見出し画像

1229「私は眞子さんが心配なんだよ」

先述の通り、ここのところニューヨークから東京に帰ってきている。

東京は自分の故郷であるので、8年も離れていると、目の当たりにするさまざまな事象が郷愁を誘ってくる。故郷の匂い、故郷の音、故郷の風景、故郷の味。ずっと離れていた故郷は、五感から自分の中の「日本人」をくすぐってくる。

昨年などは、COVIDからのBlack Lives Matterのダブルヘッダーで本当に本当に大変だった時期のニューヨークを過ごしてからの一時帰国だったので、通常あり得ないレベルで日本的なものに敏感になってしまって、ずっと感動していた気がする。渋谷を歩いていて、「バーニラ、バニラ高収入〜」というあれが聴こえてきたときに、ちょっとウルっとなってしまった際は、さすがに自分は完全にバグってるなと思ったものだ。余談だが、バニラトラックのプラモデルというものがある。世の中は本当に多様性に満ち溢れていて素晴らしいなと思う。

で、7月から東京に帰ってきているわけだが、それはすなわち、眞子さまというか、今は小室眞子さんなのか、あの方と入れ違いにニューヨークを出ているということになる。

眞子さんのご結婚には毀誉褒貶あるんだろうけど、私は外野がどうこう言うのはウンコだと思っている。誰が誰と結婚しようが自由に決まっているし、好きで皇室に生まれたわけでは無いでしょうし、好きで税金で暮らしていたわけでも無いでしょうし。サウナのテレビかなんかでどこぞの民放のワイドショーで坂上忍とか高橋英樹の娘とかが小室さんと眞子さんの会見にああだこうだいちゃもんをつけていたけれど、もう本当に子供にああいうの見せたくない。ああいうものを公共の電波で垂れ流しにしないで欲しい。X指定にすべきですよあんなのは。

ただ、しかし、ニューヨークに移住した先人としてはとても心配ではある。私は37年間東京の民草の中で暮らした後にニューヨークに移住したのだからまあどうにかこうにかやってきたわけだが、眞子さんはいきなり東京すっ飛ばしてニューヨークだ。

東京というか、日本での暮らしと、ニューヨークでの暮らしを両方経験した身からすると、東京の生活は完全にイージーモードだ。それに比してニューヨークの生活は完全にハードモードだ。太鼓の達人のハードモードのあの意味わかんないくらい叩かないといけない感じだ。

そんなわけで今日は、眞子さんへの心配を肴?にしつつ、ニューヨークで生活することがどのくらいハードモードなのか、ということを、特徴的な事象を紹介しながら記録していくことにする。


物価と家賃と医療

まずは基本的なところで、これはいろんな人が言及していることだが、物価は高い。一風堂のラーメンがチップ入れると2,500円くらいするんじゃなかろうか。一蘭もそのくらいしたような気がする。味集中カウンターはニューヨーク店でも健在だ。

家賃は肌感覚では東京の2.5倍くらい。報道されている通り、ある程度収入がないと無理だ。医療制度は絶望的に破綻している。保険入ってないで歯医者に行くと50万円くらいの請求が来たりする。保険は家族が多いと月に数十万かかり、それに入っておかないと風邪ひいても迂闊に病院に行けない。


洗濯機置けない

ニューヨークのアパートはよほど高いところじゃない限り基本的に洗濯機を置けない。報道されているレベルのお2人の収入だと、まずもって洗濯機は置けないだろう。

高等テクニックとして、「無理して風呂の水道に繋いで部屋に置く」という方法があって、うちもそれをやっているクチだが、半年に一回くらいホースが外れて家が水浸しになる。


大麻

個人的には否定も肯定もしないが、ニューヨークにおいて大麻は合法だ。いや、合法化する前から全然みんな吸っていた。ひどいケースだと、リモートで打ち合わせした際にマリファナ吸って楽しくアイデア出ししている奴とかすらいる

ゆえに、街中そこかしこがマリファナくさい。日本で普通に暮らしていると、何がマリファナ臭いのかとかよくわからないと思うが、ニューヨークで生まれ育ったうちの次男(7歳)は、街でマリファナの匂いがすると「大麻くせえな」と悪態をついたりする。

合法だから良いんでしょうけど、眞子さんもきっと、「なんだろうこの変なにおいは」と思っているに違いない。


舌打ち

薬局の店員さんとか、病院の受付の人とか、役所の係の人とか、いろんな人が舌打ちする。特に、我々日本人は英語のアクセントも独特だし、たまに意思がうまく伝わらないと、イライラし始めて怒ったりする。多くの人はこっちの言語不満足な感じを忖度してくれないし、めっちゃ舌打ちする。

眞子さんは今まで人に舌打ちされたことがあるのだろうか。あったとしても、毎日生活の中で他人に舌打ちされることはなかっただろう。


ベッドバグ

ニューヨークの家は、運が悪いと南京虫=ベッドバグが発生する。ベッドバグは駅の木のベンチとか、路傍の粗大ゴミとか、学校のロッカーとか、いろんなところに偏在していて、自分の感覚だとニューヨーク民の3割くらいはベッドバグを経験しているように思える。

で、ベッドバグが発生すると、建物中大騒ぎになって部屋が閉鎖されたり、荷物を洗浄したり焼いたりする羽目になったりする。自分らのせいではないのに大家とも揉める。

殺虫業者が来て多額の請求をされるが、全然ちゃんとやってくれないので、帰った後に自分たちでちゃんとやる羽目になる

あれは皇室の方じゃなくても泣くだろう。ちなみにうちは2回やってます。ベッドバグが出た日の、あの錆びた鉄を噛み締めているような嫌な感じは筆舌に尽くし難い。

ベッドバグ発生については過去記事を書いているので是非お読みください。


水道を直してくれない

家の台所の水道、お湯を出すとなんか変な臭いがしたんですよ。腐敗臭に近い。浄水しても臭いが取れない。なので、臭いがしない、風呂場の水道から水を汲んできて炊事に使うというQOLの低い状態が続いていた。

さすがに不便なので、しょうがないので水道屋を呼んで、直してもらうことにした。

水道屋が来て、チェックをし始めた。しかし「いや、俺全然臭わないわ。問題ないと思うよ。ごめんね。頑張って。」と言って何もせずに帰っていった。そして100ドル請求された


その他にも、ニューヨークという街での生活のハードモードっぷりたるや枚挙に暇が無い。実際、間違いなく文化や経済の中心地だとは思うし、私が今までの人生で行った選択の中で、最も良かった選択はニューヨークに移住したことだというのは間違い無いのだけど、それにしてもいきなり皇室からジャンプインするにはきつすぎる環境だろう。

だからこそ、小室さんも眞子さんも、あそこに移住するというだけで、本当にすごいチャレンジをしていると思うし、貴重な体験をしているんじゃなかろうかと思う。いろいろわけのわからないことが発生するけど、総じて読後感としては「楽しかった」になったりするので、心の底から応援してしまう。いろいろ言われたりして大変だろうけど、ハードモードを楽しんで欲しい。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!