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フィンランドという国を知りたくて…

見出しの画像(https://adgang.jp/2020/02/179477.html)は日産の広告に使用されたというフィンランドのバス停での光景。

フィンランド_バス停

https://togetter.com/li/886514
このようにかなり広い間隔を開けて人々が並んでいる。

ソーシャルディスタンスばっちり!!

と思えるが、

なにもこれはコロナ禍だからというわけではなく、フィンランド人にとっては普段からの振る舞いなのだという。

このようにフィンランド国民は、パーソナルスペースが広く、数メートルの間隔を開けて列をつくる。

フィンランドが新型コロナウイルス感染被害を抑えられている要因としては、徹底した初期対応や秘密の保管庫の存在が挙げられるが、このパーソナルスペースの広さも一因なのではないだろうか。

https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html

フィンランド含むコロナ志望者数

実をいうと、フィンランドについて書かれた本「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」を読んだことで、フィンランドという国についてあらためて興味が惹かれた。本書の内容も踏まえながらフィンランドについて知ってみたくなった。

【フィンランドって】

フィンランドとは、北欧諸国の一つで約550万人が暮らすフィン人による国。

過去にスウェーデンやロシアに支配されるも、
1917年のロシア革命によって、ロシアより独立する。

というのは、懐かしき山川の世界史の教科書(詳説 世界史B改訂版 山川出版社)を引っ張り出しての知識。

フィンランドといえば、個人的には食器やテキスタイルのデザインなどが好きなので、イッタラ、アラビア、マリメッコの国だとイメージされる。

【食】

多くのフィンランド人がキノコ狩りやベリー摘みを行うらしい。
なのでベリーをふんだんに使ったペストリーをよく食べるようだ。

スカンジナビア半島諸国で共通点も違いもあるようで、

同じスカンジナビアでもデンマークがドイツ風が主流なのに対して、フィンランドではそこにロシア風の味も加わり、キャラウェイシード、ディル、ビーツ、鳥獣肉といった豊かな大地の恵みを味わえる。もちろんウォッカも飲む。
料理の主役は、マス、タラ、イワシ、サケといった魚の保存食だ。手に入る食材が限られる長い冬のあいだには重宝する。
               「ミーナ・ホランド著 食べる世界地図」

それと世界一臭い食べ物として知られる塩漬けニシンの缶詰「シュールストレミング」はフィンランドでもhapansilakkaとして呼ばれ、食されている。

【働き方】

首都ヘルシンキはワークライフバランス世界1位だという。

夏に1ヶ月夏期休暇をとる。有給消化率100%
緊急の時でも休暇中は連絡はとらないのが暗黙のルールである。

皆が「休むことも社会人の権利」という認識の共有をしており、
誰かの顔色をうかがうこともない。

在宅勤務を行っている割合は3割にのぼるらしい。

在宅勤務の場合、勤怠管理は必要ないようだ。
そもそも仕事は山ほどあり、サボろうという考えはないし、
執筆などの作業はむしろ家の方が集中できると上司に願い出る人もいるそうだ。

驚いたのには、勤務中に美容室に行くのだってアリなのだという。「メールも電話も情報収集も出来るのだから。駄目だといわれたら信頼されていないと思う」という思考回路であるようだ。なんとも羨ましい。

偏差値や学歴で上下関係をつくらず、教授や上司に対してもファーストネームで呼ぶ。

社員が自分の席を持たないフリーアドレスの企業も増えており、社内環境は、エクササイズ休憩コーヒー休憩が定期的にあり、健康増進やコミュニケーションの場として機能している。

また在宅勤務やフレックスの増加に伴い、直接対面してのコミュニケーションの重要性も見直されきており、そのために快適なオフィス環境が考えられているようである。

勤務後に連れ立って飲みに行くことはまずない。家庭やプライベートを重要視しているからだ。

非常にドライな感情で仕事に向き合っているようで、とても印象的だったフィンランド人の言葉を引用する。

「コップに砂をいっぱいに入れて指を突っ込んでみて。指を抜いたらどうなる?穴ができるのは一瞬。あっという間に穴が埋まってしまう。それは組織と同じなんだよ。自分が抜けても、必ず周りがその穴を埋めてくれる。だから安心して抜けていいんだよ」

【雇用の実態】

働いている人の10人のうち6人は転職を経験している。そのうち2人に1人は新たな専門性や学位を取得している。
3人に2人は失業を経験。

不況や業績不振になると、あっけなく社員をレイオフする。
そして業績が回復すると、信じられないほど簡単にレイオフした人たちを再雇用するようだ。

日本でもコロナ禍で大量解雇を行ったタクシー会社が話題になったことが思い出されるが、訴訟沙汰になっているようで穏やかではない。

【家庭では、休暇では】

18時過ぎに帰ってくる父は、家庭を大事にしない父親失格の人」という認識がまかり通っているというから日本とは大違いだ。

平均睡眠時間は7時間半以上
キャンドルの消費量は世界一

余裕があり、プライベートの時間を堪能していることの証左である。

前述のように、多くの人がキノコ狩りやベリー摘みに出掛ける。そもそもスーパーで買うことができるのになぜか?
それは「自然の中で恵みを得る喜びが感じられるから」が理由なのだという。

サウナ大好きで至るところにサウナがある。サウナの合間には下記の行動をするのは、メディアなどで観たことがある方も多いだろう。
スノーエンジェル:新雪の上で横になり、バタバタと手足を動かす
アヴァント:凍った湖や海の氷をくりぬいて入ること

そもそもフィンランド人が、4週間(1ヶ月)の休暇をとる理由は、
1週目:仕事から休みへの移行期間
2,3週目:休みを謳歌
4週目:休みから仕事への移行期間

と段階的にとらえているからであり、休暇後、心身をリフレッシュしたら、驚くほどの集中力で仕事をバリバリこなすという。

【おわりに】

在宅ワークや時差出勤と徐々に変わりつつもあり、満員電車など以前の生活に戻りつつもある日本。

おいそれとフィンランドの働き方をするわけにはいかないけれど、世界の様々な暮らしを垣間見ることで、今を見つめ直してより幸福度の高い生活様式へと変容できるようになればと願う。

最後までお読み戴き有難うございました。

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