ニューロンはバグるのか(傾向と対策)9. 現代医学と私

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神経内科でも最初にまとめて検査をしました。
まず両手両足の筋力テストが行われたのですが、それはそれは見事に左側だけ低い結果となりました。
今回の一連の件で色々な検査をしてきた中で具体的に悪い結果が出たのはこれがはじめてだったので、やっと症状が医学的に認められたという謎の安心感が半分、ならばどうすればいいのか教えてほしいという悲しみが半分、といった気分になりました。

MRIも再び撮りました。またしても最高のノイズ体験でしたが、機械自体の差なのか、はたまた撮影方法の違いなのか、前回よりもかなり短めの時間で終わってしまい拍子抜けでした。もっと聴きたかったです……。

結果発表の日。先生から検査の結果が細かく、それはそれは細かく告げられました。そして、その一言は突然に、かなりサラッと放たれたのです。

「現代の医学ではわかりません」

はい?????

未だかつて、こんなにも大規模な匙投げ宣言があったでしょうか。少なくとも私ははじめて聞きました。
しかも、続きもありました。

「脳細胞が細胞単位でおかしくなっている、そういった可能性はありますが、もしそうだとしても見つける術も治す術もありません」

ここまで聞いてようやく「どうやら真摯にご対応頂いているようだ」と実感しました。ちょっと疑ってごめんなさい。しかし、それでもあまりに衝撃的すぎたため、口からは
「あっ、そうですか……ありがとうございました……」
という言葉しか出なかったのでした。

先の発言を受け、1時間以上かけて帰る道中で色々と考えてみたところ、どうにか上手いことまとめることができました。
「脳味噌がバグっている」
「(現時点では)治せない」
以上。
文字にするとなかなかに重い話のような気もしますが、本人としては「ようやく決着がついた」という安堵の気持ちのほうが大きかったので、さほどショックは受けませんでした。

さて。今回の結果により神経内科でできることはなくなってしまったので、私のカルテは再び心療内科に戻されました。ある意味「詰んだ」状態になった私が次に考えたのは、福祉のことでした。治せないのは承知していましたが、しかし杖は手放せないしパソコンのショートカットキーを押すのもなかなか大変だし耳はおかしいままだし目も見えづらいわけです。それは事実なのです。医療費も既にかなり多くかかっています。この状態のまま今後も数十年にわたり生きていくことになると思うので、さすがに介護とまではいかなくても、何らかの支援がほしいと思ったのです。
で、それを心療内科の先生に相談したところ、
「では精神科に」
また転科ですかそうですか……と言いたくなるところですが、実は福祉の支援を受けるのに必要な専用診断書を書けるのは国で定められたお医者さんだけなんだそうで、この心療内科の先生はそうでないんだそうで、精神科には書けるお医者さんがいるからそちらで相談してみたほうが良いとの説明がありまして、全力で納得したのでした。

ということで、メンヘラじゃないのに精神科に行ってみることになりました。心療内科の時点でも精神的ハードルはわりと高かったのですが、しかし今回は逆に「ここまできてしまったなら徹底的に!」という気持ちになっていました。

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