かっこ:4166
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
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かっこ:4166

ichiman

S級IPOとして注目されていたかっこ。けれども寄り付き当日からずっと下がりっぱなしで止まることを知らない。IPOの痛い教訓を教えてくれたかっこだが一体どこまで下がり続けるのか?そもそもかっことはどのような企業なのか?将来性はあるのか?ということについてまとめた記事。かっこがどのような企業か知りたい方におすすめの記事です。

有料部分は自分の相場観や買い時の考察について書いています。無料部分で完結している記事ですので気にすることなくお読みください。

社長勝手にお顔を拝借してしまってすいません!


ビジネスモデル

ネット通販のインフラを守るサービスを展開している企業。昨今、コロナ禍の後押しもあって、さらにEコマース(EC)が世界的に流行ってきている。かっこはそのような時流に乗っているECサイトのセキュリティを守るための不正検知プログラム(SaaS型アルゴリズム)を提供している企業だ。かっこが展開している事業は3つ。1:不正検知サービス(売上の85%を占める)。2:決済コンサルティングサービス(売上の10%)。3:データサイエンスサービス(売上の5%)。

1:不正検知サービス

EC上の同一人物による転売目的の購入やウイルスによる情報漏洩、サイトのセキュリティリスクの診断等、ECの不正対策やセキュリティ強化を提供するサービス。以下のような悩みを持つ企業に対してかっこは解決策を提供できる。

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悩みを大まかに分けると3つ。

・不正プログラムやBotによる顧客の情報漏洩

・セキュリティレベル対策

・EC上で発生しがちな転売(同一人物が複数のアカウントを作って限定商品を大量に購入する不正)や貸倒リスク(コンビニ支払いなどによる後払いは売上代金を回収できないリスクがある)、チャージバックなどの人による不正行為

かっこの不正検知サービスではこれらの悩みに対処できるサービスを提供している。

このサービスの売上構成は月額料金(毎月定額の料金)と審査料(審査の回数が多くなればなるほど、売上も比例して大きくなる)。

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このサービスを導入している企業(EC市場がと言い換えてもいいかもしれない)が人気になり利用する人が多くなればなるほど、かっこの売り上げも大きくなる仕組み。また、契約が続く限り自動的に売り上げが入ってくるのでストック収益でもある。


2:決済コンサルティングサービス

ECでの後払い決済システムの立ち上げや運用のコンサルを行うサービス。決済で不正が発生すると、ECサイト側の企業や後払い決済事業者などは大きなダメージを受ける。そのため、不正者や不正注文を検知する1のサービスとのシナジーが高い。


3:データサイエンスサービス

AIや統計の知識を使ってビックデータ解析などを行うサービス。売上に占める割合は低く毎期売上がほとんど変わらない部門。しかし、この企業の技術の中核を占める部門で、ここで生み出された知識が不正検知サービスに生かされている。


決算

最新決算は(2021.1Q)。

売上

僅かながら上昇傾向。IT系企業にしては遅々たる増加で、この成長スピードでは現在のPER80倍を説明できないかもしれない。

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売上に占める各部門の売上推移を確認すると(2020.12の本決算時)

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2021.1Qでも不正検知サービスへの売上依存度が高まっている傾向にある。

そして、不正検知サービス販売先の企業を見ると

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一部の後払い決済システム提供企業に大きく偏っていることがわかる。大企業に導入してもらえると、ここまで大きなストック収益になるということがわかる一方で、現状では一部企業に大きく依存していることもわかる。


経常利益

上昇傾向。原価は主に、サーバー代、サービス導入費。不正検知サービスの導入コストが少なくなったことに加えて、ストック収益であるため1度導入したら、大きくコストがかからない起因して経常利益は向上している。

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ストック収益の推移(2021.1Qまで)は徐々にだが増加傾向。

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自己資本比率

高い。30〜40あれば安全性が高いと言われている中、2021.1Q時点で70%ある。IPOで資金調達できたことに加えて、社債等を償還したことによって借入が減ったことが原因。ただ、自己資本が高いとROEがどうしても下がってしまうので、自己資本が高いことは必ずしもいいこととは言えないことに注意。また、蛇足だけど、ROEを比べる際は同時に自己資本比率を見た方がいいと個人的に思ってる。

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市場規模

ECの市場規模推移

やはり年々上昇傾向にあり、5年間での平均成長率は8.7%。物販市場全体に占めるEC化率は6.76%とまだまだ成長余力を残しているように見える。(引用先:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

