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本と映画と、エトセトラ。

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読んだ本・観た映画について気まぐれに。 (photo by tomoko morishige)
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2018年3月の記事一覧

「話していないこと」の方にこそ、意味がある。

「話していないこと」の方にこそ、意味がある。

私には、「聞かれても答えないこと」がたくさんある。

「聞かれるまで言わないこと」も、たくさんある。

大人になればなるほど、言ったことよりも言わなかったことの方に真実が隠れていることがある、と私は思う。

そう、それはまるで、素材を削ることによって彫刻作品が浮き出てくるように。

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なぜ年を重ねるにつれて人は、言葉によって核心に迫ることを避けるようになるのだろう。

「私とあなた」の関係

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希望と失望を繰り返して、それでも人生は進んでいく

希望と失望を繰り返して、それでも人生は進んでいく

その先には希望なんてない、とわかっていても、希望を持ち続けることでしか立っていられないときもある。

帰ってくることなんてないとわかっていても、もう一生まみえることはできなくなってしまったのかもしれないけれど、万にひとつ、0.0001%の確率で、もしかしたら。

その希望だけをたよりに持ちこたえている心の隙間は、いつか隙間ごと塗り替えられる日を待っている。

もう何もかも知っても大丈夫だと、その希

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私は将来、魔女になりたい。

私は将来、魔女になりたい。

中学生の頃、お年玉やお小遣いを切り詰めて買っていたお気に入りの漫画があった。

煌びやかなコスメカウンターと、 "デパートの魔女"と呼ばれる美容部員・高樹礼子がコスメを通して1人1人の女性を救うストーリー。

コスメカウンターなんて見たこともない田舎の中学生だった私は、「コスメの魔法」の世界にすっかり魅了された。

あれから10年以上経ち、化粧をすることは日常になってしまったけれど、漫画で描かれて

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恋人とか、パートナーっていうのは、きっと

彼氏やパートナーの有無を聞かれる時、私はいつもこう答えることにしている。

「いたり、いなかったり、ですかね。(笑)」

こう答えると、意外にもそのあと深掘りされない。

まあきっと、ただ単にこんな答え方をするやつは面倒だと思われているのだろうけど、自分自身の恋愛について突っ込まれる方が私にとっては面倒なので、今のところはこの言い方で通している。

というか、そもそも今もし私に彼氏がいたとして、そ

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物語だけがもつ、傷を癒す力

物語だけがもつ、傷を癒す力

小説や映画の好みには、おのずとその人の心の傷が反映される、と私は思っている。

それは好きな作品のあらすじが不倫だからといって不倫経験者というわけでもなく、明るいハッピーエンドの作品ばかりが好きだから順風満帆な人生を送っているというわけでもない。

設定ではなく、そこで書かれている感情の動きにどれだけ自分を重ねられる瞬間があるか。

それがあるコンテンツの好き嫌いを分けるものだと思っている。

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