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[詩] 霜柱  第42幕

北風 ぴゅうぴゅう 吹きすさぶ

寒い冬の日

まだ お日様 お目めを さます前

頭に 茶色の 土の帽子を かぶった 氷の柱たち

よっこらせと 掛け声かけ合い

足を 踏ん張り 手を 振り上げて

重い 土を 持ち上げていく

上がった 上がった 頭の はるか 上まで

土を 持ち上げていく


どうだい 僕は 力持ちだろう

えへん と 自信満々 自分を 誇る


霜柱しもばしらは 垂直に 土を 持ち上げる

けれども 石は 上げられない

あ〜あ もう少しで 上がりそうなんだけど

まだまだ 力不足に シュンと こうべを垂れる


だけど 気を 取り直して

次の 土も 持ち上げていく


とうとう すべての 土を 持ち上げ

満足げに 休憩する


お日様 お目めを 醒す頃

長靴 履いた 子供が 一人

庭に 霜柱を 見つける

キラキラ 光る 霜柱を

興味深めに 見ていたが

霜柱の 上に 乗り出した

ザクザク ザクザク 歩き出した

その感触に 満面の笑みを 浮かべ

庭の 霜柱を 踏んでいく

しばらく 歩くと 飽きたのか

家の中へと 入っていった



お日様 グングン 登っていき

まぶしい 光が 射してくる

ぬくぬく 暖かく なった頃

霜柱は 手を 縮め 座り出す


しばらく そのままで いたけれど

霜柱は 静かに 横になる

身体は いつしか 溶けていく

いつの間にか 眠りに 落ちていく


表題の写真は、みんなのギャラリーから hiro2logさんの写真をお借りしました。ありがとうございました。

いつも ご覧いただきまして ありがとうございます。
また スキやファロー コメントなどをいただきまして ありがとうございます。
では また次のnoteでお会いしましょう。

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