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また、ECを3つの分野に分けて伸び率を見るとBのデジタルサービス系の伸びが低い

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Bの詳細を確認すると金融系においてはECの市場規模が縮小していることがわかる。

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金融系のECが縮小している原因はわからないが、金融系企業はセキュリティが厳しく、不正のリスクが高いECを好まないのかもしれない。

そしてここからが注意点なのだが、かっこは後払い決済システムの構築や運用コンサルなどの金融系サービス(いわゆるフィンテック)を提供している⇨つまり、ECの市場の中でも縮小市場で戦っているんだ、と早とちりしてはならない(著者はやった)。

上記「決算」にある不正検知サービスの売上構成の相手先を調べるとわかるように、後払い決済を提供している企業などへの売り上げが多く占めており、かっこの将来性を見るには後払い決済市場がどのような推移を辿っているのか調べるのが最適だ。


後払い決済市場

後払いとは商品が届いてから、支払いをコンビニや銀行振り込みで行う決済方法だ(後払いをもう少し詳しく)。消費者側のメリットはネット上にクレジット番号を打つ必要がないため安心感が得られることや商品を確認してから支払いをできること、お金が今なくても後で支払えばいい事などが挙げられる。そのようなメリットが消費者側にあるおかげか、そもそもEC自体が拡大しているおかげか、後払い市場は今後も拡大傾向にある。4年後には取扱高が2倍以上になる予測(引用元:株式会社矢野経済研究所「EC決済サービス市場に関する調査を実施(2021年)」)。

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後払い決済が消費者側にメリットをもたらす一方で、EC運営者や後払い決済提供企業にはお金を回収できないリスクや不正の発覚を遅らせるため後払いを利用されるリスクがある。故にかっこの不正検知サービスが必要になる。

EC上の不正被害の市場規模

1、クレジットの被害額を見ると、2020年では被害額が少し減少している(単位:億円)(引用元:日本クレジット協会)。

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2、不正アクセスを確認すると2020年に急増(引用元:総務省「不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況」)。

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ネット上のクレジット不正が少なくなる一方で不正アクセスは増えている。不正と対策はいたちごっこだと言われており、波を打つように増減を繰り返しているのかもしれないが、どちらにしろインターネットの規模が大きくなれば、その分インターネット上での不正規模も大きくなるだろう。

セキュリティ関連市場規模の推移

情報セキュリティの市場規模は長い目で見ると上昇傾向(引用元:JNSA)。EC市場規模との相関は高そうだ。

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市場規模総括

かっこにおいて最も見るべき市場は後払い決済システムが今後どのように普及するかである。EC市場が拡大傾向に加え、後払い決済市場も強い拡大傾向だったので将来性はあると考えていいと思う。クレジットカードが東南アジア諸国と比べて大きく普及している日本でさえ、後払い決済市場がこんなに普及しているのなら、かっこが外国に進出できたら急成長が見込めるのかもしれない。


強み

かっこの強みは

・不正をリアルタイム検出ができる事

・2万を超えるサイトで利用実績がありデータが豊富な事

・特許を取得していること

・データサイエンス事業を自社で持っており、技術の源泉が外部依存していない事

・後払い決済システムの構築から運用サポート、不正検知まで一貫してできる事

などが挙げられる。


ライバル企業

今のところはいなさそうだ。

ITセキュリティ企業の売上ランキングを調べると↓が出てきた。

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各々の四季報を見ると、どの企業とも分野は被ってないように思える。似てるものを強いてあげるならサイバーセキュリティクラウドだろうか。AIを利用して不正を検知するという発想が似ている。おそらくいずれ脅威になるのはここにあるような企業ではなく、ペイペイなどの新しい決済システムを普及させる隣の異業種などになるのではないだろうか。


まとめ①

 かっこはECサイトの不正検知サービスを展開している企業。特に後払い決済業者や後払いを導入しているECが太客になっている。特許を取得していることや自前のデータサイエンス事業を持っていることからも技術力には定評があると考えられる。今後、ECサイトや後払い決済の市場が大きく拡大していくことをからかっこの将来も明るいだろう。

懸念点は

・技術力はあっても営業力があまりないこと(推測)

・後払い決済以外の代替手段が誕生すること

・ECという今後新規参入が考えられる人気な市場で、いずれ出てくる他のライバルと差別化できるのか

という点だ。もし買うのならこれらのリスクを許容して、なお購入したいと思える水準で買いたい。その水準は各々違うと思うのであまり参考にはならないが、PERにしたら35〜40倍くらいだろうか?


以下、趣味

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