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余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる… もっと読む
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2020年3月の記事一覧

今月読んだ本一覧(2020.3)

今月読んだ本一覧(2020.3)

今月読んだ本の覚え書き。全部で10冊の本を読みました。
自粛の流れもあって比較的時間があったので、今月は小説もおおめに読みました。
そして気づけば読んでいる本の9割がKindle!
思いついたときにぱっと読めるって便利ですねえ。

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今週読んだ海外記事と雑感(2020.3.28)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
文末の有料パートは海外記事の解説です。
今回は、先週更新できなかった分も含んでいるのでいつもより量多め。

▼私のNewsPicksアカウント

新ブランドローンチの是非今の時期に新しいブランドをローンチすることの是非をそれぞれのメリット/デメリットや分野ごとの考え方、SNSでの発信の仕方などを踏まえて論じた記事。

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出かけられない世の中で、日々の楽しみをどう発信するか

出かけられない世の中で、日々の楽しみをどう発信するか

女性誌を開けば、新生活への期待膨らむキラキラした情報で溢れかえる季節。
四季折々の中でも春の雑誌を読むのが一番の楽しみだったけれど、今年はそんなキラキラもトーンダウンせざるをえない状況に陥っている。

卒入学や入社式、花見、歓迎会など春ならではのイベントはすべて中止。
学校もいつまで休校が続くかわからないし、会社もリモートワークを推進するところが増えてきた。

「出かける予定」が奪われると、人は装

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なぜオタク化に「箱推し」が必要なのか

なぜオタク化に「箱推し」が必要なのか

最近「オタクエコノミー」についてよく感がていたので、日経のこのストーリーがとても面白かった。

私はジャニーズ、K-POP、プロ野球と3次元のみにハマってきたのだけど、最近は2.5次元の市場も広がりつつある。

個人的に、2.5次元が盛り上がった理由のひとつに俳優を「箱推し」できるようになった点があげられるのではないかと考えている。

一般的に、俳優はアイドルと違ってグループではなく個人名単体で売

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今週読んだ海外記事と雑感(2020.3.14)

今週読んだ海外記事と雑感(2020.3.14)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
文末の有料パートは海外記事の解説です。

▼私のNewsPicksアカウント

ドラッグストアはイギリスコスメ市場の主戦場となるか?ロンドンにおけるコスメ売り場としてのドラッグストアの盛り上がりについて。イギリス人の90%はドラッグストアから10分以内の場所に住んでおり、その利便性が人気の秘訣のよう。これは日本も同

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「話を聞いてもらう」ためにできること

「話を聞いてもらう」ためにできること

SNSも動画の世界も、プロや専門家が参入してきたことで情報の高度化がはじまっている。

メイク動画は元美容部員や美容面で人気の高い芸能人が力をもちはじめ、コーディネートはスタイリストやショップスタッフといった専門家の情報を誰もが知りたがっている。

「なんでもない人」に夢を与えてきたSNSは、そのボーナスタイムが少しずつ終わりに向かいはじめたようだ。

芸能人が生き抜くために専門性やキャラクターを

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街をつくる「縦」のデザイン

街をつくる「縦」のデザイン

渋谷の再開発が一通り完了し、「小売の視点からどう見ていますか?」と聞かれる機会が増えた。

商業施設でいえば、渋谷ストリームからはじまり、昨年末には渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラスと新施設がオープン。
先日渋谷パルコもリニューアルオープンした。

私も小売を生業とする人間の端くれとして、すべての商業施設に足を運んでみた。

そこで考えさせられたのは、今後の街を考える上で「縦」のデザインが必要

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今週読んだ海外記事と雑感(2020.3.7)

今週読んだ海外記事と雑感(2020.3.7)

今週もNewsPicksでピックしたニュースとコメントを転記してまとめておきます。
文末の有料パートは海外記事の解説です。

▼私のNewsPicksアカウント

ヒット商品のつくり方今や日本で当たり前となった「クッションファンデ」が世界的なトレンドになりうるか?についての考察記事。そもそもクッションファンデを開発したのがアモーレパシフィックだったこともはじめて知りましたが、発売翌年に全体の売上が

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「応募者プレゼント」をプロモーションに変える方法

「応募者プレゼント」をプロモーションに変える方法

今月の「大人MUSE」を読んでいたら、プレゼントの応募スタイルが「このページをインスタにアップ」に変わっていて驚いた。

雑誌のプレゼントページといえば、これまではがきにアンケートや希望商品を書いて郵送するのが当たり前だった。

もちろん今もほとんどすべての雑誌が同じスタイルを踏襲しているはずだ。

しかし、年賀状ですら出さない人が増えている今、わざわざ官製ハガキと切ってを購入して必要事項を記入し

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「マス」の空洞化

「マス」の空洞化

イノベーションは5つの段階を経てマスに浸透していく。
そう提唱したのはスタンフォード大学の社会学者であるエベレット・M・ロジャースだ。

イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティと段階を経るにしたがって市場が拡大し、レイトマジョリティ、ラガードとマス化するともはや「当たり前のもの」になる。

このイノベーター理論はマーケティング論の教科書にも載るほどよく知られたものだが、インターネッ

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誰もがインフルエンサーたりえる時代に

誰もがインフルエンサーたりえる時代に

メディアが戦争を「終わらせた」事例として、語り継がれる事件がある。

ベトナム戦争をめぐる国家機密文書をニューヨーク・タイムズとワシントンポストの二紙が掲載し、戦争終結へと世論を動かした「ペンタゴン・ペーパーズ」だ。

スティーブン・スピルバーグがメガホンをとり、メリル・ストリープ主演で映画化もされた。

映画の中で、メリル・ストリープ演じるワシントンポストの社主・ケイは究極の決断を迫られる。

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