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氷砂糖のもたらすもの

備蓄用品の見直しに伴い、賞味期限が近づいている『カンパン』が手元にもたらされた。

ふと、子供は「氷砂糖を知っているのだろうか?」と思い訊ねると、「それってなあに? 
岩塩みたいなもの?」
と答える。岩塩は知っているんだ!?と驚きつつ、

ならば丁度良い機会と思い、カンパンの缶の中に入っている氷砂糖を1つ手渡してみた。

合わせて「この氷砂糖をカナヅチで叩くと光るんだよ」
と伝える。

そう、氷砂糖は強い力を加えると『摩擦ルミネッセンス』という現象によって発光する。

原理は、氷砂糖を割ると静電気が発生し,両側に電位差が生じ、それらが放電するときに空気中の窒素を励起して紫外線を出し,さらに氷砂糖が紫外線を吸収して蛍光を出す。

と難しいものだが、同様の現象は、貼り合わせた布テープを一気に剥がしても生じるらしく、湿布のセロファンを剥がす時も同様らしい。

こういう時、子供には動画で視覚的に示して理解してもらおうと安直な考えを抱いたが、ざっと調べてもなかなか出てこない。
どうやらスマホなどで簡単には撮影出来る光ではないようだ。

なのでいずれ実際に試してみようということになった。

ところでなぜカンパンのなかに氷砂糖が入っているのだろう?

家人は
「(カンパンの備蓄品という性質上)保存がきくように、氷砂糖が湿気を吸湿してくれるからではないか」
と、至極もっともらしい考察をし、おそらくそれが正解だろう、と一同納得しかけた。

しかし念の為、ネットで検索すると、なるほどと膝を打つ結果となった。

実は氷砂糖は
『唾液を出すため』
に入れられているらしい。

避難している状況では水分も充分あるとはいえない。そんななか円滑に食事、つまりはカンパンを食べる(これはなかなか強敵ではある。なぜなら口腔内の水分を完膚無きまでに持ち去ってしまうからである)ことをサポートしてくれるのに、氷砂糖はうってつけであるという。

さらには糖分であるがゆえ、『エネルギー補給』にも貢献するのだから、まさに一石二鳥である。

他に見られた「氷砂糖は『当たり』なのだ」という説も腑に落ちる。

キャラメルコーンのローストピーナッツも然り、コアラのマーチのまゆげコアラ然り(もっともロッテは絵柄の数調整は行っていないらしいが)。

非常時下で『くじ引き感覚』を体験出来ることは、少しでもリラックス出来る時間となるのかもしれない。

いずれにしてもこの平穏なひと時に、子供が美味しそうに氷砂糖を頬張っている姿を見て、あらためて平和を享受している有り難さを感じた日である。

おしまい

最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。