スタートアップ企業が人事評価制度をアップデートした理由
こんにちは、株式会社Minto コーポレートデザイン部部長の青柳(@1Noriaki)です。コーポレート部門で、人事、広報、組織開発、労務の各分野を担当していて、主に採用広報のファーストタッチから、入社後の組織開発やカルチャーデザインに至るまで、全体的なアップデートを目指して日々奮闘しています。
さて、人事・組織開発についての記事も今回で4回目となりました。
直近でも「読みました!」というお声をたくさんの方からいただきまして、励みになっています。今後も定期的に発信していければと思っておりますので、ぜひ、過去の記事をまだ見ていない方はチェックしてみてください。
4回目のテーマは「人事評価」制度について
Mintoは2022年1月に経営統合をし、人事評価制度については経営統合直後にアップデート(Ver.2)をしました。当時の背景に興味を持ってくださった方はぜひ1回目の記事をチェックしてみてください.
今回の記事はあれから2年が経過してVer.3へアップデートしましたよ!というのがメインのお話となります。「なぜ変えたの?」「どうやって変えていったの?」など赤裸々に書いていきたいと思います。
前半では、Mintoの現在の人事評価制度の具体的な考え方や今回アップデートした理由を、後半では実際にどんなアップデートをしたのか、3つのポイントと今後の運用についてご紹介できればと思います。
1. Mintoの人事評価制度について
Mintoでは年2回(半年に1回)のサイクルで人事評価を実施しています。
現在の人事評価制度にアップデートして、約2年が経過したところです(評価としては4回サイクルを回した状態)
Mintoの人事評価では、
・会社の業績や成長に対して自身の目標達成を通じて貢献している
・能力の開発を通じて自身のキャリアを広げていくことができる
・組織創りに対して普段からコアバリューの体現を通じて貢献をしている
これらを体現している人を評価しています。
「MBO」「コアバリュー」「スキル」の3つの評価項目で評価を行い、
評価ウエイトは、4つの職種カテゴリー「ビジネス」「プロデュース」「クリエイター」「コーポレート」と等級に応じて配分しています。
○MBO評価(Management by Objectives)
個人、チームごとに設定した目標の達成度合いに応じて評価しています。
Mintoでは新規事業に取り組んでもらっているメンバーや自身の等級よりも難易度の高い目標に取り組んでもらっているメンバーも多く、高い目標にチャレンジしている人が不利にならないように、難易度設定を設けて目標の達成度合いを評価しています。
○コアバリュー評価
4つのコアバリューに関して、それぞれの評価基準(期待値)を設定し、
・誰に対して、適切にコアバリューが体現されているかの判断軸を等級ごとに設けることで、期待値を統一しています。
○スキル評価
「ビジネス」「プロデュース」「クリエイター」「コーポレート」の4つの職種をベースに、各部署や職種の特性に基づいて、部署×等級ごとの必要スキルを言語化しています。
等級が上がるにつれて、求められるスキルの内容も変化するようにデザインし、積み上げ式の評価として、成長の変化率を見れるようにしています。
2. アップデートした理由
今回Ver.2からVer.3へアップデートした理由は2つです。
理由1: 人数の増加
2年前のアップデート時(Ver.2)には、グループ全体(子会社含む)で57名の体制でしたが、現在は122名に達し、今期末には135名を予定しています。国内だけでも100名を超える組織へと成長しています。
理由2: 組織の変化
事業の成長に伴い、この2年間で人数だけではなく、組織体制も大きく変わりました。当初の組織体制は以下のような形でした。
5つの本部体制となり、部署や職種が増え、それぞれの部署で個性豊かなメンバーが日々活躍しています。
人が増えていけば、会社から求められるミッション・役割も多様化してきますし、新規事業が増えていけばその部署・職種に適した形にアップデートする必要があります。毎回、評価サイクルを終えると役員・部長陣と振り返りを行い、微調整を行っていたので、人事評価制度の課題が顕在化しているわけではありませんでしたが、事業成長に貢献したメンバーに対して適切な報酬を提供し、キャリア支援をさらに促進するため、人事評価制度をアップデートしました。
