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9/17 原油価格、ドル安とリビアの原油輸出の混乱により1週間の高値を記録

WTIに与える影響:

1. ドル安: ドル指数の下落が原油価格を押し上げる要因となっています。ドルが弱くなると、他の通貨を持つ国にとって原油が相対的に安くなるため、需要が増える可能性があります。

2. リビアの供給混乱: リビアの政治的混乱により原油輸出が減少し、世界的な供給が引き締まり、価格が上昇しています。

3. 中国の需要懸念: 中国の経済データが予想を下回ったことが、原油需要の減少に対する懸念を引き起こし、価格に下押し圧力をかけています。

WTIに関する結論:

WTI原油価格は、ドル安リビアの供給減少によってサポートされており、短期的には上昇トレンドが続く可能性があります。ただし、中国の経済減速が需要に対する懸念を引き起こしており、今後の価格動向には中国の経済状況が大きな影響を与えるでしょう。

ニュース内容↓

10月のWTI原油先物(CLV24)は、+1.19(+1.73%)の上昇で取引されています。また、10月のRBOBガソリン先物(RBV24)は+4.02(+2.085%)上昇しています。

本日、原油とガソリンの価格は1週間の高値を更新し、適度に上昇しました。ドル指数(DXY)が1週間ぶりの低水準に下落したことが、ほとんどの商品価格にとって強気の要因となっています。また、リビアからの原油輸出の混乱が世界的な供給の引き締まりを引き起こし、価格を支えています。ただし、中国の燃料需要に対する懸念もあり、これは本日の弱い経済報告を受けたものです。

リビアの原油供給の混乱は、国連主導の協議がリビア中央銀行の支配権をめぐる行き詰まりを解消できなかったため、世界的な供給を引き締めており、価格をサポートしています。リビアの原油輸出は先週、1日あたり314,000バレルに減少し、今月初めの468,000バレルから減少しました。リビア東部政府は、石油生産と輸出を停止するため、すべての油田、ターミナル、原油輸出施設に「不可抗力」を宣言しました。

一方、中国の経済指標は予想を下回り、世界第2位の原油消費国である中国の燃料需要に対する懸念を引き起こしています。8月の中国の工業生産は前年比+4.5%増で、市場予想の+4.7%を下回り、小売売上高も前年比+2.1%増と、予想の+2.5%を下回りました。さらに、新築住宅価格は-0.73%下落し、9年3/4ぶりの大幅な減少となりました。

世界的な原油供給の引き締まりも価格を押し上げています。Vortexaの報告によれば、少なくとも7日間停泊していたタンカーに貯蔵されていた原油は、9月13日までの1週間で-1.5%減少し、6,553万バレルに達しました。

9月5日にOPEC+は、原油価格の弱さと世界的なエネルギー需要の脆弱さを考慮し、10月と11月に予定されていた1日あたり180,000バレルの生産増加を一時停止することに同意しました。

ロシアの原油輸出の増加は原油にとってマイナス要因です。Bloombergのデータによると、ロシアの原油輸出は9月8日までの1週間で40,000バレル増加し、1日あたり314万バレルに達しました。一方、ロシアの原油生産の減少は原油価格にとってプラス要因です。ロシアのエネルギー省の報告によれば、8月の原油生産量は7月に比べて30,000バレル減少し、9,059万バレルでしたが、OPEC+との目標より81,000バレル上回っています。

9月6日時点の米国の原油在庫は、季節の5年間の平均を4.3%下回っており、ガソリン在庫は0.6%、ディスティレート在庫は8.6%下回っています。9月6日終了の週の米国原油生産量は1週間で変わらず、1日あたり1,330万バレルで、8月16日の過去最高の1,340万バレルに次いでいます。

ベーカーヒューズの報告によると、9月13日終了の週に米国の稼働中の石油掘削リグ数は5基増えて488基となり、7月19日の2年半ぶりの低水準477基をわずかに上回りました。米国の掘削リグ数は、2022年12月の4年ぶりの高水準627基から減少しています。


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