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セルフマネジメントの領域(1)身の回り

前回からセルフマネジメントについて書いています。

セルフマネジメントとは、自分がコントロールできること【だけ】に集中してキッチリやろう、という意味で使っています。自分でコントロールできない外部はどうしようもない、と割り切り、自分ができることを、できる限りコントロールするのが健全だ、という考えです。

部下の方々にもっとセルフマネジメントを求めるご上司さんも、ちゃんとセルフマネジメントしたいルーキーさんにも、お役に立てれば幸いです。

今日は、そのセルフマネジメントをどこに適用するのか、について書きます。

適用範囲は3つだと私は思っています。下図のとおりです。

セルフ・マネジメント3x3

環境、行動、情動の3つです。

環境とは、自分が影響力を行使できる範囲内の身の回りです。

行動とは、目的や状況に応じて自分がとる行為です。

情動とは、他人や自分に向き合う際の心のあり方です。

環境、つまり身の回りのセルフマネジメント項目について

今回は、環境、つまり身の回りについて書きます。全部で11項目挙がりました。お読みになる方によって、既にとっても上手にマネージしている分野もあれば、そうでもない分野もあるでしょう。適宜、選んで読んで下さい。

これから身の回りのセルフマネジメントを始めるルーキーさんたちは、「身の回りはまず11項目か…」とご理解いただき、そのなかのどこからマネージし始めるかを決めるきっかけになれば幸いです。

身の回り(その1)人脈

ビジネスパーソンであろうと、そうでなかろうと、人脈は大切です。自分の社会が拡がれば拡がるほど、視野、視座、思想が変化し、それが成長に繋がります。その拡がりを支えてくれるのが人脈です。

人脈コントロールの基本イメージは円でつくるベン図です。ベン図とはこういうものです。

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この図は重なりあっていますが、重ならない円もあり得ます。円の中に円があり、ということもあります。人間関係はネットワークというイメージが強いと思いますが、円でイメージし直すと、範囲がはっきりするので自分なりの人脈整理がシンプルになります

ビジネスの人脈

ビジネスにおいて人脈は生命線と呼べるほど重要です。広く深くが理想ですが、なかなかそうはいきません。コントロールできる範囲で広く、コントロールできる範囲で深く、を目指しましょう。

私はこれまでビジネス上の繋がりで、おおよそ3万人の方々とお会いしてきました。しかし今も持っている名刺は約2,000人分です。2,000人分の広がりがある、といえます。

2,000の名刺はeightに登録しています。先方もeightをやっていると、常にアップデートされていくので便利です。皆さんの会社でもっと優れた名刺&人脈DB管理を採用しているところも多いでしょう。

私はだいたい2週間に一度ほど、eight名刺をざっと流し見しますが、名刺交換は多頻度ですので、「あぁあの方か」と思い出せるのは多くありません。そういう方とは繋がりを維持したいので、こちらから何らかの発信をするようにしています。

発信にはメールを使っています。相手の企業のプレスリリース等のタイミングで個人対個人でメールを送り、繋がり維持に努めています。嫌がられない程度、かつ忘れられない程度を計らってメールします。

学びの人脈

学会などのコミュニティ、アルムナイとの個人的な繋がりも大切です。同じ分野を追究している同士は仲良くなりやすいです。プラットフォームはFBだったり、独自サークルだったりします。仕事が忙しくなるとつい交流が疎かになりがちですが、ビッグイベントにはできるだけ参画して、交流を維持するよう心がけています。

身の回り(その2)書籍

書籍の整理は私にとって頭痛の種です。コンサルルーキーだった頃に読んだ書籍は軽く1,000冊を超えます。一時期流行った書籍PDF化サービスを利用しDropboxに入れています。他にも紙の本が書棚にうず高く積まれています。

ラベル管理等をせずに数だけ増やしてきてしまったのは失敗でした。このお正月休みに2Sしようと思っています。

今考えている整理軸は以下のとおりです。
1)古典的名作(ほとんどがPDF化されています):ラベルをつけてDB保管
2)集合知識系(教科書的)参照本:テーマ別に整理し手元書棚に保管
3)文体やストーリーを何度も味わう本:厳選して枕元のスペースに保管
4)ノウハウ系参照本:ブックサマリー化して処分するため「積ん読」

3)の厳選に一番時間がかかりそうです。

身の回り(その3)知識録

本を読んでブックサマリーを書く。講演を聞いてメモをとる。皆さんはそういう知識録をどうマネージしていますか?

