【夢日記】特攻
こんなにもハッキリとした夢を見たのは久しぶりのことだった。夢の中では夢とわからず正直恐ろしかったが、目が覚めて、生まれ変わった気持ちになれた。夢の中で「死んだ」ことで、新しい生を生きている。その気持ちを忘れることなく、これからを生きれると良いと思った。この夢を見たからか、今日は1日をいつもより有意義にすごせた気がしている。
ちなみに、特攻と書いたが、夢の中では航空特攻なのかはよくわからなかった。敵の艦船を攻撃するようだが、手榴弾のようなものを渡され、敵の近くでこれを胸に当てて爆発させるように言われた気がする(自決に近い)。断片的な記憶を理屈で繋げるなら艦船に落下傘か何かで上陸して、自爆しろということだったのだろうか(どうでも良いことだが)。
明日からも有意義な日々を過ごせますように。
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特攻隊の夢を見た。
自分は少年兵のようだった。出撃地点に向かう途中で目が覚めた。薄明るい部屋で、天井をぼんやりと眺めながら思った。ああそうか、これが夢の中の自分がどんなに望んでも迎えることのできなかった朝なのだと。普段なら二度寝する時間だったが、夢の余韻が消えないうちに、家を出て仕事に向かうことにした。
不思議なものだ。目に入るもの全てが新鮮に、特別に見えた。つい五分か十分前に、自分が諦めた日常が、いま目の前にあるのだから。
夢の中で何度も出撃を覚悟するものの、できなかった。どうにかして生き延びる方法はないかと考えた。脱走しようか。いや、脱走などしようものなら後ろから撃たれるだろう。ひと思いに死ぬのと、後ろから撃たれるの、どちらが良いのか。真剣に考えていた。
人気のない場所をうろうろと歩きながら、悩んだ。しかし、もう出撃の時間が迫っていた。これ以上悩んでいたら、脱走を疑われるだろう。これ以上はと諦めて、出撃地点に向かうことにした。
出撃地点まで走る。横には、自分よりも若い兵士が伴走していた。彼は出撃しないようだった。私は彼に聞いた。お前は出撃しないのかと。「いいえ」彼は素っ気なく答えた。私は続けて聞こうとした。「自分の機に乗るか」と。それを聞く前に、夢は覚めた。
なぜそれを聞こうとしたのか。それははっきりと覚えている気がする。自分だけが死にゆくことが許せなかったのだろうと思う。なぜお前は生きることができて、自分は死なねばならないのだろうか、と。死に際して思うことはこんなことかと、妙に納得している。哀しく、情けなく、自分らしく、そしてとても人間らしいと思った。
家を出る前に、妻のいる寝室を見た。扇風機が首を振る部屋で、彼女は大の字に脚を投げ出して寝ている。そうか、自分の妻は、こんなに可愛らしく、愛おしいものだったのかと。
少しずつ夢の余韻は消えていき、いつもの日常に戻りつつある。それが完全に覚めぬうちに、なんとか玄関の取手を回すことができた。
それでは、行ってきます。