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これからの、小売の話をしよう。

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ショップは、ただモノを"売る"だけの場所ではなくて。そしてお客様は"買ってくれる"だけの相手でもなくて。明日がくるのが楽しみになるような、そんなショップがそこら中にある世界につい… もっと読む
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#ブランド

すべてはコミュニケーション

すべてはコミュニケーション

「接客とかSNSだけじゃなくて、ECのデザインも、なんならプロダクト自体もお客さんとのコミュニケーションじゃん?」

イベントの前に接客について話していたとき、ALLYOURSの木村さんがふと漏らしたこの言葉がとても印象的だった。小売は、プロセスのすべてが顧客とのコミュニケーション。当日のトークイベントでも、その考え方が随所に表れていた。

ALLYOURSはクラウドファンディングやSNSなど「伝

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ローソンのPBデザインリニューアルは「これでいい」から「これがいい」への第一歩

ローソンのPBデザインリニューアルは「これでいい」から「これがいい」への第一歩

先月から徐々にローソンのPBパッケージが新デザインに切り替えられ、その変化の大きさにSNSでも賛否両論が飛び交っている。

▼リニューアル後のパッケージ例。ベージュで統一され、ひと目見ただけでは中身がわかりづらい。

若い女性を中心としたデザインに敏感な層からは「かわいい」「そのままでも暮らしに馴染む」と高評価を受ける一方、「視認性が低い」「シズル感が足りない」といった否定的な意見も多い。

ちな

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ブランドに「急成長」は必要なのか

ブランドに「急成長」は必要なのか

アメリカのD2Cバブルが、いよいよ終わりに近づいている。
昨年から一部のメディアでD2Cの失速が囁かれてきたが、Casperの上場時の株価が想像以上に低かったことが最後の一撃となったようだ。

今後、アメリカで「D2C」というワードで資金調達するのは難しくなるだろう。

「海外記事の雑感」でも書いたけれど、これは単に今まで必要以上にかけられていた期待が正常な状態に戻っただけとも言える。

この先2

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ブランドの発信は「アシスト」を意識しなければならない

ブランドの発信は「アシスト」を意識しなければならない

『個人アカウントと公式アカウントをどのように使い分けるべきでしょうか』

誰もがメディアやブランドを簡単に立ち上げられるようになったことで、自分のアカウントとブランドの公式アカウントをどう使い分けるか悩む人も増えた。

そもそもどのタイミングで公式アカウントを立ち上げるべきなのか。
自分にフォロワーさえついていれば、公式アカウントは不要なのではないか。
アカウントを2つ運用するには、コンテンツが足

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まずは、自分たち自身が『愛せるモノ』をつくること #note感謝祭

まずは、自分たち自身が『愛せるモノ』をつくること #note感謝祭

約半年前、イケウチオーガニックの代表・池内さんの「『ストーリーを売る』への僕の違和感」を読んだことが、私がイケウチオーガニックに興味を抱いたきっかけでした。

『ストーリーで売る』がトレンドになりつつある今、むしろいいものを作ること自体がストーリーになっていくという考え方は、ものづくり企業としてとても本質的で、それこそが顧客への誠実な向き合い方だと思ったからです。

私はいつも、noteは誠実に発

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私たちは、本当は接客「されたい」生き物だ

一時期、『接客不要バッジ』が話題になったことがあった。
買い物中に店員さんに話しかけられるのが嫌な人のために、『話しかけないでください』と意志表示するためのアイテムだ。

実際にバッジを使う人が少なかったのか運用面に問題があったのか、こうした取り組みは結局たいして広がることはなかった。
しかしこうした取り組みが実験されるほど、私たちの多くは店員さんに話しかけられることにストレスを感じている。

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ライブコマースでモノは売れるのか

ライブコマースでモノは売れるのか

中国での流行を皮切りに一時期トレンドワードとなった『ライブコマース』。
日本でもライブコマースを主軸に据えるインフルエンサーやプラットフォームが生まれ、小売の新たなジャンルとして注目を集めてきた。
ここ最近あまり話題に上らなくなっていたライブコマースだったが、先日三越伊勢丹が配信したプレスリリースによって再注目されることとなった。

本文をよく読めば『三越伊勢丹が過去に実施したライブコマースで、過

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ビジョンには、 "嘘"をついてはいけない #お店note

ビジョンには、 "嘘"をついてはいけない #お店note

金曜日は中川政七商店取締役の緒方さんに『ビジョンファースト経営』をテーマにお話を伺いました。

そしてこの日たまたま打ち合わせで来ていた深津さんにも急遽登壇していただき(!)、noteのビジョン/ミッション設定も交えながら、いかにしてビジョンを核にした企業経営やサービスづくりにあたっていくべきかを語り合いました。

今回図らずも二社のミッション/ビジョンへの向き合い方を聞くことになったわけですが、

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ブランドは『参加するもの』になっていく

ブランドは『参加するもの』になっていく

今や日本でも広がりつつあるD2Cブランドだが、その要諦は中間マージンがないことでも原価率が安いことでもなく、自分たちの思想に基づいた体験を顧客に提供できる点である。

ブランドとの出会いから検討、購入、そしてサポートまでの体験を一気通貫でデザインし、商品というメディアを通して世界観を伝える。

モノも情報も溢れかえる中で、選ばれるために彼我の違いを生むには『商品の質』ではなく『商品を通した体験の質

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本当の強さは、 "耐える"ことからはじまる

本当の強さは、 "耐える"ことからはじまる

楽しかった2泊3日の #mediacruise の旅が終わって、ふと思ったこと。

足を運ぶたびに感じるこの地域の強さの源泉は、 "耐える"強さなのかもしれない、ということ。

でもそれはじっと耐え忍ぶ "我慢"ではなくて、未来に希望があるとわかっているからこそ、一歩一歩確実にやっていこうという "希望"なのだと3回めの訪問でやっと理解することができました。

この土地の人たちは、自分の仕事がずっ

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「服育」の重要性

「服育」の重要性

先週から大きな話題になっている泰明小学校のアルマーニ制服の一件。

個人的には、ここまでバッシングされることに驚きが隠せませんでした。

今回の一件に関しては様々な立場から多様な意見はあると思いますが、ラグジュアリーブランドのフロアからキャリアをスタートさせた私としては、日本人にとってラグジュアリーブランドのロゴはいまだに「自分の権威を誇示するためのツール」であり、「享楽的軽薄なもの」というイメー

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これからのブランドに必要な「のっかり力」

これからのブランドに必要な「のっかり力」

「コミュニティ」への注目度が高まっている今、ファンコミュニティを作ろうとするブランドも増えてきました。

私もずっと「これからはコミュニティの時代だ!」と思ってきたのでファンコミュニティの増加は必然だと感じていましたが、先日コミュニティマネージャーのイベントで日本グミ協会の武者さんの話を聞いて、実はブランド自身がコミュニティを作るべきではないのかもしれないと考えはじめました。

イベントレポート:

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