私の場合、ブックサマリーを書く機会は減りました。知識を得るための読書が減ったからだと思います。著者の文体を楽しむ、ストーリーそのものを楽しむかたちに読書が変わってきました。

ただし、仕事の準備のために読む本は別です。初読時にボールペンで殴り書きをしたり、耳を折ったりして、読み終えてからまとめを作る。これは変えていません。乱暴な扱いへの後ろめたさもありますが「ちゃんと使い込んでいる証拠」と自分に言い聞かせるようにしています。

一時期は必ずブックサマリー化していましたが、最近は使える要点だけ拾い出すパターンが多いです。ただそれだと、「いつかどこかで読んだあの概念ってなんだったかな?」というふとした疑問の答え探しが大変です。だからまたブックサマリーづくりを復活しています。それならキーワード検索できるので。

講演メモは、レポート用紙に手書きしScanしています。そのままテキストデータにしたいのですが、PCを打つ音が周りの人に迷惑かなと思い、手書き+Scanにしています。しかしオフィスに行かなくなったせいで、メモはScanできないままフォルダーに眠っています。自宅のScannerが遅いので。だいぶ溜まったので整理しないと…。Scannerの新調も必要かもしれません。

私は経営団体「(社)価値創造フォーラム21」の事務局長をずっとやっている関係で、所属企業社長の「わが経営を語る」を書き溜めてきました。この講演内容は大切に整理・保存しようと思います。お正月の仕事がまた一つ増えました。

身の回り(その4)メール

メール管理は、上手な方とそうでない方が割とはっきりするするようです。

書籍整理もそうですが、メールの2Sは最初のルール設定が難しいですね。メール2S術の達人を見ていると、常に少しずつルールのアップデートしているようです。これだけ我々の仕事に深く入り込んでいるメール。だからこそ、2Sにこだわり、「本当の仕事」をしたい、ということですね。

身の回り(その5)写真

私の場合、写真は撮り溜めているだけです。今は全てiPhoneで撮っています。それをDropbox連動させて、ケータイのデータを消して容量を何とか保っています。

リアルでのブレスト結果やリモートのスクショ、どうしています?私は2種類に分けています。多分、必要ないけど取り敢えず残すもの。これは写メのままにしておきます。仕事をするのに必要なものは、すぐにメモ化します。

意外に使い勝手がいいのが写メですね。私は、そのままパワポの絵コンテに使ってしまいます。仲間とのイメージ共有にも写メは大活躍しています。

身の回り(その6)ニュースソース

以前は日経一本槍でしたが、最近はNewspicksやVoicyも活用しています。ほか、BBCやNBC、CNNなどのサイトもよく訪れるようになりました。他にもよいサイトがあれば、ぜひご紹介下さい。

私のニュースソースの使い方は、レギュラーに目を通すというより、テーマ毎に検索することが多いです。その意味ではGoogleが一番のソースですね。Google画像検索は多用します。キーワードを入れて画像検索すると、どなたかがまとめてくれたフレームワークがたくさん出てきますね。優れたフレームワークは一覧の元に概要が掴めるので便利です。「○○にならこれだけxx選」のようなサイトは、必ず多数を見比べます。その中で情報価値が高いものだけをブックマークします。ブックマークが増えすぎて機能しなくなった苦い思い出があるので、厳選しています。

アカデミックな情報が欲しいときはScalorも使います。アブストラクトを読むのがほとんどですが。

身の回り(その7)ワークスペース

ワークスペースに不満を持つ方は多いのではないでしょうか。オフィスでのフリーアドレス化が進展し始めた矢先のステイホーム。立派な書斎でもないかぎり、自宅のワークスペースづくりは悩ましいですね。私は息子が使っていた折りたたみ式のデスクを使っていましたが、狭さに我慢ができなくなり、天板だけ大きいものに変えました。

