ガンプラの初心者ってどーよ？

広く創作界隈全般に言える事ではある。

上記の話の後、ネット内某所で「ガンプラ初心者とは何か、上級と初心を分けるものは何か」的な質問を投げたのだが、これがもー面白かった(混乱を喜ぶ邪教の司祭の笑顔)

この質問、初心者が何をしたら上級者になるのか、つまり原点である「初めてガンプラ作る」を固定して「上達とはどこに向かう事なのか」を問うているのである。つまり質問内容の真意は

「ガンプラが上手ってどゆこと？」

なのだが、皆普段ガンプラ組んでワーイしてるだけだから、

真意を見抜いてそうな人は見つかりませんでした

(本日の残念その1)

前にも書いたが、ガンプラの上手い下手は一軸の評価では無い。昨今のなろうテンプレ異世界ものみたいに「複数のパラメータ(軸)」があり、そのパラメータの合成ベクトルがいわゆる「上手さ」であろう。

n次元とかやると難しいから、模式的に3次元3軸で考えてみよう。パラメータは立体構成力、色彩構成量、画面構成力とかにしてみようか。それがA(10, 5, 7)でもB(7, 10, 5)でもベクトルは違うが同じように上手いんだわ。ただ、この作品の評価時空の「画面構成」部分を……例えば「モデラーの人格」にしてる人(アの人)がいて、先の例のBが日頃からぱち組批判や他者を見下す発言してたりすると……そのアの人はBはAに劣ると評価する。

物事の評価する際に、その物自体は多種多様なパラメータ持ってて、評価者もパラメータの優先順位や評価比重を持ってる訳さ。例えば私はそのガンプラがジム系なら高評価しやすいし、全体的なボリュームバランスをデティールより重視する。あと、作った人間の素性はどうでも良い。生まれで差別する様な奴は差別主義者だ。ガンプラは作ってくれる人を選べんのやで？

で。実際の回答からオモシロ事例を。

1.エアブラシ使ったら初心者ではない

ポルシェやフェラーリ乗ったら若葉マーク付けなくてえーんか理論。いやその……エアブラシは道具だからボタン押して引いたりすれば塗料は出る。出るけど初心者はそれで塗膜ブツブツにしたり変なところにグラデ入れたりするで？　ピンバイス使ったらとか何か道具使ったら初心者でないとか無茶も過ぎると……(滝汗)

2.精神論

驕る奴は初心者とか、その手のアレ。私はガンプラの初心者とか上級者の話を振ったのだが、何でか「人生の初心者」とか「人として初心者」の話になってんの(本日の残念その2)
まぁ恐らくだが、この手の人は投稿されたガンプラよりも、投稿者の人格見てイイね付けてるのだろう。より正確には作品の出来が良くても人格に難が有ればイイね付けないんだと思う。と、同時に……SNSで評価を稼ぐ方法的には良くあるパターンだよね。揉めず誰にも優しく。作品ではなく人格でいいね集めるパターンですわー。

3.技巧でポン

改造したら初心者ではないなんてのも含む。改造にも上手い下手はあるやろに……と思わんでもないのだが。
そもそもね、改造や表面処理や塗膜作りにも上手い下手はある。しかしこのタイプの人は「使われてる技法」で評価して、その技法が上手いか下手か見てない傾向があるみたい。ガンダムのトサカをエポキシパテ で伸ばしてモヒカン状にするのだって改造だが、パテ感丸出しでビッと成形されてなければ「そりゃ下手」だろう。筋彫りだって訳わからん稲妻筋彫りとかヨレまくりなら「入れたせいでクォリティが下がる」んだけど、それぞれの技巧の精緻さを評価基準に入れてないのな！
技巧のお題目しか見てないのだ。だから筋彫り、デカール、デティールアップにキャンディ塗装で4点じみた評価になる。だからそれぞれの工作が目立たねばならず、目立ちまくる筋彫り、誰にも追加したのが明らかなデティール追加(デティールアップと追加は違うもんだぞ)、不自然で自己主張の激しいグラデーションやドライブラシ……こーゆーのって目立たぬ様に、しかし効果的である様にやる物なんだけど、4歳女児がカーちゃんの化粧品引っ張り出してドギツいアイシャドウ、おてもやんみたいなチーク、オバＱみたいに口紅じみた事をしてしまう。

4.数をこなせば初心者ではない

創作界隈の人は激怒して良い。数こなせば上手くなるなんてのは幻想だ。絵描きが絵画作品100枚描いたらプロになれるのか、否である。百万文字書いたら角川からラノベ出せるのか、否である！　つーか角川は素人文字列を1300円で売りつけてくる。下手でも商業作家の仲間入りさせられて羞恥プレイ喰らうからやめておけ。
ガンプラ10体作れば初心者脱出出来たらホントーに楽で良いのだが、100体作ろうと組んだだけならただの素人だと思うます。沢山組んでも組んだだけなら「また別の素人」になるだけでは。

秋葉原でパソコンパーツショップ店員やってた時代にも「俺は自作パソコン何台も組んでる！」って奴迎撃随分したが、この手の勘違いの地雷率はかなり高い。当時のワイでも売りもんとして3桁ぐらいパソコン組んでるから、10や20では素人なんでございます。てーか、パソコン組み立てする工場のバイトは組み立てのプロかもしれんが決してパソコンのプロではない。INTとIRQの関係性も知らん奴が生口叩くでね。

結論からいうと、明確に何をどうやって行けば上達するかを分析して実行している人はいなさそうである。別に驚く事ではない……小説でもイラストでも「上達の仕方が分からない」から、ひたすらに作品作って「経験によりなんとなく上手くなる」道を選ぶ人は多い。何となくだがそんな雰囲気を感じて「目指す地平」を決めてそこに至る道筋を作ろうと「ガンプラ粘流」を設定したのだが、やはりこの様なものも必要なのであろう。