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カナダでフードバンクを利用して、日本の取組みも調べてみた

今日、初めてカナダでフードバンクを利用した。


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わずか3ドルのドネーションで、こんなに多くの食糧をもらうことができた。


オーストラリアで『OZ Harvest』という全品無料のスーパーマーケットに何度か足を運んだものの、お店がやっていなかったりして結局行けずじまいだった。

それをきっかけに、フードロスの観点から廃棄になる食材を無料でもらえるサービスがあるらしい、ということを知った。


そして、カナダに来てからFacebookコミュニティで情報収集しているうちに、フードバンクが利用できることを知った。

ただ、フードバンクって生活困窮者の人向けなのでは・・・と、一応貯金のある私たちが食費を浮かすために利用するのは気が引けるなぁと思い、少し様子を見ていた。


しかし現在、コロナウイルスのせいで仕事を失い、収入源が途絶えた私たち夫婦。

フードバンクを利用する資格に該当するのでは・・・?ということで、昨日団体に電話をかけて、本日取りに行くことに。

そんなわけで初めてフードバンクを使ったけど、想像以上の品数で驚いたし、とっても助かった。


今日の記事では、今回利用したフードバンクの利用手順や、日本のフードバンクについて紹介しようと思う。

フードバンク利用方法@カナダ

コメント 2020-04-10 122522

利用したい場合は事前に電話をする必要があり、その際に質問されることは、雇用状況など。

『ワーホリで来たけどコロナで仕事を失って収入がない』という旨を伝えたら、『状況は分かるわ。たくさんあるから楽しみにしてて!』と言われた。

また、必要な身分証明は、健康保険証・運転免許証・パスポートのいずれか。

とてもシンプルで、収入状況の裏を取られることもなく、性善説に基づいた自己申告制だった。


フードバンクとは


包装に傷みがあるなど品質には問題がないのに市場で売ることができなくなった商品を、企業から寄付を受けて生活困窮者などに配給する活動のこと。


1967年にアメリカ人の男性が、スーパーマーケットで大量に食料が廃棄されている一方で、貧困層には食料が行き届いていないことを知り、スーパーに掛け合い、フードバンクの前身となる『セントメアリーズフードバンク』を設立。

セントメアリーズというのは、倉庫を貸してくれた教会の名前に由来してるそう。

その後、『セカンドハーベスト』を設立、1980年には全世界にも活動が広がっていく。

セカンドハーベストとは、『すでに収穫された畑から2度目の収穫をする』という意味。

日本で初めて設立されたのは2002年。現在、日本国内には約80か所以上に団体が存在している。


日本のフードバンクの状況


2002年に、上智大学に留学していたアメリカ人男性が日本初のフードバンク団体を設立。

同年7月に東京都から特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受け、2004年からは団体名をセカンドハーベストジャパンとして活動している。

フードセーフティネットをより具体的に構築するため、対象の地域は東京都、神奈川県、埼玉県の3都道府県のみ

セカンドハーベストジャパンの歴史


また、公益財団法人日本フードバンク連盟があり、フードバンク活動を発展させるために、セカンドハーベストジャパンから派生して活動している団体。

ここに属している団体は以下の通り。

コメント 2020-04-10 124824

日本フードバンク連盟の歴史


セカンドハーベストジャパンが母体となって、首都圏のネットワーク構築を目指す『セカンドハーベストジャパン』と、その他の都道府県の団体を統括する『日本フードバンク連盟』が存在する。


注:Wikipediaによれば、全国80か所以上のフードバンク団体があるのだけど、日本フードバンク連盟に属するのは9団体のみ。その他は独自に活動しているのかどうかは、現時点の調べでは詳しく分かっていません。分かり次第補足します。


フードバンク利用方法@日本


セカンドハーベストジャパンのエリアである東京・神奈川・埼玉の各フードバンクは、1回目は案内状無しで利用が可能・2回目以降は行政窓口、社会福祉協議会、NPOなどの相談窓口から発行された案内状が必要。また、児童扶養手当またはマル親医療証を持っている場合は、案内状無しでも利用可能。


日本フードバンク連盟の管轄内の各フードバンクのホームページを見てみると、個人での受け取り方法は掲載がなかった。

児童養護福祉施設・障害者就労支援施設・女性シェルターなどの団体向けのところが多いみたい。


カナダのフードバンクは、個人でも簡単にアクセスできる環境に対して、日本のフードバンクは紹介状が必要だったり、各施設に配達されることが多いことが分かった。


また、コロナウイルスの影響を受けて、カナダではより一層活動が盛んになっている一方、日本のフードバンクは活動自粛をしている団体がほとんどのよう。

流行の具合の差にもよるけど、こんな時だからこそ必要な人に行き届くようになればいいなと思う。


フードバンクの意義


最後に、フードバンクの在り方について。


世界中で深刻な問題となっている『食料廃棄』。

食料自給率が低い日本は、輸入に頼る一方で年間のコメの生産量に値する量を毎年廃棄している。

家庭から出る食品ロス:200〜400万トン
企業から出る食品ロス:300〜400万トン


また、日本では約2000万人が貧困線以下で暮らしていて、6人に1人の割合となる。


さまざまな理由で廃棄されてしまう食料を、食べ物に困っている人や施設に届ける活動が、フードバンク。


受け取る人は食費を節約できて、寄付する企業にとっては廃棄にかかる費用を削減できたり、企業の社会的責任(CSR)を果たす社会貢献活動にも繋がる。

受け取る人と寄付する人にとってもメリットがあるうえに、地球環境にも良い影響を与えるフードバンク。


食事に困っている貧困層に行き届けることはもちろん大切だけど、いま私たちに必要なのは『足るを知る』マインドだと思う。

企業は必要な分だけ生産して、消費者のわたしたちは捨てるほど買い込まないことが大切。

コロナウイルスで買い込みをしてしまいがちだと思うけど、まず冷蔵庫の中やパントリーの中を見渡して、家にある食材をアレンジして料理すれば余分な買い物はしなくて済むはず。


こんな時だからこそ、いま全世界が直面しているフードロス問題を考えてみてはいかがでしょうか。


参考:セカンドハーベストジャパン日本フードバンク連盟

人生いろいろありますが、今しかできないことに挑戦していきます♩