生産現場をご存知の方は、セル生産方式という言葉をご存知だと思います。まるでヘビメタのドラムセットのごとく、全ての部品が身の回りを囲んでいて、少し手を伸ばせばすぐに取れる。それが私の理想です。今、少しずつ理想に近づけていっています。

身の回り(その8)会議

会議と聞くだけで辟易とする方も多いと思いますが、会議はコントロール可能です。

対策①:出ない

まず出席する会議を減らしましょう。世の中には無駄な会議が多すぎますので、ザクッと出席を減らしたって仕事には響きませんよ。私の経験上、ほぼ半分は資料共有だけで済みます。誰が主催であれ参加意義の無い会議には出ないという選択が出来るのです。正直にそう表明してもいいし、波風立てないなら別の理由で。

リモートになり会議が増えて困っている、という声も聞きますが、その場合は議題と参加意義を確認した上で、参加可否を表明すればいいと思います。画面と音声消して内職、なんて虚しい。キッパリと「出ない」と言えば、ちゃんと後で資料を共有してくれますよ。

対策②:グランドルール設定

出る会議はちゃんと5Sしましょう。アジェンダ、開始時間と終了時間等々、決めること決めてサクッとやりましょう。やたらと話が長くて意味不明瞭な人が多い場合は、「原則的に結論、論拠、根拠の順で話しましょう」とグランドルールを設定しちゃえばいいんです。自分は下っ端だから、なんて遠慮は無用です。皆のためになることですから。

身の回り(その9)道具

前述と多少被りますが、道具は無視できない”身の回り”です。こだわりのある方には申し上げるまでもないですが、自分にとって心地よい道具は自分をアゲてくれます。仕事によっては道具の良し悪しや適不適が作品や成績に直結する場合もありますね。

道具論は奥深い。一度、しっかり探求してみたい分野です。

身の回り(その10)居場所

居場所論も奥深そうです。私はセルフマネジメントの範疇内だと思っていますが、限度がありますね。「フィンランドが好きだけどそうそう行けないし」とか。だから大抵はもっと身近な選択肢の中から選びますね。

居場所がもたらす影響に気づいている方はいいのですが、なかにはそれにまだ気づいていない方もいるので、敢えて挙げました。居場所を変えてみると、ご利益がありますよ、きっと。人間も生物ですから”刺激と反応”のメカニズムに動かされている。だから刺激を変えるんです、居場所を変えることで。

身の回り(その11)人間関係

人間関係は、一番厄介な「身の回り」です。一番コントロールしづらい。仕事では上司も同僚もほぼ自分では選べません。ご近所さんも引っ越さない限り選べない。ネガティブにしか作用しない人たちも一定数混ざってしまいます。自分も相手にとってそうなのかもしれません。

私は、気が合ったり、自分を助けてくれたり、ハッピーにしてくれたり、一緒にいて気持ちが爽やかになったりする人たちを【大切な人たち】として、大切な人たちとそれ以外に二分類しています。それ以外というのも乱暴ですが、要するに接する機会があれば礼儀正しくする、関わりが必要でも最低限に留めると決めている人たちです。そうすることで、苦手だったりはっきり言って嫌いだったりする相手に対するネガティブな気持ちを抑えようとしています。

大切は人たちの幅は広いです。気分を鼓舞してくれる人、身を引き締めてくれる人、脳を活性化させてくれる人、愚痴を言える人、壁打ち相手になってくれる人、肩の力を抜いてくれる人、とにかくハッピーになれる人、いい人だなと思う人…。みんな大切な人です。

これくらいシンプルなルールで人間関係をコントロールするのが、一番健全だと思っています。放っておいてもややこしくなるのが人間関係です。それをいちいちマネージしようとしても、疲れるだけです。

セルフマネジメントする「環境」つまり身の回りだけでも、結構な数になりました。

今日はここまでとします。お読みいただき、ありがとうございました。



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