#60 「訓練」ってどう捉えていますか?
こんにちは
tatsuyaです。
私だけでしょうか?訓練ってなんか軍隊みたいなイメージを受けるんですよね。
本日は、「訓練と練習の違いについて」について整理していきたいと思います。
1.これからはリハビリを実施する際に「練習」と使ってください。
十数年前、病院勤務していた際に、上司からリハ部全体に伝えられたことです。
理学療法を実施する際に、以前は「訓練」と称して実施していたそうです。私が入職したてのころもそのように記載していたように記憶しています。
1年か2年目くらいであったと思いますが、その病院のリハビリテーション部の方針としてリハビリテーションを「訓練」と実施せず、「練習」と記載するようにしました。
※例えば、筋力増強訓練ではなく、筋力増強練習みたいな感じです。
この時上司からの説明では、
「訓練はあくまでも、上の者が下の者に指示することである。以前のリハビリテーションはそうであったかもしれない。しかし、これからは本人の自主性を尊重しながら本人が主体的に行わなくてはならない。そのため、我々と患者は上下関係ではなく、目標に対して一緒に進む共同者でなければならない。たかが、用語の違いかもしれないが、用語には必ずその思いが乗っかる。そのために、これからは訓練ではなく、練習と使用するようにしましょう。」
といった趣旨の内容を説明されたように記憶しています。
それからは、私は自然と練習と記載することに慣れて、訓練と使用することはほとんどありませんでした。
介護領域に移ってから、「練習」という字を見かけることは多くなく、どの場面でも「訓練」として存在しており、少なからず抵抗を感じている私がいました。
2.あらためて用語の整理をしてみます。
1)訓練(Training)
目的;特定の能力や技術を身につけること
方法;指導者やトレーナーのもとで、プログラムに沿って行われる。
その他;職業的なスキルや専門知識の取得に関連することが多い。
※させる側の事象
2)練習(Practice)
目的;既に身につけた技術や能力を維持・向上されるために繰り返し行うこと
方法;自主的に行われることが多く、繰り返して行うことによって習熟度をあげる。
その他;スポーツや趣味や個人的な技術など幅広い分野に適応されやすい。
※する側の事象
3.介護分野に当てはめて考えてみる。
医療分野を中心としたリハビリテーションは、病気や怪我により機能障害が生じ、日常生活に支障をきたした際に、再び生活に適した状態になることを指しているかと思います。
元の状態に戻ることが難しい場合、他の方法を用いて新たに技能を取得して生活をしなければいけないことがありかもしれません。
(今まで歩いていた方が車椅子を使わなくていけなくなった。右手が麻痺で使えなくなったため、左手で箸をもたなくてはいけなくなった等)
そのような場合は、「特定の技術を身につける」ということはありえるかもしれませんね。いわゆる「訓練」をするということですね。
介護分野では必ずしも疾病や怪我により機能障害が生じたわけではなく、徐々に活動が制限されてきている方もおられると思います。
そう考えると、「特定の能力を新たに身につける」ということではなく、「既に身につけた技術を維持・向上させる」という方がしっくりきます。いわゆる「練習」ではないかということです。
方法の観点からみるとどうでしょう?あくまでも介護が必要になってきた際には、自主的に行うことが難しくなってくることが多いため、指導者等が必要になる場合が多いかと思います。そうなると「訓練」として扱われることも間違いではないと感じます。
もしかしたら、医療だから介護だからとこっちは「訓練」、こっちは「練習」と一括りにすることは難しいのかもしれません。どちらにも該当することはあり得るのかもしれません。
ただ、個別機能訓練において、「複数のプログラムを用意し、その選択に当たっては生活意欲が増進されるように援助する」とされており、このことは本人主体で行われるものであると私は捉えています。
そのため、やはり介護分野において「訓練」が多く使用されている状況ですが、
私は、本人の主体性を重視し「練習」を使用していきたい気持ちが大きいです。
4.まとめ
以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
それではまた、次回お会いできれば嬉しいです。
一歩ずつゼンシン。
「制度に関して興味がでた」「介護保険をもっと知ってみたい」と思っていただけましたらサポートをして頂けるとありがたいです! 今後も介護報酬の改定が施設にとって少しでもプラスになるように継続して行なっていきたいと思いますのでよろしくお願いします!