Mintoは、エンタメビジネスで、誰もやっていない事、他社が得意ではない事、日本の会社が苦手な事を、誰よりも速くバッターボックスに立ち、先行して経験を重ね、圧倒的にユニークな進化をしてきている会社です。チャレンジの数こそがMintoの強みだと思っています。
新しい人事評価制度では、各部署や職種で活躍するメンバーの多様性を尊重し、Mintoの強みを活かした仕組みを取り入れています。
アップデートして叶えること
今回のアップデート(Ver.3)で叶えることは3つです。
1.個々のキャリアパスの拡張と組織の成長の両立
会社の戦略やミッション、個人のキャリアを踏まえた最適なアサインの実現。詳細はこの後の「3.アップデートした3つのポイント」にまとめていますが、等級制度を2コース→4コースにしています。
2.職務内容・責任範囲の明確化
等級ごとの職務内容や責任範囲を明確にし、メンバーが自身の役割と期待される成果をより理解しやすいようにすることで目標と向き合いやすい環境を整えました。評価項目のウエイトや内容をアップデートしています。
3.非連続成長を目指したくなる報酬体系
事業成長に大きく貢献してくれたメンバーに対し、より報酬面での還元ができる制度にしました。具体的には、各等級ごとの上限年収を引き上げた報酬体系としています。
3.アップデートした3つのポイント
ここからは具体的にどのようなアップデートをしていったのかをご紹介していきます。
(1)等級制度
アップデート前(Ver.2)
「M マネジメント」「P プロフェッショナル」の2コース、等級は1〜6段階(サブ等級も含めると180通りに)を用意していました。
等級も1〜6の下にサブ等級が1〜3まで、ランクも10段階で設定していたので、積み上げ式スタイルとなっていました。
Mintoはメンバーのほとんどが中途入社です。組織が成長していく中で、等級=給与と紐付きすぎるようになり、等級と会社からのミッション・役割にズレが生じてきていました。
アップデート後(Ver.3)
新たに「 C チーフ」「M マネジメント」「S スペシャリスト」「P プレイヤー」の4つのコースを設定しました。
会社から求められるミッション・役割が多様化してきており、ミッション・役割に応じてコースの行き来ができるような等級設定、報酬設定にしています。こうすることで、「等級=給与」→「等級=ミッション・役割」へと転換していきました。
(2)評価比率
従来の評価軸(MBO/コアバリュー/スキル)は変えていませんが、
アップデート前(Ver.2)
4つの職種カテゴリー「ビジネス」「プロデュース」「クリエイター」「コーポレート」と等級に応じて評価ウエイトを配分していました。
アップデート後(Ver.3)
部署ごとに、等級に応じて評価ウエイトを配分しています。
事業フェーズや職種の特徴を加味して評価を行うことが目的です。
「 C チーフ」「M マネジメント」「S スペシャリスト」「P プレイヤー」の4つのコースごとでウエイトを配分したこと、決まったウエイトも事業のフェーズによって、半期ごとに見直しができるようにしています。
(3)スキル評価
アップデート前(Ver.2)
「M マネジメントコース」(主に部長・MGR)についても、4つの職種カテゴリー「ビジネス」「プロデュース」「クリエイター」「コーポレート」ごとにスキル評価の内容が違っておりましたが、
アップデート後(Ver.3)
「Mintoが求める部長・MGRとは」「Mintoにおけるスペシャリストとは」を言語化してルールブックを作成。今回からスキル評価にも、統一の項目として入れています。
4.まとめ
Mintoの「人事評価」制度はいかがでしたでしょうか。
事業・組織フェーズの変化に合わせ、2年ぶりに人事評価制度のアップデートをしました。とはいえ「これが100点の人事評価制度」ではありませんし、今後も事業・組織の成長に合わせた、そのときのMintoにとって最もベストな制度へのアップデートを続けていきたいと思っています。
このnoteを読んで少しでも多くの方に人事評価制度について考えるきっかけになっていたら幸いですし、意見交換をしてくれる方や、Mintoに興味を持ってカジュアルに面談を希望される方、お気軽にご連絡いただけると嬉しいです。
そして、様々なポジションでの新しい仲間も引き続き募集中です。
詳細は以下のリンクからご確認ください。
また、Mintoに入ったメンバーのインタビュー記事でもチームの雰囲気が感じられるので、ぜひチェックしてみてください。
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皆さまとの出会いを、心より楽しみにしております。