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山本太郎氏の「地方債15兆円で底上げ」を総務省に開示請求してみました。(東京都知事選2020)

2020年都知事選、山本太郎氏の急な立候補「地方債15兆円であなたを底上げ!」に驚きました。

「そんなこと地方財政法上不可能だ」
「開示請求でレク以外の文書不存在だから、やり取りなんてしていない」

など様々なツッコミ・憶測が市民メディア・他陣営から入りました。そんな中、山本陣営からの開示請求をやってみては?というツイッターのつぶやきを拝見し、じゃあ、ということで初めての開示請求にチャレンジしました。

2020年8月12日に開示文書を受け取りましたのでこちらに公開します。

せっかく官僚さんに忙しい中開示してもらったので、しっかり堪能しようと思い、開示請求に関するちょっとしたことや、開示文書を読み込んでの私の所感を書いてみました。興味が無い方は、画像だけご覧くださいませ。

今回の開示請求の時系列

6月26日 「行政文書開示請求書」総務省着
6月29日 総務省で受付
7月  1日 総務省より開示請求の内容の確認電話あり
7月  1日 「行政文書開示請求の補正について」総務省発送
7月  3日 「補正書」を当方より返送
7月22日 「開示決定通知書」発行
8月11日 「開示文書」総務省発送(消印より)

開示請求内容

7月1日の開示請求の内容の確認電話がありました。「公文書として確認できているのはレク資料です、開示はレク資料でいいですか」という内容でした。

あれ?私が請求したのは地方債に関してやり取りが分かる文書一切なんですけど…。

そこで電話口で、山本氏が電話・メールでやり取りをしていたと言っているのでレク実施後の追加の問い合わせ・資料請求がないでしょうか。例えばメールに添付した資料とか。あるとすればレク資料同様に文書にあたるのではないですか。メール本文に地方債に関する説明が記載されていれば、そのメールもレク相当となり文書といえるのではないでしょうか、などと食い下がり、広い概念で文書を探してもらえることになりました。それに伴い請求内容の補正の手続きを行い、以下で開示請求をすることになりました。(ほとんど私が書いたのと同じ文面だけど…)

◆行政文書開示請求の補正について

R020701行政文書開示請求補正について1p

◆行政文書開示決定通知書

R020722行政文書開示決定通知書1p

R020722行政文書開示決定通知書2p

R020722行政文書開示決定通知書3p

開示文書

◆レク資料:地方債協議制度の概要
 ※メールに添付がないのでレク資料と断定
  (開催日は5月下旬と聞いたけどメモ紛失、確認予定)

総財地第118号6月12日レク資料_地方債協議制度の概要

◆メール:総務省自治財政局地方税課から舩後事務所への資料提供
6月12日6時35分 発信:総務省担当者 受信:舩後事務所の秘書
※このメールは引用返信になっており、6月12日から6月8日に遡る形で表記されています。

このメールのポイントは下記でしょうか。
① 10年債で元利償還金の10倍、30年債で元利償還金の30倍まで地方
  債を東京都独自の判断で起債することが理論上可能。(6月8日)
② 減債基金を使った場合、10年債も30年債同様の実質公債費比率への反映
  となる。(6月11日)
③ 実質公債費比率は元利償還金3年平均で算出されるため起債額ベースで
  算出することはできない、と東京都の地 方債発行能力を金額で明言する
  ことを避けた。
  (平成30年度元利償還金4700億円×30倍より多く起債できるってこ
  と…???)

6月11日に山本氏は、6月15日に出馬の判断を行うと発表しています。このメールからすると、総務省への確認の詰めは11日・12日で、れいわ新選組あてのメール以外の方法だった、ということでしょうか。
また③により、他党所属の総務省につてのある議員に東京都の地方債発行可能額の確認を依頼する必要性が出て来たんですね。
6月9日のメール本文には「別で聞いた」とあり、アドバイザー的な人物がいるということが分かります。

6月8日の総務省からの舩後事務所へのメールには「本日ご依頼のあった資料について」とあります。この「本日ご依頼」は電話などの口頭依頼だったことがうかがえます。総務省と電話・メールでやり取りした、というのは本当でしたね。

少し妄想が刺激されるのが、同じく8日のメール本文に地方財政法5条が記載があるにも関わらず、その後コロナは災害として地方債は発行できるかできないかという確認が行われていません。メールのほかで何かやり取りがあったのか、政治判断という暗黙があったのか…。双方が、東京都の起債能力だけをテーマにしていたのか。
しかし、地方債起債で巨額の資金を確保しようとする目的がコロナ対策であるのは明白です。コロナを地方財政法上の災害に指定することが不可能であれば「できませんよ」って釘を刺すのが所管官庁の役目、それを怠ったということは考えにくいなぁと思います。不思議です。

総財地第118号メール1p

総財地第118号メール2p

総財地第118号メール3p

総財地第118号メール4p

◆都道府県の実質公債費比率
山本太郎氏はこれを見て様々な自治体の実質公債費比率をスラスラ言うまで覚えたんですね。

総財地第118号メール添付_各都道府県の実質公債費比率

◆猶予特例債
地方税を猶予した場合の財政措置も考えていたんですね。

総財地第118号メール添付_猶予特例債概要

追加の情報開示

他党の総務省につてのある議員に東京都の地方債発行可能額の確認を依頼した、という件について追加で開示請求をする予定です。その方が電話で確認をされていれば文書が不存在となりますし、メールが存在していても私的な性質が強いとされれば不開示になるかと思います。もし進捗がありましたら、また公開したいと思います。

官僚さんお疲れ様でした。

ちょっと驚いたのは総務省の官僚さんのメールの送信時間です。6月12日は早朝6時35分に発信しています。午前様の日もあります。早出と深夜残業をし都知事選立候補予定者の政策立案を行う議員事務所の問い合わせに対応する忙しい働きぶりが垣間見えます。
また本件に関して多くの開示請求や問い合わせが多くあったようです。

総務省自治財政局自治財政課地方債課の皆様が、平常業務・コロナへの対応業務の中、都民の政治の選択と国民の知る権利を担保するための尽力されたことを感謝しています。

さて、同部署から7月1日付で地方債を日銀担保にすることで資金調達するよう要請する通達が発せられた、との報道がありました。コロナ災害と財政問題にあえぐ企業・自治体を支える働きをしっかりしてくれていることも付記しておきます。

Bloomberg金融機関・地公体に地方債の積極的な日銀担保活用を要請-総務省

で、山本太郎氏の地方債15兆円って実現できるの?

cargoさんという方が山本太郎氏の「地方債15兆円であなたを底上げ!」は実現可能かどうかの考察をされていますのでご紹介させていただきます。専門家の確認をえつつ、政策実施のハードルを一つ一つ整理しておられる興味深いレポートです。


以上、つたない文章をお読みいただきありがとうございました。
文章を書くのが苦手で沢山トチッてると思います、乱文ご容赦ください。






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