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私が税金を支払う理由

税金はなぜ払わなければいけないのか。

今はもう過去の話だが、大学の奨学金の返還に追われて生活費に困窮していた頃、私はずっと考えていた。

毎日働いても、借金の額が大きすぎて、焼け石に水だし、全然生活は楽にならなかった。

住民税って、なんで生きるためにお金払わなきゃならないの?

生きたくて生きてるわけじゃないのに。

そんなことをずっと考えてたけど、借金は減らないから、とりあえず忘れたフリをして必死に働いた。

でもときどき、私が奨学金の返済をしている事情を知っている人からは、早く返済しなね、と言われた。

その度に無駄に傷ついた。わかってるんだもん。

早く返済しきりたいって、誰よりも強く思ってたのは私だもん。

でも繰り上げ返済をして、毎月8万円ずつ返したって、完全返済までに5年半はかかる計算だった。

家賃/光熱費/食費などの生活費を別で払いながら月8万円も返せる環境は非常に恵まれている。

今。返済しきって身軽だ。

返済し終えたら泣いた。

肩に乗っていた得体の知れない重荷がすこーんと抜け落ちて、今にも空に浮かび上がりそうなくらい軽くなった。

私、しばらくしてわかった。


税金払いたいなーって。

生きていく上で、社会から様々な恩恵を受けていた。

蛇口から清潔な水やお湯が出てくること。

簡単に汚水が流れていくトイレがあること。

夜でも電気で明るい環境にできること。

道路が整備されていて、ガタガタしないこと。

救急車や消防車がすぐに駆けつけてくれること。

街の治安が保たれていること。

曽祖父の代くらいから今までの時代を生きた人たちが納めてくれた税金で、今快適だ。


私も(うまく使ってくれることを信じて)税金を納めたい。

税金を納めることは、社会をより良くする社会貢献だと思ったから。

税金は国民の義務なので、支払いたくなくても支払わなくちゃいけないけれど、寄付しているみたいな感覚。

そう思うとなんだかとっても自分が誇らしい。

私はこうして社会に貢献しているんだなぁーって、思った。

※本記事は百田尚樹「バカの国」新潮新書(2020.4)を読んでいる最中に記載しましたー

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