうか、どうすれば語りたい人のアシストができるかを考えることこそが、noteを使いこなす上で大事なポイントだと思います。

とはいえ、小規模なお店の場合、そもそもお客さまの絶対数も少ないし、その中でnoteを使っている人なんてほとんどいない…という場合もあるでしょう。

そんなときはお店ではなく『カテゴリ』で考えるのがおすすめです。

たとえばお店で文房具をメインに扱っているなら、文房具についていいnoteを書いている人たちを見つけてマガジンにピックアップしたり、書かれたnoteを自分のnoteで引用して紹介したりすることで、文房具好きの人との関係ができていきます。
さらにみんなのフォトギャラリーに文房具の写真をたくさんあげておくことで、文房具好きの人の目にもとまりやすくなるかもしれません。
※「みんなのフォトギャラリー」に関してはこちらをどうぞ。

こうした関係が育っていくことで、お店でイベントを開催した際に訪れてくれたり、noteで紹介してくれたりと次のアクションにつながっていくのです。

もちろん自分たちのコンテンツを作る必要がないわけではありません。
ただせっかくいいnoteを書いてもそれが自分たちの中で閉じてしまっていたらなかなか見つけてもらえないもの。
自分たちのお店やカテゴリについて書いている人とどう関係を作っていくか。

『伝え方』と同じくらい、『関係の作り方』についても考えてほしいのです。

▼詳しくはこちらのnoteにも書いています。

3. 読まれるnoteはタイトル・導入・見出し画像が大事です

普段私は『 #お店 』というハッシュタグをよくチェックしています。
そこでいろんなnoteを見ていて思うのは、内容がよくてもタイトルや導入文、見出し画像によって読まれづらくなってしまっているnoteが多いということ。

私がよくアドバイスするのは
①タイトルに番号や日付をふらない
②「こんにちは」からはじめない
③見出し画像に文字をいれない

の3つ。

noteは本文を読む前にタイトルと導入の数十字、見出し画像がタイムラインに流れてきます。つまりその3つで『読みたい』と思われなければ一生中身を見てもらえないということ。
逆にいえば、この3つにこだわれば見てもらえる可能性が飛躍的に上がるということです。

そしてこの3つに共通するのが、
「読んでもいいのかな」
と思わせないこと。

個人の日記っぽいものは『プライベートっぽいから読むのをやめよう』と思われがちだし、宣伝っぽさがあるものは『売り込みされそうだからやめよう』とスルーされてしまいます。

だからこそタイトルに「1日目」「1/25」といった記録用の文言をつけたり、冒頭に『今日で◯日目』といった文言は入れない方がより多くの人に読んでもらいやすくなります。

また冒頭で『こんにちは』から入るのはブログなどでよくある形式ですが、個人的にこれはあまりおすすめできない形式です。
よくアフィリエイトブログやコーポレートブログで使われる形式なので無意識に『何か売り込まれそう』と読み手が判断しやすく、クリックされづらくなるからです。

そして何より、たった数十字しか表示されない導入文に挨拶や自分の紹介をいれるのは文字数の無駄。

毎回導入文を考えるのは大変なのですが、ちゃんと読んでもらうためにも文章全体を鑑みた上で『入り』を計算するのが重要だと思います。

さらに同じ理由で、見出し画像に文字をいれるのもあまりおすすめできません。
デザイナー以外の人が自作するとどうしても素人感が出てしまい、読み手に『怪しい』と感じさせてしまうからです。

もちろん社内や知り合いにプロのデザイナーさんがいる場合はオリジナルの見出し画像を作ってもらうことでよりメディアっぽさを出すことができます。
その際は一般的なメディアのように目を引くような文字を入れるのもおすすめです。

ただ素人が下手に手を出すとバランスが悪く怪しく見えてしまうため、見出し画像に悩んだときは、みんなのフォトギャラリーを使うか自分で撮った写真をそのまま使うことを個人的には推奨しています。

