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Go North! 北への道(2)訪朝団で行こう

 北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国へ向かうもう一つのルートが訪朝団。ぼくは2013年、15年、16年と訪朝団で訪朝している。

「北岡さんは03年、10年と観光で来て以来訪朝団で来たというわけですか。なるほど。格が上がりましたね」とぼくの訪朝歴を聞いた案内員には言われた。現地では観光<訪朝団という評価のようだ。

 訪朝団の特徴を簡単に上げてみよう。

1)多士済々。左翼系のインテリ系の人が多い印象
 団員の職業は幅広い。地方議員から研究者。ぼくのような趣味者。教育関係者や、労働組合の専従者もいた。十数回の訪朝経験を持つ人いる。
2)男性が多い
 厳密に言うなら高齢男性が多い。40代のぼくが若手である。
3)(観光に比べて)、視察、社会見学的な要素が強くなる
 見学先として例えば大同江ビール工場をはじめとする工場や、将泉野菜専門協同農場など農場を見る機会に恵まれる。さまざまな現場を見られるという意味で興味深い。
4)歓迎宴と答礼宴がある
 対文協(朝鮮対外文化連絡協会)主催の歓迎宴と訪朝団主催の答礼宴がある。その際はフォーマルな服装を求められる。観光よりもより公式訪問的な要素が強いと感じる理由。
5)朝鮮総聯関係者が窓口となる
 
朝鮮総聯の関係者が窓口となる。担当部署は国際局が多い。
6)費用や北朝鮮滞在中案内員が2人以上ついてくるところは同じ
 特に費用。一週間の滞在で約30万円かかることは変わらない。

 訪朝団とは何かというと、つまり観光以外の訪朝を包括したものといえる。マスコミ関係者を束ねて行く訪朝団もあれば、女性団体が行くケースもある。「日朝友好」「訪朝記」などと検索してみれば色々な訪朝団の活動が検索結果として出てくるはずだ。その団体のブログやホームページから、自分に合った訪朝団を見つけて接触や、訪朝募集の要項を知るところが始まり。ぼくは大学の恩師の紹介で、ある友好団体に参加しその訪朝団で訪朝した。

 多くの場合一見さんお断りではないが、その団体主催の行事や交流会への参加を最低一度は求められる。面倒と思う人もいるかも知れないが、会や訪朝団の性格見極めのためにも必要。というのも訪朝団に参加する日本人には個人的に政治的、思想的な立場の偏りを感じるからだ。ぶっちゃけて言うと、一部の例外を除いて反自民、つまり反アベ、左翼系という人が多い印象。自分の眼を信じ、まっさらの状態で公平中立に北朝鮮を見てみたいという人や「日本の政治とか思想とかマジ難しいことわからないんで」という人は、まず観光で行った方が良い。若干の偏りを認めつつ訪朝団の中で自主を守り公平中立で、自分の物差しで北朝鮮を見るというのはコツと強い意志がいるからだ。

 窓口となる在日コリアンとの人間関係が出来るのは大きなプラスである。日本語を話し日本の文化を理解し、北朝鮮についての知識を持ち豊富な訪朝経験を持つ彼らはハイブリッドな貴重な存在といえる。例えば現地の接待員にチップ代わりに持って行くお土産で喜ばれるものってなんでしょう?という質問をしてみるといい。驚くほど多くの、知識と経験に基づく面白い回答が返ってくるはずだ。北朝鮮を見る上で、在日コリアンの持つ視点は実に貴重である。

 予備知識ゼロで見る北朝鮮も面白い。

 ある程度知識を持ったうえで見る北朝鮮も面白い。

 これはどちらも正解なのである。正直、何度も訪朝すれば訪朝ずれも出て来る。何度も行くことで比較の物差しも出来る。

 初回は予備知識ゼロで観光。2回目以降は訪朝団と言うのがぼくのお薦めである。まず自分の中で骨格を作り、ひとつ物差しを持ってから訪朝団で行く。その物差しがしっかりしていれば、周りの声や政治的姿勢をに左右されることはない。揺るがない自分だけの視線を持たないと、大波に浮かんだ笹船のように一気に流されてしまう。

■ 北のHow to その10
 高齢者が多いということはチャンスでもある。団の中でもまた現地でも若者扱いされる。快活で積極的な姿は特に現地では好感を持って迎えられる。ただ、やり過ぎると訪朝団の高齢のメンバーから嫉妬混じりの苦言を受けることも。ニッポン的な同調圧力などに負けてはならない。立つ舞台は日本ではない。他ならぬ北朝鮮なのである。 

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サポートいただけたら、また現地に行って面白い小ネタを拾ってこようと思います。よろしくお願いいたします。