2021年ベストアルバム

毎年恒例の2021年ベストアルバムです。2021年にリリースされたアルバムから10枚＋番外編1枚をご紹介します。今年は自宅で音楽を聴く機会が多くて、新しい音楽との出会いもたくさんあった。大豊作の一年だったのではないでしょうか。

＊
＊
＊

01. 大橋トリオ / New World
実は大橋トリオの曲とはしばらく遠ざかっていたのですが、この「ミルクとシュガー」が久々に自分内ヒット。上白石萌音さんとのハーモニーもばっちり決まっているし、中盤のストリングスのドラマチックなアレンジが凄い。ぐっと引き込まれる。

＊
＊
＊

02. Jon Batiste / We Are
ディズニー・ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』の音楽も担当したジョン・バティステ。この「I Need You」が大好きなのですが、これはロカビリーを現代風に解釈した曲だと思うのです。MVもゴキゲンですね。

＊
＊
＊

03. Cleo Sol / Mother
今年聴いたアルバムの回数だとこれが一番かな。1970年代シンガーソングライター物のような凛とした佇まいの王道的な作品。名曲続きですが、この「23」はソフトロックファンの心も捉える多幸感あふれる極上サウンドでした。名盤。

＊
＊
＊

04. Sheree Brown / Messages from the Spirit … The Collective
1980年代に活躍したシェリー・ブラウンの新作が2021年に聴けるとは思わなかった。ロータリー・コネクションの「Les Fleur」をカヴァーしていて、水のせせらぎと子供の声から始まるアクエリアス気分のゴスペルソウルで素敵でした。

＊
＊
＊

05. Kings Of Convenience / Peace Or Love
メンバーがイタリアに移住したり、ソロ活動に専念したりして、もうこのデュオでのリリースは無いんだろうな…とみんな思っていた。それが12年ぶりのアルバム発表ですよ。このアルバムが存在していることだけで感謝している。

＊
＊
＊

06. John Roseboro / Human Nature
ハイチ出身で現在は米国LAで活動するアーティスト、ジョン・ローズボロ。本人は自分の音楽のことを「ポストボサノヴァ」と表現しているようですが、声とギターが際立つボサノヴァやフォークに影響を受けた内省的なサウンドです。

＊
＊
＊

07. Dua Empat / Head In The Clouds
インドネシアの男女デュオ（恋人同士でもあるらしい）、Dua Empat。彼らはジャズギタリストとしても活動していて、ジャズやボサノヴァの影響が感じられます。この曲はスキャットを交えたポップなボサノヴァで良かったです。

＊
＊
＊

08. Walmir Borges / Isso E Coisa De Baile
ブラジルの現行アーティストの中でも特にお気に入りのヴァルミール・ボルジェス。本作はブラジルの新旧の曲から集めたカヴァー集で、アコースティックなサンバソウルに男前なヴォーカルが映えて最高でした。彼の歌声が好きなんですよ。

＊
＊
＊

09. Nee Pauline Ol'Burger Beats / I Am Leaving
北欧ノルウェーの兄妹デュオのデビュー作。ソウル～ラテン～ジャズを横断するようなサウンドで、特にこの曲はゆったりとビートを刻むラテンジャズで心地よかった。どことなくPucho & The Latin Soul Brothersの音楽を連想したりした。

＊
＊
＊

10. FKJ / Just Piano
最後はこちらです。フランスの音楽家FKJが、瞑想系アプリ「Calm」のために制作したソロピアノ作品集。この映像が良いですね。光と緑に囲まれや部屋で紡がれるピアノの美しい旋律にうっとりします。お休み前によく聴きました。

＊
＊
＊

11. V.A. / Quiet Corner - Ma Fleur
番外編です。山本勇樹さん監修のディスクガイド本『クワイエット・コーナー 2 ～ 日常に寄り添う音楽集』にレビュー執筆者として参加させていだきました。本書と連動してリリースされたコンピCDの冒頭に入っていたLaufeyの「Magnolia」です。すごく素敵な曲。

『クワイエット・コーナー２』についてはこちらの記事にも書きました。

＊
＊
＊

それからTOP画像はベストアルバムを選ぶにあたって候補に上がったものをたくさん入れておいた。

以上、2021年ベストアルバムでした。最近思うのですが、「ベストアルバム」を選ぶというのは、時代にそぐわなくなってきている気がする。サブスクの時代になって、聴きたい音楽に手軽に接することができるようになった結果、アルバム１枚を通して聴く機会が少なくなった。今はきっと１曲単位で音楽を楽しむシングルの時代なのだろう。

（2021年12月27日　pwmワタナベ）

＊
＊
＊

【おまけの１曲は邦楽の疾走系ナンバーです】