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1024「魯肉飯 or DIE」

おととい受けた健康診断の結果がまあまあ極悪で、どう極悪なのかというと、以前発症一歩手前で激ヤセに成功して回避した糖尿病が、まあもうこれは完全に来ちゃったかなというレベルでいい数値になってしまっていた。もうこれは自覚的に不摂生をしていたので仕方なくて、しかし死ぬのは嫌なので、「もう世の中の美味しいものは全部食ったからもう糖質全部断って痩せて筋トレして生命を維持しよう」ということにした。糖質制限は一度やって絶大な効果を得たことがあるが、まあそのままリバウンドすると大変なことになる。ので、もう糖質制限で痩せるのはやめようとか思っていたが、糖尿病になってしまうと話は違って、現実的に糖質制限は直接の効果があるので、結局は糖質制限ということになる。幸い肉は食えるし酒は飲めるわけなのでまあいいやと思っているし、検査したことである種の摂食障害的生活をシャットダウンするきっかけになったわけで、結果良かったのではないかと思う。しばらく節制して数値が下がると良いけれど。

節制は悪いことばかりではないことを私は知っている。急激に痩せたり急激に太ったりをするタイプなので、わりとちゃんと痩せている状態と太っている状態がどんな感じなのかをリアルに比較できる。

まず、どうしたって痩せる。痩せると自己肯定感は上がるし、人と積極的に会うようになる。太っていると、「こんなデブヒゲハゲメガネと話さないといけないこの人は大変だなあ」とか思って、申し訳なく思ってしまう。痩せることで、デブヒゲハゲメガネがヒゲハゲメガネになるのでいくぶんかマシだ。

酒がうまくなる。味覚というものや香りというものに対して感覚が豊かになるので、たとえば芋焼酎の豊かな芋の香り、とかそういうものが鼻腔に沁みる感じになる。実際私が焼酎を飲めるようになったのは前回30kg痩せたときだった。そのときはそのときで、酒を飲みすぎてアル中っぽくなってしまったが、それは、痩せるとまじで酒がうまくなるからということでもある。

サウナでととのいやすくなる。そもそもの新陳代謝が良い状態になり、神経バランス的にもそもそもととのい気味な感じになっていくので、サウナ室に長時間入ることもできるし、水風呂に長時間入ることもできる。そしてその後の酩酊効果もぜんぜん違う。たぶん。

妻が優しくなる。確かに前回痩せたときは比較的優しくなった気がする。

ビジョンがはっきりする。目に入ってくるものの認知がしっかりする。身体がゆるんでいると、自分の目からの認知がゆるんでくる。身体や筋肉だけではなく、神経みたいなものも緩むのだなあと思う。

そして、節制するのはものすごく簡単だ。まだ身体に回復力が残っているのなら、健康そうなことばかりして、不健康なことを何もしなければ身体のコンディションは戻っていく。

厄介なのは、どうしても、「人間に生まれたんだから不健康権というか愚行権を行使する権利があるはずだ」とか、愚行気味な人はかっこいい、と思ってしまう自分の価値観だ。

勝新太郎がガンになったときの会見でタバコを喫っていたのとか、非常に好きだ。バカラで100億円溶かした大王製紙の井川元会長とか、本当に最高だなと思う。人間に生まれてきたんだから堕落しなきゃ損だよ、というのは基本的な思いとしてある。

健康や生活を害するから堕落というのかもしれないから、「健康的に堕落する」ことが可能なのかどうかはわからないが、どうせ真面目に仕事をしてしまっているし、ちゃんとした家庭もあるのだから、中途半端に堕落するのも勿体ないなと思う。

しかし私の前には2週間後、恐ろしいイベントが待っている。それは「台湾出張」だ。あの島は、島全体が糖質でできているような、食い物ワンダーランドであり、魯肉飯国家であるから、糖尿病患者にはいきなり非常にハードルが高い。魯肉飯 or DIE、を突きつけられる。今から考えるだけで辛くなってくるが、まあ死にたくないので食わないのだろう。

治ると良いけれど、治るんだろうか。

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