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今週読んだ海外記事と雑感(2019.11.30)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。

有料部分では、その週に読んだ記事を総合して考えたことや個人的な雑感などを書いていきます。
(ちなみに今週は出張やら体調崩したりやらが重なって3日分しかピックアップできていませんが、まあそんなときもあります)(突然の開き直り)

▼私のNewsPicksアカウント

ランドリーが受け渡し場所。P2Pシェアリングサービス『Wardrobe』

P2Pのファッションレンタルサービス・Wardrobeがアイテムの受け渡し拠点としているのがクリーニング店というのが面白い。近くのクリーニング店で受け取り・返却ができるのはもちろん、希望すれば家に届けてもらうことも可能。たしかにレンタルは毎回クリーニングに出す必要があるので、そのまま在庫として店頭に置いておき、予約が入ったら店舗間で移動させるのがもっとも効率よさそう。リアルなシェアクローゼットという感じですね。
P2Pでありつつも貸し出し側へのサポートは手厚く、貸し出し商品も厳選されているので借りる側も安心なのがポイント。ラグジュアリーブランドを扱うレンタルビジネスはブランドからの許諾をとるのに苦労しますが、この仕組みであればあくまで顧客の所有物をレンタルしているだけなのでブランドからの非難も受けづらいのでは。
難点としては拠点としてリアル店舗を使っている分、RTRのような急激な成長が見込めない可能性が高いことですが、レンタルは流通設計の関係上急に規模を大きくすると問題が起きる可能性が高いので実は堅実なビジネスモデルと言えるかもしれません。

中国市場にアプローチしたいブランドがNBAに注目する理由

中国でバスケ人気が高まっていることをはじめて知った…!しかもNBA選手に影響されてスニーカーや洋服を買う人が増えたことでGOATのようなリセールプラットフォームもスポンサーになっているのが面白い。
ちなみにGOATがスポンサードしているバスケ選手の「会場入りファッション」ですが、韓国アイドルの世界では昔から「空港ファッション」と呼ばれる私服チェック文化があり、ここからトレンドが生まれたり売り切れ商品が生まれるなど大きな影響力を持っています。
現在のアスレジャーブームはスポーツ人気ともそのまま直結するものなので、今後はスポーツメーカーのみならずアパレル企業がアスレジャーアイテムのPRとしてスポンサードする事例も増えていくのではないかと思います。(そういえば侍JAPANのスーツもブルックスブラザーズがスポンサーですね)

D2Cブランドは他社ブランドの商品も売るべきか?

D2Cブランドも他社ブランドの商品も組み合わせて販売するように変化しつつあるもよう。はじめは自分たちで作ったアイテムを直接販売することをベースにしたモデルでしたが、徐々に卸をはじめたり百貨店でポップアップを開催したりと「直接小売」の定義から変化した結果「デジタルネイティブブランド」という言い方に変わりつつありますが、さらに他社ブランドを販売する「小売店」になりつつあるというのがユニーク。
流通面でみると利幅も少なく一見メリットが少なく見えますが、世界観を表現する上で他のブランドを組み合わせることで自社での開発コストとリスクを抑えられるという意味では、これからコラボレーションを含むこうしたブランド同士のつながりはますます増えていきそうです。

【PayPalの調査】ソーシャルコマース化していく消費者

サイバーマンデーにもソーシャルコマースの波が。カナダの消費者のうち40%がSNSを介してモノを買い、ギフト探しもお店にいくよりSNSで探す方がよいと答える消費者が大半に。インスタやピンタレストののショップ機能をはじめ、コンテンツとコマースが融合しはじめているからこその変化ともいえそうです。

Amazonも徐々に準備をはじめるライブコマースの未来

今回のブラックフライデー、サイバーマンデーでAmazonがトップにライブストリーミング機能「Amazon Live」での配信を持ってくるなどライブコマースに徐々に力を入れ始めている様子。ライブ配信の効果などはまだ明らかにされていませんが、通常のセール時期と比べて103%アップしたというコスメブランドの声も。
中国でのライブコマースは商品への信頼性などやや特殊な事情がありましたが、それを差し引いてもライブコマースは特にイベントごとと相性がよく、プライムデーとライブコマースを組み合わせる事例は今後増えていきそうな予感。このあたりの話は以前個人のnoteにも書きました。
https://note.com/qzqrnl/n/n4408f0e6882c
「ライブコマース」と意気込むよりは、ライブ配信をコンテンツとして作り、コンテンツの同時性によって「お祭り感」を演出することで購買が発生する、という順番なのかなと個人的には思っています。

GlossierのNordstrom出店が意味すること

D2Cブランドの雄・GlossirがNordstromに出店。「ブランドコントロールのために卸売はしない」と創業者のEmily Weissが再三言っていましたが、フレグランスはオンラインで売るのが難しくD2Cに不利な商材であること、Glossirのブランドイメージをよりラグジュアリーにしたいという戦略から出店を決めたようです。
また面白いのが最後にでてくる「あえてブランドでもっとも高級な商品を置く」という戦略。通常、フレグランスはラグジュアリーブランドがエントリーモデルとして販売することが多いものですが、Glossirの場合は真逆。コスパのいいコスメというイメージがあるからこそ、Nordstromでは高級ラインを売り、ブランドイメージをあげていきたいという戦略のようです。
D2Cはこれまで「コスパのよさ」で語られてきましたが、業界として成熟しつつある今、高級嗜好への舵取りを狙うブランドも今後増えていきそうな機運です。

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今週のニュースで面白かったのはNBAとファッションブランドの関係。

コメントにも書きましたが、アスレジャーがビッグトレンドになりつつある今、これまでのようなスポーツブランド『以外』にもスポンサーの裾野はどんどん広がりつつあると思います。

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