ニューロンはバグるのか(傾向と対策)11. 転換性障害

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紹介して頂いて通うことにした新しい病院は、X大病院よりはずっと家から近くて、最寄り駅からも徒歩数分で、建物自体が新しめで、内装も清潔感があって、待合室にはうっすらクラシック音楽が流れている……のにやっぱりやたら静かで緊張感があるのは同じでした。精神科はどこもそうなのか、たまたま2ヶ所連続でそうだっただけなのかはわかりませんが。ちなみに何度通っても印象は変わっていません。今のところ。

受付を済ませ、紹介状も渡し、問診票もバッチリ記入し、いざ呼ばれて診察室に入ると、初対面の先生の第一声
「あ、杖ついてるんですね」
問診票にちゃんと書いたじゃないですかーーー!笑
その瞬間に確信しました。この先生とは上手くやっていけるんじゃないかと。長いお付き合いになると思うので、とても良いことです。

で、それまでの経緯を説明し、福祉関係のことは転院先で聞いてみてと言われたということもお話しし、症状の諸々のヒアリングも済ませたところで、先生からごっそりアドバイスを頂きました。
まず、私が受けられる支援は2つあると。
ひとつは、自立支援医療制度。通院の際の医療費の補助。
もうひとつは、精神障害者保健福祉手帳。身体障害者手帳の精神障害バージョン。
曰く、自立支援のほうは「まず(審査は)通るので大丈夫です」、手帳のほうは「ちょっとやってみないとなんとも」。
わかってはいましたが、明らかに身体にだけ影響が出ていて、明らかにメンヘラではないとわかっていても、器質的に問題がないと判断されれば通う病院は精神科なわけで、福祉の支援もそっちの方面になるわけで、正直なところ未だに少々複雑ではありますが、でも金銭的にも左半身的にも支援が必要なのは間違いないわけです。ので、そこは素直に従うことにしました。

福祉の支援を受けるにはお役所への申請が必要です。申請をするには診断書が必要です。しかも、手帳を申請するにはそれ専用の書式があり、さらに、X大病院で聞いた通り、書ける資格のあるお医者さんも決まっています。新しい病院の先生は資格をお持ちなので、頂いたアドバイスに全力で乗る形で全部お願いしました。
診断書が出るということは、病名があるということです。発生から1年8ヶ月、「現代の医学ではわかりません」と言われた私のこの症状にも、やっと名前がつきました。

「転換性障害(身体表現性障害・身体症状症)」

実はこの病名、自分で調べてみた時にも頻繁に出てきていて、薄々「もしかしてこれでは」と思っていたので、ある意味大正解だったということになります。しかし、ストレスが原因だと考えられているらしく、そのあたりは身に覚えがないので、先生にそう言ってみると
「昔のストレスが蓄積されてることもありますからね」
なんと……左様でございますか……。

ここまでの診察や検査の結果をまとめると
「知らぬ間にストレスが蓄積された結果、脳味噌がバグった。人はそれを転換性障害と呼ぶ。治療法はない」
症状としては
「左半身全体に軽度の麻痺。歩行時に杖が必要。左耳の一部聞こえず。左目の見えかたに難が出てきた」
ということになります。
本人は積極的に面白がっています。意外と、そんなものです。

ちなみに、なんとなく一応聞いてみました。
「先生、でも、私、メンヘラじゃないと思うんですけど」
「そうですね、私もそう思います」
ですよねー。笑

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