1212「力士に例えるならば」

今日はBASSDRUMの総会だった。BASSDRUMは私がやっている会社・コミュニティで、基本的にテクニカルディレクターという職業の人間だけが集まってテクニカルディレクションという仕事をするテクニカルディレクターの集まりだ。
で、その総会というのは、内外のテクニカルディレクターの皆さんを集めてテクニカルの話をする会だ。この職業はデジタル技術に関する職業なので、技術の話になる。

詳しく説明しだすと面倒くさくなってくるので割愛するが、力士に例えるならば、力士の方々が、相撲部屋をつくって、部屋内外の力士を呼んで、みんなで相撲の話をする会、みたいなものだ。

みんな好きで仕事をやっているので、自然盛り上がる。

この総会という「同じ職業どうしでいろいろ話そうぜ」というものは、今のところ会社ちゃんと始めて以来毎月行われていて、はや4回目だ。

いつもは会社の会議室でやっているが、今回は年末だし会議室飽きたしそもそも会議室空いてなかったので、カラオケボックスのでかい部屋で開催した。

渋谷のパセラの一室に詰め込まれる微妙な空気を漂わせた男たち(この職業をやっている女性が今のところ周りにあまりいなくて、この会は完全にもんわりした男子会と化している)が、もんわりとした空気の中、技術について語り続ける。5時間くらいに渡って語り続ける。

職業柄なのか、宴会で積極的に盛り上がる人は誰もいない、いなくもないが空気としてそうならない。カラオケボックスなので、酒も食い物も出てくるが、みんな、とても専門的な話を食い入るようにもわーっと聞いている。

誤解なきように言っておくと、この会には日本を代表するテクニカルディレクターの方々が集まっていて、正直仕切っている私自身からしても、わかる人からしたら相当な価値のある話を聞ける会だと思う。なので、食い入るようにもわーっと聞く価値はあるのだ。

力士に例えるならば、白鵬も稀勢の里も、豪栄道も栃ノ心も、力士界をリードする力士たちが狭いカラオケボックスに詰まり切って汗をかいているという状況だ。そこにいるのは全員力士だ。

そして、我が、BASSDRUMの総会においては、そこにいるのは全員テクニカルディレクターなのだ。

みんな夢中で聞いている上に、密閉されたカラオケボックスなので、めちゃくちゃ空気が悪い。12月12日にして、今年一番空気の悪い空間だったと思う。

しかしこの会は、もわーっとはしているし、エモーショナルな盛り上がりはほとんどないが、もう本当にめっちゃくちゃに楽しい。
憧れの同業者の話を肴に、好きな仕事の知識を共有し、静かに興奮し、同業者の素晴らし過ぎるプロ意識に刺激を受け、ときに打ちのめされる。
そこにはいい奴も嫌な奴もいなくて、「素晴らしい同業者」しかいない。

そもそも、テクニカルディレクターなんてそんなにたくさんいない職業なので、私たちは常に孤独だ。しかし、そんな、同じ職業の仲間と知識と経験と仕事と機材を共有する。そうやって、テクニカルディレクターという職業を盛り上げる。

力士に例えるならば、相撲大好きな力士が集まって、四股の踏み方からまわしの取り方から、撞木反りのコツにいたるまで、知識と経験を共有し、みんなで相撲界を盛り上げるということだ。

同じ職業というのはいい。

力士に例えるならば、相撲最高だ。

みんなにも読んでほしいですか?

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