QPフレア回復システム

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39話 シャンプーを買ってきます。

「今さら言われても遅いんですけどー」 「今さら言われても遅いんですけどー」 「今さら言われても遅いんですけどー」 「お客様、どういたしました?」 「今さら言われても遅いんですけどー」 「あとの祭りなんですけどー」 「あとあと押し寄せてくるんですけどー」 「お客様、会計550円になります」 「今さら言われても遅いんですけどー」 「今さら言われても遅いんですけどー」 「今さら言われても遅いんですけどー」 「ホー」 「一緒に言って下さい」 「はい?」 「ハモって下さ

    • 38話 GUM

      ピンチくんが寝そべりながら言った。 「あれ? こんなところにガムあんじゃん」 パク。 モグモグモグ。 「あれ? ちょー待って。これガムじゃない。 なんか違う。ガムじゃない」 「マジ!? じゃあなに?」 「ちょっと待って」 。。。。。。。。。。。。。。。 「あ、ガムだったわ」 「最初、ガムだと思って口に運んで、あれ? なんか変。 ガムじゃないかもしれないって思って、 もう一度よくよく確認したら、ガムだったってことか」 「そうそう! 最初、ガムだと思って口に運

      • 37話 途中感

        「そんなことがあったのね」 「それに対してなんて言えば良いの? なんて言うのが正解なんだ?」 「それはキツイな。とか?」 レインコートくんがおもむろに口を開く。 「噓なんだけどね」 「噓?なんで?」 菅原さんがここぞとばかりに口を挟む。 「わかった!キュピオくんが嬉しそうに話しているから嫉妬して寝技に持ち込んで、グダグダさせようとしたんじゃね?」 レインコートくんが言う。 「菅原さん。全然違います」 菅原さんが言う。 「全然違うのかー」 レインコートくんが言う

        • 36話 空中分解

          レインコートくんがおもむろに口を開いた。 『10代20代の若い頃ってさ、人と一緒になにか好きなことをやるってさ。。。 バンドとか、まあぶつかるんだ。音楽のことでぶつかってるはずなのに、何でぶつかってるのかわかんなくなる。段々楽しかったことが楽しくなくなっていくんだ。 曲作ってるのおれなのに、手柄横取りすんなよ。とかさ、おれの方がセンスあるから上、とかさ。本質からどんどんずれていくんだ』 『うんうん10代20代の頃の話ね』 『うーん。いつも始まる前の話なんだよね。下らない

          35話 原点回帰

          朝、紅茶を飲み、煙草を吸いながらタルトくんがおもむろに口を開いた。 「今まで色々話してきたけどさ、 最初の、この会のコンセプト、みんな覚えてる?」 あかねさんが 「まあ、なんとなくは」 と、なんとなく相槌を打つ。 タルトくんがつづける。 「面白いって2種類あってややこしいな、って事だったよね、最初。 笑う面白い、と、興味深い充実系の面白い。があって、 それがバチコン重なった時、その状態、その現象を 『フレア』と呼ぶか『パルス』と呼ぶか、 そのほかにもなに

          34話 作者と池本

          「統合失調症です」 「まだやってたのか」 「統合失調症です」 「もういいっつの」 「統合失調症です」 「ドクターまだか」 「統合失調症です」 「心折れんな」 「統合失調症です」 「持ち直すな」 「統合失調症です」 「イントネーションを変えて言うな」 「統合失調症です」 「工夫すな」 「統合失調症です」 「マイクを持ち出すな」 「統合失調症です」 「マイクロフォン越しに言うな」 「統合失調症です」 「声にエフェクターをかけるな」 「統合失調症です」 「ギター弾きながら言うな」

          33話 島崎のブレイン

          「何読んでるの」 「ブチギレ小説」 「どういうの」 「ほら。。。でも読む前に言っておくけど、ブチギレしょうせつ、じゃなくて、ブチギレじょうせつって読んだ方がなんとなく読みやすいよ」 「濁るタイプの?」 「そうそう、頭になにかくっ付けることによって、濁っていくタイプの」 「作家なら、マジギレザッカとか、会社ならブラックガイシャとか、箪笥なら、オレンジダンスとかそういうタイプの」 「そういう意味でのブチギレじょうせつか」 「そう、そういう意味でのブチギレじょうせつ

          33話 島崎のブレイン

          第32章 裏フレア

          面白くないって2種類あって、ややこしいな。 笑えない面白くないと、虚無感しか残らないような不毛系(?)の、 面白くないがある。 はからずもその両方がバチコン重なった時、 それを味わってしまった時、 おれはこの感じ、この現象を「裏フレア」と呼ぶか「裏パルス」と呼ぶか、それ以外にもなにか、しっくりくる、ピンとくる言葉がないかと、 トイレの便器に座りもせず、用を足すことすら忘却し、考え込んでいた。トイレから出て、椅子に戻ってからも、まだ考えていた。 現時点で言えることは、 まあ

