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31 大切なことは妻任せ

保育園探し


 保活、と言う言葉があるように、保育園に入れるかどうかは戦いです。私たちが住む町は待機児童数が多く、激戦区でした。しかも駅前の超人気保育園にこどもを入れたかったのですが、当然無理な話でした。フルタイム共働き世帯にとって、絶大な人気があるのは分かっていましたが、それでも落ちたときにはかなりショックでした。前もって何度も面接に足を運んだし、夫婦以外に保育できる人は市内にいません。夫は、当然何も協力しません。私一人があたふたしていました。なぜなら最初から、夫は子どもの送迎を一切するつもりがなく、保育園に入れるのは私だけの問題だと思っていたからです。私が家計の7割を担っているということに対して、何の理解もありませんでした。我が家は普通の家庭と逆転しています。収入の7割は妻である私、そして家事育児の9割以上も私の仕事でした。

難航する保育園探し

 私がひとりで送迎し、且つ始業時間までに出勤できる場所にある保育園は非常に限られていました。選択肢は実際に2つしかありません。それでも夫は 自分が勝手に働きたいんでしょ、保育園を諦めるなら仕事辞めたら?仕事したいのなら保育園探しくらいで文句言うな という主張でした。


モラ夫「手続き大丈夫なん」
   「どこにするん」
   「落ちたらどうするん」
   「送り迎え大丈夫なん、仕事どうするん」

と何かにつけて聞いてきました。心配しているのではありません。他人事なのです。そして私は、保育園探しの責任のすべてを私に押し付けるようなこの言葉が嫌でした。ただ疑問を投げかけるだけ。自分はこう思う、こういうことが手伝える、とか何もありません。もちろん、保育園の見学に付いてくることもありませんし、そのために子どもを預かってくれることもありません。夫は毎日趣味のために出かけるだけです。
(どうしようか一緒に考えようという発想はないのか)
保育園を決めるのも、手続きに走るのも、面接に行くのも悩むのも、私一人の孤独な闘いでした。送り迎えも協力する気はないのだろうな。とあきらめの気持ちしかありませんでした。モラハラ被害者の方ならだれもが分かってくださると思いますが、モラ夫に何か要求したり平和的に話し合いをしても、どんなに気持ちを逆なでしないように理解のある言い方をしても、絶対に、絶対に自分の意見を曲げません。最後はこちらが折れるまで、それこそ本当に数時間も一方的な話し合い(という名の侮辱や責任転嫁や説教)が続くだけなのです。

数年後・・・小学校を決める時も妻任せ



 共働きの家庭にとって、「小学一年生の壁」というものがあります。朝7時から夜7時まで預かってくれる保育園とは違って、小学校は子どもを送り出してからお迎えに行くまでの時間がはるかに短いのです。フルタイムの場合、子どもを送ってから出勤すると朝は勤務開始ギリギリに到着、帰りは定時で飛び出してもお迎えがギリギリです。たいていの場合、母親が仕事をセーブすることになります。我が家の場合もそうでした。時短勤務が取れただけでも奇跡ですが、それでもお迎えに間に合わないので、我が家の場合は小学校を駅に近い所に変更してもらう必要がありました。そうでもしなければ、私は仕事を続けることができません。私が仕事を辞めるという選択肢は我が家にはありません。家計の大半を支えているのは私だったからです。それでも夫は、私が働くことが嫌そうでしたし、出張の度に嫌な顔をしたり、そのくせ育児方法に口出ししたり、とにかく足を引っ張る存在でしかありませんでした。
 そして当然、手続きに関しても、夫は全く協力しません。送り迎えをする気は鼻からないのです。しかし自分が悪者になるのは嫌なのか、表面上は「僕よりずっと常識があるし、なんでもできるから、任せるよ」と言って逃げるのです。任せている割には、感謝もありませんし、相変わらず責任を押し付けることばかり言ってきました。


モラ夫「ところで手続きどうするん」
   「四月からお迎えできるん」
   「親の勝手で変更して、こどもがかわいそうやな」
   「送り迎え俺は無理やから」
   「二年目以降も同じ小学校に通える保障はあるん、できんやったら どうするん」

私「ねえ、私だって、先のことはわからないし、校長先生だって断言はしてくれないと思うよ。行政の判断だから。私に聞かれても困るよ」

モラ夫「ふーん。これだから公務員はあかんな、国自体が信用できん」

 この人は本当に、協力したり、一緒に考えたり悩んだりすることはないのだなと言うことが身に染みてわかりました。ただ私の決定を待ち、それが正しくなかったら私の責任だと言わんばかりなのです。保育園を決めるときもそうでした。私が望んでいたのは次のような言葉です。


俺にできることない?

困ったね、一緒に考えようよ

なんとかなるよ

しかし一度も聞くことは叶いませんでした。


 今は国に文句を言うのではなく、ただ不安な気持ちを分かってほしいだけなのです。やるべき手続きをやったのだから、あとは行政の判断を待つしかないのは私が一番分かっています。それでもぬぐえない不安や絶望感を分かって励ましてほしかったのです。

 もちろん、よくある男女の考え方の違いを埋めるためのノウハウにある通り、「私はアドバイスじゃなくて、ただ話を聞いてほしいだけなの。不安があるから、聞いてくれるだけで安心できるの。だから少しだけ話を聞いて。5分でいいから」とあらかじめ伝えています。男性はアドバイスしたくなるから、相談をする時は、どうしてほしいか最初に伝えるのが夫婦円満の秘訣、とよく言いますよね。当然すべて実践しています。それでも変わらないし不機嫌になるのがモラハラなのです。当時は「こんなに気を付けているのに何故状況は悪化するのだろう。愛情がないということなのかな、私が悪いのかな」と余計にむなしく悲しくなっていきました。


 そもそも、保育園や小学校の手続きで私だけが不安になっている状況そのものがおかしいです。二人の子どもなのだから、これは私一人の問題ではありません。
それでも夫はことあるごとに
「あかんかったらどうするん」「来年も大丈夫なん」と聞いてくるのを辞めませんでした。私だっていつも従順なわけではありません。言うべきことは言っています。それでも何も変わらない、何時間も不毛な話し合いになるので、次第に主張しないようになっていっただけなのです。

私「いつもいつも、どうするんって聞くだけやけど、何か考えや意見はないの?」
モラ夫「だってお前の仕事の都合で手続きするんやろ?俺の考え言ったって聞く気ないやん。仕方ないやん」

私「聞く気がないなんて、そんなことないよ。二人で協力すればできることも増えるでしょう」

モラ夫「いや、聞く気なんかあるわけない!こないだだって・・・」

と関係ない過去の小さな家事の失敗や疲れているからお出かけを断ったときの話を持ち出し、ダメ出しが始まりました。こうなってはただ傷つくだけです。何も解決しません。もう私を追い詰めたいだけなのか、だったら聞き流すのが一番、小学校のことも相談はするまいと思うことにしました。こうしてストレスだけが溜まっていき、夫婦の溝が深まっていったのでした。

しかしそれは私だけで、夫は私の気持ちが離れているとはみじんも思っていません。むしろ仲がいいと思っていました。本当に人の気持ちが全くわからないのです。

 相手の気持ちに立って行動したり考えたりすることができない、というのが夫の特徴です。その矛盾を指摘しても、理解できないか、話を逸らすか、責任転嫁します。さらに追及すれば逆切れ、過去の私の失敗を引き合いに出して非難、最後は無視、不機嫌、無言。このパターンであることがだんだんわかってきたのです。それでも別れを考えることはありませんでした。子どものためにも早く離れておくべきでした。


次回へ続きます。

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