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本と映画と、エトセトラ。

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読んだ本・観た映画について気まぐれに。 (photo by tomoko morishige)
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#読書

『読む』というクリエイティブの力 #BOOKTALK

『読む』というクリエイティブの力 #BOOKTALK

読書は情報をインプットするための受身な行為である。
世の中はアウトプットの重要性を説く言説で溢れているし、読むだけ・見るだけではたしかにお金は稼げない。

しかしインプットが人間の行為である限り、全員が同じ感じ方をすることは不可能だ。
さらにアウトプットはインプットに対する個人のフィルターありきのものだから、インプットの時点で私たちは創造性を発揮している。

読むことは、それ自体がクリエイティブな

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『友人』になれる本の条件 #BOOKTALK

『友人』になれる本の条件 #BOOKTALK

『今年から、本と"友達"になろうと思ってるんですよ』
#BOOKTALK イベントの冒頭から、櫻田さんは新たなテーマを投げかけてくれた。

改めて言われてみると、私は本とどんな関係を築いてきたのだろう、と考えさせられる。
そして本と友人関係を作るとはどういうことなのだろうか、ということも。

一般的に、人と本の関係は『師弟関係』に近いのではないだろうか。

知らないことを、まだ見ぬ世界を、何かし

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「この人のおすすめなら読みたい」と思える相手を作ること #BOOKTALK

「この人のおすすめなら読みたい」と思える相手を作ること #BOOKTALK

ビジネスの世界では、人に勧められた本をすぐに買って読むことがよく奨励されています。
特に尊敬する人がSNSで勧めている本や、イベントで話題になった本はその場ですぐ買うようにしている人も多いのではないでしょうか。

かくいう私も20代前半はひたすら人におすすめされた本ばかり読んでいました。

しかし先日の記事にも書いた通り、この3、4年はむしろ人からのおすすめで本を読む割合を意図的に低くするようにし

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今月読んだ本一覧(2019.9)

今月読んだ本一覧(2019.9)

よく本について聞かれるのと、私自身かなりの乱読で読んだものを振り返ってまとめるということがなかなかできていないので、自分の記録の意味も込めて毎月読んだ本をまとめていこうと思います。

アフィリエイトなどは入れていないので、純粋な本のキュレーションとして読んでいただければ。

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「読む」というコミュニケーション #読むでつながる

「読む」というコミュニケーション #読むでつながる

わかるということと苦労するということは同じことですよ。早く簡単にわかる、そんなのは本当にわかったとは言えない。ただ知識が増えただけです(「読書について」小林秀雄)

私たちは普段何気なく文章を読んでいるけれど、本当の意味で『読む』とは何なのだろう。

そして、単に知識で頭をいっぱいにするのではなく、血肉になる読み方は何が違うのだろう。

昨年末たまたま鳥井さんとそんな話をしていたことがきっかけで、

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「私」を作った魂の10冊 #私の必読書10選

「私」を作った魂の10冊 #私の必読書10選

先週「私の必読書」小売版を書いたのだけど、私の場合は小説や随筆に育てられた部分が大きいので、ビジネス書とは別に自分の価値観を形成する上で特に影響されたと思う本を10冊選んでみる。

▼小売版はこちら

ちなみに私はしょっちゅう引っ越すので一度読んだ本はガンガン捨てるタイプなのだけど、特に影響を受けた本だけは大切に保管していて、小説もいれるとそれがだいたい5、60冊くらいある。

何をもって『影響を

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透明なものしか、生き残れない時代へ。

透明なものしか、生き残れない時代へ。

これからの時代のキーワードのひとつである「透明化」。

先日、話題の小説「ザ・サークル」を読んで改めて、透明化の流れが不可逆的であることを感じました。

あらゆる場所にカメラが置かれ、人々は自分の見ているもの・聞いたことを全自動で公開する。

物語の中では、こうした透明化を突き進めた末のディストピアが描かれていましたが、程度の差こそあれ、この先もしばらくは透明化の流れが変わることはないように思いま

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芸術は作者の死によって完結する、のか?

芸術は作者の死によって完結する、のか?

昨日ピースオブケイクの加藤さんのnoteを読んでいて、毎週更新を楽しみにしている「コンテンツ会議」ってハッシュタグ(#コンテンツ会議)をつけて参加もできるのか!と気づき、参加してみたくなったので最近ちょうど「コンテンツ」について考えていたことをつらつら書いてみたいと思います。

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文字が書いてあればなんでも読みたがる活字中毒の私ですが、一番好んで読むのはいわゆる純文学と呼ばれるジャンルです

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