1日を楽しく始めるための歌をつくりたいと思った
<ムービージュークボックス8>
世界一歌われている、替え歌の話です。
2人の幼稚園の先生、ヒル姉妹が、1日を楽しく始めるための歌をつくりたいと考えていました。
子供たちが覚えやすく、一緒に歌いたくなるような歌をつくろう。
妹パティが、やさしい歌詞を、姉ミルドレッドが、それにメロディをつけた。
♪グッド・モーニング・ツー・ユー
グッド・モーニング・ツー・ユー
グッド・モーニング・ディア・チルドレン
グッド・モーニング・ツー・ユー♪
”あなたに、おはよう〜”と子供が、元気になるような明るい歌。
太陽が射してくるような、なにかいいことが起こりそうな気分にしてくれる
グッドモーニング・ソングができあがりました。
1893年には、幼稚園児向けのソングブックとして、ヒル姉妹が出版。
31年後の1924年、このグッドモーニング・ソングが、ロバート・コールマンが編集したソングブックに、収録されました。
しかも、作者に無断で、歌詞の1番がグッドモーニング・ソングで、2番が替え歌で(私たちがいま知っている)ハッピーバースデイ・ソングになっていたようです。
そのとき、ヒル姉妹は、当然クレームをつけるべきだったのですが、「私たちは、歌でお金を儲けようとは考えてなかったので、いいかなと」。のんびりした時代でした。
盗用したソングブックの編集者コールマンも、替え歌に著作権はあり得ないと、作者不詳にしました(おそらく、彼が替え歌の作詞家だったと思われます)。
しかし、事態は急を告げます。1933年、ブロードウエイのミュージカルでこの楽曲が使われ、みんなに知られるようになり、いちやくポピュラーになりました。
これまで何もしていなかったヒル姉妹3番目の末っ子ジェシカは、黙っていなかった。「お姉さんたちは呑気なんだから」と、訴訟を起こし、勝訴。
1948年に著作権が消滅するまで、姉たちはジェシカに感謝することになりました。
しかし、著作権消滅後も、ワーナーミュージックには、楽曲使用料が続々振り込まれ、これほど多くの会社が間違えるわけないと、すべて受け取っていました。
65年間徴収した2013年に、「著作権が消滅してるのに払わされるのはおかしい」と、ちゃんと気がついた人がクレーム。間違って受け取っていたことに気づきました。
ワーナーミュージックが、その間の著作権収入、1,400万ドルを支払各社に全額返済。
無料で楽曲を楽しめるようになって、みんなハッピーです。
マリリンに替え歌の紹介を:
年に一度の♪ハッピーバースデーと、毎朝の♪グッドモーニング・ツー・ユウを、先生や親から聞けるのもいいと思います。
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