          第31章 ツートップ

          「今日は天才とカリスマを決めたいと思います。 ツートップで、より強固な集団にしていきます。 我こそは、と言う人は挙手して下さい。 推薦でも良いです」 デシャ・バリ子が言った。 「天才はフツウくん、  カリスマはヘイ・ボンくんが言いと思います」 フツウくんが言った。 「なんていうか、濡れ衣とか寝耳に水だわ」 「それなんか惜しいけど、絶妙にに違う」 「天才が言えばカッコイイと思ってしまう」 「あえて外してんだろってなるわ」 オリ・ハルコンさんが言った。 「他にいなけれ

          第30章 it’s a ganjigarame

          ガンジ・ガラメくんが泣き喚いた。 「何をどうすればいいんだ!?  何をどうすればいいんだ!?」 スーパーパニックちゃんが言った。 「スーパーパニック スーパーパニック スーパーパニックちゃん!」 あわて ふためき郎が言った。 「落ち着こう。 とりあえず、部屋中ガソリン撒いて、火ぃ点けるべ」 てんやわんや坊やが言った。 「鳴かぬなら、燃やしてしまおう、ホトドギス」 ガンジ・ガラメくんが言った。 「積み上げて積み上げて、最終的に壊す。 この工程が分かりきってるから、ヤル気

          第30章 it’s a ganjigarame

          第29章 副キャプテン誕生

          トランポリン北澤がいつになく神妙な面持ちで言った。 「おれ、みんなの話聞いてて思ったんだけどさ。。。 おれはみんな程ストレス感じるタイプでもないし、 みんなそこまでキツイのかーって思いながら聞いてたんだ。 特に印象に残ってるのが、 『良いことあったとしても、地獄へのフリにしか思えない』みたいなこと誰かが言ってたと思うんだけど、 今おれさ、チョコレートパフェ食べてるじゃん? 今おれ、このチョコレートパフェ、凄く美味しいんだ。 幸せなんだ、今この瞬間。 でさ、明日地球に隕石が落

          第29章 副キャプテン誕生

          第28章 鬼ストレス、解放祭り

          「おれ、本当はさ、毎秒気分が滅入ってて気分が悪くて、立ち上がることさえ、ギリなんだ。 全く笑う気になんてならないし、どっちかというと、なにやっても全体的にアホらしいんだ」 「マジでヤダわ、生きることはあまりに辛い」 「おれはこのまま醜態を晒して、恥の上塗りをして、 なんか違うよな、なにもかも違うよな、 と思いながらも、でも黙って座ってるのも苦痛だから、 何かやってしまって、ただそれを繰り返していくだけなんだ」 「希望なんかあるわけねぇ。良い事あったとしても、ぬか喜びで、

          第28章 鬼ストレス、解放祭り

          第27章 All apologies

          「今日はテレビ制作をしましょう。 マネーの虎のパロディーです」 「是非やりましょう」 なぜかこの日は不思議と一体感があった。 それぞれ役を決め、見切り発車で始まった。 「ノーマネーでフィニッシュです」 吉田D作が言った。 それを受けて、チャレンジャーの佐川さんが言った。 「ド畜生!来た意味ねぇ!!もう知らん! 右の社長から順番に思いっきりビンタしていく!!!」 バチコン!!!!! 「痛ぇ!想像してた四倍くらい痛ぇ」 バチコン!!!!! 「エグ!!!ここま

          第26章 謎の液体

          キッチンからコンドリア博士が戻ってきて言った。 「分からない液体と、分からない色んな物を混ぜ合わせて、 紫色の謎のジュースを作ったので、誰か飲んでみたいという猛者はいませんか?」 みんなが言う。 「勘弁してちょうよ」 オリ・ハルコンさんが言う。 「せっかくだから、ルーレットで決めましょう」 みんな、気が乗らないまま オリ・ハルコンさんがルーレットを回した。 「ピンチくんに決定!」 「おれかー。 マジかよ」 みんな固唾を飲んで見守る。 「飲むよ」 ドキドキドキ

          第25章 血まみれツヨシ

          僕の名前は血まみれツヨシ。 いつだって傷だらけなんだ。 でも僕には特殊能力があって、 何もしなくても驚異的な速さで どんどん回復していくんだ。 しかも僕はディフェンスのやり方を知らないんだ。 常に無防備。 ノーガードで打ち合うか、 ひたすらクリンチするだけなんだ。 そんな僕を見て、ほとんどの人が勘違いするんだ。 コイツはすぐに回復するから放っといても平気、 多少攻撃したり、蔑ろにしてても、関係ない。 でも違うんだ。 痛いのはみんなと同じくらい痛いんだ。 現にこの部屋に来てから

          第25章 血まみれツヨシ

          第24章 夕暮れのバグ

          曇り空。夕暮れの公園のベンチ。 おれは自問自答した。 「激ムズだ。よく考えてみれば、『面白い』をテーマに物語書くなんて、1番難しいわ。 苦しい。本末転倒だっけや。ヤバい。ムリかも」 オリ・ハルコンさんが耳元で囁く。 「あなたがそんなことでどうするの? あなたがやめたら、わたしたちはどうなるの? ワニ味噌だれ鬼おんシューティングにハマってるトクちゃんや、序盤で撃たれて死んだトランポリン北澤の気持ち考えてみてよ」 「トクちゃん? トクちゃんはおれ知らない人だわ。 いつ現れて、

          第24章 夕暮れのバグ