※シリーズものの場合はタイトルに数字をいれるのは問題ないと思いますし、調査関連の内容で『誰が書いたか』が重要な場合は自己紹介からはじめるのもよいと思います。
ここではわかりやすくするためにそうした例は除外し、一般的なケースのみ想定して書いています。

4. 商品紹介がダメなのではなく、『売り込み』がダメなのです

こうした話をしていると、『あまり商品紹介はしない方がいいですよね?』という質問もよく受けます。

しかし、お店やブランドにとって商品こそがもっとも自分たちの考えややりたいことを表現しているはず。
であれば、商品について語ることこそが自分たちを語ることにもなるはずです。

ではなぜ多くの人が商品紹介に尻込みしてしまうのかというと、『商品紹介』と『売り込み』を混同しているからなのだと思います。

たしかに、商品を売るために冒頭から『買って、買って!』という気持ちが透けて見えるnoteはなかなか読まれません。

でも開発の裏側や、どんな課題をもとにその商品を作ったのか、そこにどんな人たちが関わっているのかといった話はむしろ知りたい人の方が多いはず。
それは『プロジェクトX』や『カンブリア宮殿』などの番組が人気を得ていることからもわかる通りです。

つまり重要なのは『伝え方』。
買ってもらうためではなく、人の生活をよりよくするための提案として書くことで、商品紹介noteはもっと読まれるようになるはずです。

さらにタイトルも商品名やこだわりを前面に押し出すのではなく、作る前に感じていた課題やものづくりの裏側を書いていることがわかる文言にすれば、普段はリーチできなかった人にも届くnoteになるでしょう。

ちなみにnote for shoppingと連携しているプラットフォームを使っていれば、商品URLを入れるだけでカード形式で綺麗に表示されるのでぜひ使ってみてください。

▼note for shopping連携プラットフォームについてはこちら

5. 『中の人』のSNS運用も成功の鍵です

お店やブランドに関わらず、noteをうまく活用している企業は中の人たちも積極的にSNSを運用しています。

単にnoteで書いた記事をシェアするだけでなく、その裏側や個人的な感想、込めた思いを書くのはもちろん、日常の何気ないツイートも大事なポイント。

冒頭にも書いた通り、SNSは関係性を可視化するものだからです。

ブランドや企業名にはそこまで愛着がなくても、友人が働いているからつい選んでしまうブランドが誰にでも1つや2つはあるものではないでしょうか。

それと同じように、普段からSNSで関係のある知り合いが思いを込めて運営しているnoteだからこそ読みたい、応援したいといった気持ちにつながっていきます。

特にnoteと相性がいいのはTwitterなので、シェアしてくれた人に個人のアカウントでいいねをしにいったり、お礼をいいにいくのもおすすめです。

もちろん、中の人がnoteをはじめるのもおすすめです。
note proを活用していれば、個人が書いたnoteをお店アカウントのタイムラインに表示することもできるため、お店としての発信だけでなく個人としての発信も一箇所にまとめることができます。

▼note proについてはこちらをどうぞ

どんなプロジェクトも中には必ず人がいて、その人たちの思いによって動いているもの。
そうした中の人たちのがんばりや思いも一緒に発信していくことが、noteを成功させる秘訣だと私は思っています。

noteを楽しんで使ってくれるお店アカウントが1つでも増えますように!

ここに書いた5つのポイントはかなり一般化したものなので業種や業態によってさらに細かいTIPSもあると思います。
自分はこうやってみてよかったよ!とか、こういう失敗もしたよ!といった体験談があれば、ぜひ #お店 のハッシュタグをつけてnoteを書いてもらえると嬉しいです。

よいnoteはお店にまつわるnoteを集めた公式マガジンにも格納していきたいと思っています。

ではでは、このnoteが1人でも多くの方の役に立ちますように!

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※私個人へのnote運用のコンサルティング依頼については稀にお引き受けしていますが、対応キャパに限りがあるため現状法人アカウントの方のみ対象とさせていただいています。

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