映画の話

黒澤明を観る! ③「隠し砦の三悪人」感想

ぷらすです、こんばんは。
今回は、1958年(昭和33年)公開の「隠し砦の三悪人」を観たので、その感想を書こうと思います。

「隠し砦の三悪人」は黒澤監督18本目の作品です。

『スター・ウォーズ』(1977)は本作を元にジョージ・ルーカスが発想したという事でも有名な作品ですね。

それを知った状態で観てみると、あーなるほどーと思うシーンもチラホラあって、一番わかりやすいのは、本作でコメディーリリーフとして大活躍する又七(藤原釜足)と太平(千秋実)のコンビです。まさにR2D2とC3PO。
他にも、雪姫(上原美佐)の勝気なところはレイア姫を思い起こさせるなぁと。(いや、雪姫を参考にレイア姫のキャラクターが生まれたんですけどね)
すると、姫を守る真壁六郎太(三船敏郎)は、オビ=ワン・ケノービのイメージかな?

物語は、褒賞(戦で手柄を立てて褒美を貰う)を夢見て山名と秋月の戦に参加しようとするも間に合わず、しかも負けた秋月の兵隊だと思われて散々こき使われ、なんとか逃げ出した又七と太平のケンカからスタートします。

なんとか故郷の早川に帰ろうとするものの、国境は閉鎖され秋月の残党を見つけるため厳しい検問が敷かれていて秋月から出られない状態に。
そうこうしているうちに、山名の兵に捕まって秋月の隠し財産を探すため、城の焼け跡を掘り返す重労働に駆り出されたりと散々な目に合います。

しかし、秋月兵の暴動に乗じてなんとか逃げ出した先で偶然、木片の中の黄金を見つけ、他にもないかと探すうちに、秋月の侍大将 真壁六郎太に出会い……。

その後、黄金につられて六郎太について秋山の隠し砦に行き、姫も含めた四人のパーティーで秋月の同盟国、早川に逃れるためにどうやって検問を抜けるか。というのが大まかな内容です。

今観れば、よくある冒険譚ですが、時代的に考えれば(映画では)本作が元祖といっても過言ではないわけですよね。

で、本作が面白いのは、六郎太と、又七、太平が馴れ合わないんですよね。
六郎太はふたりのことを、ふたりは六郎太のことを互いに信用せず、利用し合い、あわよくば互いに出し抜いてやろうとする関係で、だから最後まで展開が読めずにハラハラします。今風に言うならクライムサスペンス(コメディー?)的な感じ。

その途中で、四人の正体が敵の兵隊にバレて、六郎太が逃げる敵を馬で追いかけて斬るシーンがあるんですが、ここは今風に言うならカーチェイス的な面白さがあって、しかもこのシーンで三船敏郎はスタントを使ってないそうで。
馬上で逃げる敵を斬るために、手綱を離して両手で刀を構え、膝だけで馬を操るシーンは今観ても迫力のある屈指の名場面です。

あと、余談ですが、黒澤監督がリアリティーにこだわって、本物の銃弾を撃たせ、三船らに銃弾をかわさせようとしたなんて話もあるそうで、それが前回書いた「蜘蛛巣城」で、本当に弓矢で打たれた後だっただけに、さすがの三船敏郎も激怒したんだとかw(そりゃそうだ)
なので、(多分)鉄砲で撃たれるシーンは火薬を仕掛けてるんだと思いますが、木に着弾したときの煙?が、反対側から三船敏郎に向かって伸びてるんですけど……まさか、ね。|ョ゚Д゚;))))ドキドキ

つまりこの物語は、敵から姫を守るヒーロー譚であり、黄金を巡った三人の男と敵のクライムサスペンスでもあり、アクション映画でもあり。
と、娯楽映画の面白さが全部詰まっていて、後の映画界に多大な影響を及ぼした作品なんですよね。
この映画がなければ、もしかしたらスターウォーズやインディージョーンズは今と違う映画になってたかもと思うと、改めて黒澤明という人のスケールの大きさを感じずにはいられない作品でした。

興味のある方は是非!


*追記:言い忘れてましたが、この映画の中で姫が男装?しているわけですが、丸出しの太ももが非常に艶かしかった(「エロい」っていうより「艶かしい」っていう表現の方がピッタリ来ると思う)です。
多分、当時の男性のお客さんは「うひょー!」ってなったんじゃないかなw

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